ミャンマー激走列車の旅2015(7)揺れない場所で寝て食べて

 アイちゃんがぐずり出したので、ホテルに戻り、記念写真を撮って別れた。僅か1時間半ほどの再会だったが、会えてよかった。かなり疲れていたはずだが、これで疲れも吹き飛んでしまったのには、自分でも驚いた。彼らはここからかなり離れた家に戻っていく。ヤンゴンの不動産は高止まりであり、安くなる気配がなかった。彼らが市内中心部に戻ってくる日は来るのだろうか。

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夜はS氏のお知り合いの女性、Iさんと食事をした。Iさんは確かベトナムで暮らしていたが、その後ヤンゴンに移り、ライター活動などをしているという。ホテルを予約してくれたのも彼女だった。とても立派なホテルなので、感謝している。ミャンマー料理のレストランへ行き、たらふく食べた。魚と野菜が美味しく感じられる。体は必要なものに飢えており、それを与えられることで満足するようだ。私の知り合いのTさんも途中から参加して、ミャンマーの最新事情などを聞いた。やはり変化が激しいことは間違いがない。

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夜またシャワーを浴びて、ぐっすり寝入ろうとした。しかし事はそう簡単ではなく、いつの間にか体が揺れている感覚に襲われて、起きてしまう。S氏は遅くまで原稿の締め切りに追われていたようだ。この状況下で文章が書けるだけでもすごいと思うが、眠いと感じないのかと思うほど、しっかりとしているのには驚嘆する。隣でNさんが寝返りを打った。彼も体が揺れているのだろう。

 

7月26日(日)

翌朝はゆっくり起き上がる。これは大正解だった。もし朝6時に列車に乗るのなら、4時前には起きなければならず、そうであれば、その緊張からほぼ眠れずに終わったはずだった。助かった。8時に下へ行き、朝食を食べる。パンにフルーツ、そしてお菓子と、予想以上に豊富な食べ物を喜んで食べる。お茶はミャンマーの有名メーカー、ナガピョンの紅茶、ティバッグだった。これもまたさっぱりしてよい。

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午前中はフリーだったので、ホテルの周囲を散策した。ここは以前のTTMの住まいから遠くない。何となく覚えのある寺があり、店もあった。比較的低い建物が並ぶ、住宅街であった。7月であり、それほど暑くもなく、快適な散歩となる。ただ段々時間が過ぎていくと、またあの恐怖の列車の発車時間が近づいてくる。考えただけでも気分が落ち込む。

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そして午後1時前に名残惜しいホテルをチェックアウトして、中央駅に向かった。車はスイスイと走る。日曜日だからだろうか。これまでヤンゴンに来ると渋滞ばかりだったが、ここ二日は殆ど渋滞を見なかった。経済の停滞に起因しているのだろうか。駅前で両替を試みると、米ドルとチャットのレートが1250ぐらいになっていた。前回来た時は950程度だったから、大幅なチャット安に陥っている。

 

駅前なのに、バスの切符売り場が目立つ。昨日行った列車の切符売り場を考えてみると、乗客がどちらを選んでいるかはほぼ明らかだった。それでも改革できないでいるところはミャンマーらしいとも言えた。まだ発車時刻には相当の時間があるので、スーパーで買い物をした。水やビスケットなど食料を買い込む。今度の列車にはどのような設備があるのかは分らないから、十分な備えが必要だろう。

 

それから屋台で麺を食べた。腹はそれほど減っていなかったが、揺れないうちに腹に入れていこうと思ってしまう。珍しく汁なし麺だったが、これは食べやすくてよかった。あの揺れる列車でもぜひ食べてみたい一品だ。そんなことを考えていると、突然雨が降り出した。屋台では食べ物が濡れないようにビニールで覆っていたが、人は殆ど気にすることもなく、食べ続けていたので、我々も食べ続ける。雨はにわか雨ですぐに上がり、我々は隣の屋台でティミックスを飲んで、時間をつぶしていた。

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ヤンゴン中央駅は仏塔の様な形を頂いているが洋風の古い建物で、殆ど改修もされていないように見えた。これが一国の中央駅か、と思うとちょっと残念だが、昨今の鉄道離れから考えると、当然なのかもしれない。どこに資金を配分するのか、という場合、どうもそのリストに上がってくるとは思えない。トイレに行くとその汚さは半端ない。電話は未だに電話機を借りるシステムで、昨今の携帯の普及とも無縁の世界だった。

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2時半近くになり、ホームへ行ってみたが、列車が来る気配はなかった。少し心配になった頃、列車が入線してきて、乗客が乗り込み始める。ミャンマーの鉄道は意外と時間通りで驚く。タイとは大違いだ。車両はかなり古かったが、今回は4人乗りのコンパートメントで、夜は横になって寝ることが出来そうだった。しかもヤンゴン-マンダレーは幹線であり、前回の様な事はないのではないかと一縷の望みを持った。この車両には2人用の部屋も付いており、快適そうにも見えた。ただこの部屋はかなり暗く、昼間なのに文字を読むのは難しかった。

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