ようやく熊本・宮崎茶旅2016(2)佐賀から芦北へ

Oさんは国産紅茶の第一人者であり、最近とみに有名になってきている。話は流れの中で日本の茶業、特に紅茶の将来についてなど、現実的な話題になってしまう。国産紅茶のブームの兆しがあるのは間違いないが、果たしてその流れにきちんと乗れるのか、品質が伴う紅茶が供給されるのかなど、問題は色々とあるようだ。そして紅茶の歴史についてももう少しきちんと見返すべきという。何故明治以降紅茶が作られ、そして廃れて行ったのか。

img_5327m

 

静岡で多田元吉翁が日本紅茶の祖と言われているが、九州にはその多田翁から指導を受けた可徳乾三という人がいたらしい。彼の歴史を聞くと、中国武漢に製茶修行に行き、ウラジオストックで日本茶を売り、最後は台湾で製茶技師、そして茶荘を開いていたらしい。こんなダイナミックな動きをした人が明治期にいたとは、意外だ。興味を持ったが、その歴史はトンと分からない。因みに九州、熊本は明治初期に紅茶作りのために最初に伝習所が作られ、中国人講師が招かれた場所である。

 

Oさんは多彩な才能を持ち、地元ラジオ局に定期的に出演している。最近は東京などへの出張も多くなり、ラジオの収録をまとめてやらねばならない。それがちょうど今日だということで、2時間ほど話して出掛けて行く。2年前に初めて会った時から考えれば、相当に忙しい人になっている。彼がいなくなったお店を眺め、いくつかのお茶を買い求めた。ただ国産紅茶は1つもなかった。自分のセレクションながら、紅茶の店に来てなんだそれは?

img_5334m

 

帰り道、この街に溢れている恵比寿像を眺めながら歩く。様々な恵比寿さんが、その辺にパラッと鎮座しているから面白い。その数約800体で日本一らしい。こんなに恵比寿さんがある所は他にあるのだろうか。どうしてそんなにあるのだろうか。雨が降り出した。腹が減ったので駅の近くでちゃんぽんを食べた。昨年はちゃんぽんを食べに30分も歩いたのだが、今回は安直。中華屋のちゃんぽんは、何となくタンメンを連想させる。ちょっと疲れていたので、早目に寝て明日に備える。

img_5347m

img_5350m

 

917日(土)
鳥栖から

翌朝は早く起きて、ホテルで朝食を食べる。和食中心の場合、朝から思いっきり食べてしまって困る。生卵をご飯にかけるし、味噌汁をお替りする。宿をチェックアウトするも、腹がパンパンで動きにくい。駅へ行き、鳥栖行の電車に乗る。途中に吉野ケ里公園が見えてくる。未だに行く機会がない。歴史好きとしてはどうしても行くべき場所だ。次回は何としても時間を作ろう。

img_5352m

 

今日は鳥栖駅でY夫妻を待ち合わせ。鳥栖までは近いので問題ないと思っていたが、下車してから待ち合わせ場所がわからない。駅前にはJ1サガン鳥栖のホームスタジアムがある。その前に車が待っていた。Y夫が車を運転してくれる。有り難い。Y夫妻とは北京で知り合い、その後も何度も会っているが、一緒に旅に出るのは初めてだ。車は一路熊本へ向かって動き出す。私は地理が全然頭に入っていない。途中でサービスエリアに入ったが、何とトイレがあるだけだった。こんなシンプルなSAは初めて見た。

img_5363m

img_5368m

 

煙突から煙が出ている場所も通った。ここが水俣か。今日は天気が非常によく、空も青いが、その昔は水俣病など公害で有名だった。また途中で今年の春に起こった熊本地震の影響があり、道路が片道走行、かなりの渋滞になっていた。今日は三連休の初日、やはり普段より車は多いのだろう。芦北インターまで3時間ほどかかって到着した。本日お訪ねするKさんが『デコポンで待っています』というので向かう!

 

2.熊本
芦北紅茶

デコポンとはJAのスーパーのようなところだった。Kさんは随分早くからここに来て待っていてくれたようだ。誠に申し訳ない。更に移動して、近くの大野温泉へ行った。ここは道の駅と書かれている。温泉はあるのだろうか。天井の高い建物の中に入り、そこでお昼を頂いた。地元で採れた野菜などを使い、かなり多彩なヘルシー料理が並んでいた。お母さんの家庭料理、という感じで、とても美味しく頂いた。炊き込みご飯と汁はお替りした。地方ではこんな食事が特に嬉しい。

img_5375m

img_5377m

 

この施設の脇には茶畑が見えた。食後、すぐにそこへ行ってみる。かなりきつい傾斜だ。そして半分は茶畑が無くなっている。『昨年の台風で崩れてしまった』ようだ。横の林も樹木がなぎ倒れたままだった。台風の猛威が想像できる。そしてこのような場所にある茶畑の厳しさにも出会う。横の平地にはきれいな水田、稲が植わっていた。素晴らしい水田と破壊された茶畑の対比が凄まじい。

img_5382m

img_5384m

 

Kさんのお宅へ伺った。実は昨年下田で行われた地紅茶サミットでご挨拶し、FBでお友達にはなっていたが、ちゃんとお話を聞くのは初めてだった。そんな関係でも快く受け入れて頂き、感謝の言葉もない。そしてKさんの芦北紅茶は昨日行った佐賀の紅葉さんで初めて飲んで驚いたお茶だったのだ。これまでの日本の紅茶にはない、独特のうまみがあり、これなら世界でも通用するのではないか、と思えるものだった。一体どのようなところでどのように作られているのか知りたくて、宮崎に行く前に今回の訪問となった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です