埔里から茶旅する2016(26)大稲埕

大稲埕

結局2時間半もクラブにいた。そして別れを告げ、Iさんとも別れた。今日はこれから人に会う予定であるが、その人はちょうど桃園空港に着いた頃だろうか。まだ時間がある、そう思うと足は自然と大稲埕の川べりへ向かっていた。台湾茶業の歴史を語る上で外すことができない場所である。1865年にイギリス人のジョン・ドッドが安渓から茶ノ木を持ち込んだと言われている港である。台湾茶業の創成期、厦門からやってきた買弁、李春生のサクセスストーリーと共に興味深い。そして茶葉貿易が活発に行われ、19世紀後半にはここに茶葉を扱う洋行が立ち並び、台湾茶が欧米に盛んに運ばれていった。日本時代も引き続き繁栄したが、近年台北の中心が東の方に移動したことで、その機能は失っている。

 

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大稲埕は重慶北路から西、淡水側に達するエリアをいう。最近は観光地となった乾物屋街、迪化街などが有名。現在も古き良き台湾の街並みを僅かに残している場所である。淡水河に達する。大稲埕埠頭はよく整備されており、昼間は観光船が発着、夕暮れ時は市民の憩いの場として機能していた。夕日が落ちていく風景をカメラに、いや今はスマホに収めている人が多い。それはなかなかきれいな景色であり、今日はここでボーっとしていれば満足、という雰囲気を十分に感じされるものだった。だがちょうどその時、メッセージが入ってくる。予定より早く面会者がホテルに到着したらしい。

 

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そのホテルはここから歩いて10分ほどのところにあった。フロントで名前を言うとすぐに電話してくれた。ここでは有名人らしい。日本人のMさん。北海道のお茶関係者から紹介された。何となく名前と存在はしていたが、会うのは初めてだった。彼は明日以降、茶葉の仕入れと、製茶体験ツアーのコーディネートのためにやってきたところを捕まえた。私も明日帰るので、絶妙のタイミングだった。

 

Mさんも元サラリーマンでその後独立。お茶で食べていくのはなかなか大変だ、とのことだったが、もう10年以上やっているようだった。私とは台湾や中国ビジネスの体験で共通点が多く、話が弾んだ。各地のお茶屋さん、茶農家も紹介してもらった。それにしてもお茶を本業として、それなりの収入を得ていくことの難しさを痛感する。結局ホテルの食堂でコーヒー一杯を飲み、2時間以上離し続けた。こういう出会いもあるのかと、茶縁の幅の広さに驚く。

 

帰りも何となく歩いていく。途中で寧夏夜市を通りかかり、一度食べようと思っていた肉飯に挑戦。これはまあ言うなれば豚の角煮ご飯。どんぶりご飯の上に、角煮がドーンと載っている感じ。やっぱり私はこういう飯が好きだ。予想以上にボリュームがあって60元、なんとも幸せな気分になる。夜市の他の食べ物も食べたかったが、腹が一杯になってしまい、散歩がてら宿まで歩いて帰る。これで今回の台湾もうまく収まった。

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61日(水)
東京へ

今日はついに東京へ移動する日となった。短いようで長かった今回の滞在。良久へ行き、魚池の紅茶を見、坪林で製茶体験、収穫はあったということだろうか。いつものように台北駅前からバスに乗り、桃園空港へ。それにしても一体いつになったら、空港鉄道は開通するのだろうか。毎回行く度にもうすぐだ、という話になるが、一向に開通しない。これがあればかなり便利なはずなんだがな。まあ、これも台湾、仕方がない。

 

空港に着くと、チェックインカウンターは長い列だったが、これまたいつものようにテキパキと処理されていく。さすがに行きに乗ったシンガポール系LCCは対応がひどすぎたので避け、日系LCCに乗る。搭乗前の腹ごしらえは、なぜかパン屋でサンドイッチとコーヒーを買うという、これまでにないパターンに。やはり飽きてきているのだろうか。しかしパンは日本の方が美味しいと言わざるを得ない。

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フライト時間3時間ちょっとで成田に着いた。今日は61日、昔は衣替えだったかな。今はクールビズの始まりか。成田第三ターミナルからは東京駅行きのバスが僅か1000円で乗れる。バスは夕日を浴びながら、高速道路を走っていき、ちょうど退勤時間の八重洲に到着した。

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そういえば、今回修理できるということで持って行ったPC。ついに修理は出来なかった、既にパーツが生産停止になっていたとの連絡を後から受けた。これを受け取りにまた台北へ行くのだろうか。茶畑行きも何となく中途半端に終わっている。次はいつ行くのだろうか。取り敢えず中国へ行かなければならい。9月以降、早めに再訪しよう。台湾は小さな島だが、お茶に関していくべきところはまだまだたくさん残っている。

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