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トルコの茶畑を訪ねて2012(1)イスタンブール 物価の高い街

《トルコの茶畑を訪ねて2012》   2012年9月20日-10月2日

活動拠点をバンコックに移した。これからは西のアジアを目指そうと思っていた。どこが良いだろうかと考えていると、「トルコは世界で5番目の茶葉生産国、第3位の消費国」という言葉が耳に入った。え、そんなにお茶が取れるの?そして街中でチャイを飲んでいるの?

トルコがアジアかどうかも考えずに、バンコックからどのくらい遠いかも調べずに、行くことに決めて、航空券を予約する。トルコ航空。でも航空券がかなり高い。アジアでは考えられない金額だった。そして飛行時間10時間、何でそんなに掛かるのか。すべて私が悪かった。だが行くと決めたら、行くのだ。

しかし茶畑はどこに。それだけは事前に東京のトルコ大使館観光担当に教えてもらっていた。関係ありそうな人も紹介してもらった。だが、なかなか核心に辿りつけない。英語も通じないらしい。有力なツテが無いまま、出発4日前になった。当日バンコックで茶会を開くと、その会場のオーナーが「トルコの知り合いを紹介しよう」と言ってくれた。2日前に再度その店に行くと「そうそう紹介しなくちゃ」と言いながら、携帯からメールを打ってくれた。それが大きなご縁になろうとは。

1. イスタンブール1   9月20日(木)  飛んでイスタンブール

飛んでイスタンブールという歌があったが、まさか自分がイスタンブールに飛んでいくとは思っていなかった。トルコ航空、何とスターアライアンスメンバーであり、機体もきれい。とても良い雰囲気。

座席では映画が見られるようになっていた。飛行時間が長いので、何をしようかと思い、何となく、映画の所を開くと、何と何と、日本語が選択できるではないか。「フォレストガンプ」というアメリカ映画を選択して、見た。完璧な日本語吹き替えだった。主演のトム・ハンクスの朴訥とした演技が良かった。人生を考えた。

そして3時間が過ぎ、「ミッション・インポッシブル」なる映画を見始める。本当は機内で寝ようと思っていたのだが、トム・クルーズ主演のこの映画にも引き込まれ、ついつい見てしまった。そしてミッション・インポッシブル2を探したが、何故か英語吹き替え、そして何故か、ミッション・インポッシブル3は日本語だったので、3を見る。舞台に上海が出てきており、サッカーの中田と一時話題なった香港の女優、マギー・Qも出ていた。そして瞬く間に9時間近くが過ぎ、疲れた。

食事はかなり良い物が出て、満足。しかも飛行中、2回も出た。午前11時にバンコックを出発し、トルコ時間午後3時に到着。バンコックとの時差は5時間あり、飛行時間は10時間だった。まさに南から北西に飛んで行ったわけだ。遠い、遠い、アジアの果て、いや。

イスタンブール空港は混雑、混乱

空港のイミグレは大混雑だった。観光シーズンなのだろうか、ヨーロッパあたりの人々が大挙して来ている感じがした。処理は早いのだが、如何せんキャパが足りていない。最近急激に訪問者が増えているのだろう。

ようやくイミグレを超え、荷物を取り、先ずは両替。ところがこの銀行の女性、あまりにも愛想が悪い。まるで私が悪者かのような対応で驚く。後で聞くと他の日本人も同じ印象を持っており、「トルコで日本人と分かっていてあんな態度を取ったのは彼女だけ」と言い合ったほど。それから携帯のシムカードを買う。30ユーロ払って買ったが、10日間しか使えないらしい。セキュリティだろうか、意味が分からない。

そしてホテルへ向かうために外へ出る。イスタンブール在住のTさんから「タクシーに乗って来い」と言われたので、タクシー乗り場を探したが、見付からない。トルコ人はその辺で適当にタクシーを捕まえて、乗っている。仕方なく真似る。運転手にホテルの場所を告げたが、首を傾げ、電話して確認している。案外親切だな。

タクシーは良く晴れた午後の道を市内へ向けて走る。直ぐに海が見えて来て、いい感じのドライブとなる。そして30分ぐらいでスルタンホハメド地区へ入ったが、やはり場所が分からず探す。ようやく見付けたその場所は。

イスタンブールの物価はアジアではない

今回も貧乏旅行を前提としていたが、何とイスタンブールのホテル代はアジアに比べてかなり高かった。一応個室を希望したところ、安くても30ユーロだったので、取り敢えずそこを抑えたのだが、これがクラシックというか、かなりのボロ屋。この街の物価は少なくともアジアではないことを実感。私の旅、「アジアほっつき歩き」はどうなるのだろうか。

しかもネットで予約したにも関わらず、予約が無い、と言われる。ホテル代も予約金を入れていたのに、ないという。それならいっそ今から別のホテルを探すか、と思ったが、その時、フロントのニーちゃんが「今日だけスペシャルルームをあげる」という。良く分からないが階上へ行って見る。

そこには部屋が2つ、ベッドが5つあった。え、ドミトリー、話が違う、と思っていると、ここを全部使ってよい、というではないか。ベッドはそんなにいらないんだけど、と思うものの、面白いから泊まるか、となる。試してみるとネットも繋がるし、まあいいか。

Tさんに到着を告げる電話をしたが、誤って国際電話として掛けてしまったらしい。30ユーロは直ぐに無くなってしまった。困った。外へ出て周囲を散策。なかなか良い静かな環境。隣の床屋のオジサンが何だか話し掛けてきたがさっぱり分からない。でもなぜか皆笑顔。いいね。トルコ人、人は良さそうだ。

イスタンブールには大人の雰囲気があった

Tさんがホテルに来てくれた。Tさんとは20年以上前に台湾で出会い、今も交流が続いている。やはり中華圏を歩いてきた彼がイスタンブール駐在員、時代が動いているような気がしていた。日本企業の進出もようやく本格化の兆しとか。よく聞いてみるとTさんの会社からここまでかなり離れていた。ここは観光地区、イスタンブールの広さを想像したが出来なかった。申し訳なかったが、何しろ地理が分からないのでお任せした。先ずはコンセントのプラグを買いに行く。だがこの辺には売っていないらしい。国ごとに形状が違うのは本当に厄介だ。

トラムに乗りに行く。きれいな車両が石畳を走る、完全にヨーロッパの街だな、イスタンブールは。1回3リラ。最近1リラ上がったらしい。3駅ほど行くと、そこは繁華街。カメラ屋に入ると、ちょうど良いプラグがちゃんと売っている。素晴らしい。でも10リラ。

そして歩いて行くと、あのボスポラス海峡が見えた。ガラタ橋もあった。橋を渡り、向こう側の不思議なビルへ。知っている人しか行けないレストランへ連れて行ってもらう。そこから海峡が一望できた。夜景がきれいだった。イスタンブールに来た感触があった。魚を焼いてもらい、サラダとスープを取る。何故かパンが山盛り出てきた。意外とおいしいのでパクパク食べる。これがトルコ流だと後で知る。いつでもどこでもパンは無料で出てくる。

帰りはTさんが自分のカードを使ってトラムに乗せてくれた。カードは何人乗っても使えるそうだ。何と便利な。一律何処へ行っても3リラという共通性が大きい。まるで北京の地下鉄一律2元と同じだが、何となく雰囲気は異なる。こっちには車両も含めておとなの感じがある。