《台湾温泉巡り2004》(9)関子嶺2

3. 2004年4月3日(土) 関子嶺

(1) 高雄
2年前のイースター休暇に台湾を訪問した。何の計画も無く行ったのに実に充実した旅となった。今回は前回の旅を踏襲することにして高雄行きのチケットを押さえる。

今回はイースターより1週間前の清明節の3連休を利用。空港は何故かドラゴンエアーのカウンターだけめちゃくちゃ混んでいる。ドラゴンは中国・東南アジアの近距離線、リゾート線に強い上に、この4月より香港人の日本旅行がビザ無し(90日以内)となったことに合わせて、成田に就航。乗客が多いのも頷ける。

高雄行きも満員でシートが普通のエコノミーより広い席を割り振られ、ご機嫌。しかし何故か今回は体が疲れている。シートに深々と体を沈めても疲れは取れない。僅か1時間のフライトで半分以上転寝をしてしまった。

高雄空港に着くと、前回と同じ様に高雄駅に行き、鉄道で嘉義に行くのでは面白くないと思い、旅行者センターで方法を聞くとバスがあると言う。バスのカウンターに行くと人が居ない。暫く覗いているとおじさんが来て切符を売る。10分後にバスが出るので外のバス停で待つようにと言う。

ところが待てど暮らせどバスは来ない。そう言えば一度一番遠い車線をこの会社のバスが通り過ぎたような気がする。しかしまさか、とても客を乗せるような運転ではない。

40分後にとうとう空港ターミナルに戻り、旅行センターへ。バスカウンターに人気は無い。センターの女性がバス会社に電話すると電話が盥回しに。挙句に『お前を探したが見つからなかった』との答え。更に次のバスは何と1時間後。これには切れてしまう。思わず関係の無い女性に『そんなバカな』と怒鳴ってしまう。

結局バス代をセンターの女性が立て替えて返してくれる。一体何と言うバス会社だ。久しぶりに悪い台湾に会ってしまった。しかしその女性はいい迷惑だったろう。一生懸命やってくれたが。

なかなか怒りが収まらず、空港の外に出た。バスが見えたので乗る。僅か12元で高雄駅に行くという。しかしこのバスは路線バス。何時になっても着かない。こんなことならタクシーに乗るんだった。しかも駅の前で曲がってしまい歩いて10分掛けて漸く駅に。嘉義行きの自強号は50分後。前回の電車より1時間以上遅れてしまう。

(2)嘉義
嘉義駅前はよくある台湾の地方都市。300mほど歩くと関子嶺行きのバス停があるはずであった。ところが前回と同じ道を歩いているはずなのにどうしてもバス停が無い。よくよく地図を見ると違う道を歩いている。最近本当にこのようなことが多い。年のせいか思い込みで動いて失敗が増えた。

漸くバス停に着いたが、何と本日の関子嶺行きは既に終わっていた。5時半がラスト。私が駅に着いたのが5時42分、焦ってバス停を探していたが結局無駄な努力だった訳だ。返す返すも高雄空港のバスが恨めしい。

タクシーで向かうか、嘉義に泊まるか、ここはじっくり考えようと思い、取り敢えずやるべき1つのことをすることにする。それは携帯電話の充電器の購入である。香港と台湾では電圧も異なるが差込口が違う。台湾で充電する場合は大きなホテルのように多様な差込口を用意している所を別とすればどうしても台湾製の充電器がいる。

台湾には中古携帯を扱う店が街の彼方此方にある。どうせやるなら店員ではなく店長、そんな台湾人気質が多数の店を生み出している。そんな一軒に何気なく入る。タイ人らしい2人連れが何やら真剣な交渉をしている。最近特にタイからの労働者が多く入っている。恐らく如何に安く携帯を手に入れるか相談しているのだろう。

若い女性店員がこちらを向いて何が欲しいのか聞いてきた。充電器というと直ぐに取り出してくる。更に目の前で試しに充電してみせる。そして大きな箱に入れようとするのを要らないと言うと、小さな箱に入れてくれる。『お急ぎなんですね』とにこりとしながら気遣う。私はこれまでの疲れが一辺に吹き飛ぶ思いを感じた。台湾の良い所が出てきた。素直に気分良く店を後にした。

その後夕飯を食べることに。私は魯肉飯と貢丸湯が大好きだ。あまり腹も空いていないのでその2品のみを頼む。僅かNT$25。安い、美味い。あまり綺麗とは言えない店だが、地元の人が入れ替わり入ってくる。

(3) 関子嶺
店を出るとやはり関子嶺に行って見たくなり、タクシーを停める。NT$500と言うので乗ってみる。タクシーは最初広い公道を走っていたが、その内農道に入って行ったりする。全く知らない真っ暗な夜道を走って行くのは怖いものである。これがバスならさほどでもないが、タクシーとなると運転手との信頼関係が必要である。ところが運転手はこちらが話し掛けてもあまり話そうとしない。

結局バスで1時間以上掛かるところを40分ほどで到着。普通の運転手は自分の馴染みの旅館を紹介したりするものだが、彼は逆に何軒か見てじっくり比較して選ぶようにアドバイスしてくれる。本当は良い人なのだ、疑った訳ではないが申し訳ない。

関子嶺は2年前とあまり変わっていなかった。2年前に泊まって見たいと思った静楽荘の前に呼び込みのおにいさんが居たが、声を掛けてもらえず残念。もし声が掛かれば泊まったかもしれないが。

結局1周して前回泊まった仁恵に入る。フロントの女性が一生懸命説明していたが、2年前にも居た日本語の出来るおばさんが『一人ならNT$1,800でいいよ。』とさらっと言う。前回は昔の小学校の校舎を思わせる造りの部屋であったが、今回はおばさんの配慮で和室風の部屋となる。和室といっても部屋が少し高くなっており、そこにマットレスを敷いたベットが作られている。テレビもある。バス・トイレも綺麗になっている。窓枠だけが昔風の木の枠である。

早々に温泉に入る。2年前と同じ室内大浴場である。ここは裸で入れる。もう1つ外に温泉プール(水着着用)があるが、こちらは子供達が泳ぎ回り今一つ雰囲気が出ないのと水着を忘れたことによりパスすることになった。

室内には先客が3人。見ると2年前と浴槽の位置が異なる。更に奥に打たせ湯?がある。泉質は例の泥の温泉。入ると肌が滑々するのは相変わらず気持ちが良い。しかしここに長く入っていると疲れが出る。今日はかなり疲れており、残念ながら退散。態々タクシーに乗ってここまで来たのに。

本日は土曜日の晩。しかし客が多いとは思えない。勿論明日が清明節で多くの人が墓参りに行く日ではあるが、それにしても台湾の温泉ブームにも陰りがあるようだ。翌朝外に出てみるとこの旅館の前に立派なホテル風の温泉宿が出来ていた。競争はどんどん激しくなっているのがわかる。

それでも朝ご飯のお粥を食べに食堂に行くと相変わらず従業員のお姐さん達が椅子に座ってテレビを見ていた。前回はここで従業員のおじさんに阿里山のお茶農家を紹介してもらった。今回はご飯の種類が増えていただけ。何か寂しい。

前回同様旅館の前からバスに乗る。昨日の夜から客引きのおにいさんが私に興味を持っていたようで、話し掛けてきた。聞けば日本人の女性が良くここを訪れているようで、彼も日本語を習いたいのだそうだ。バスが来た。彼は運転手に私のことを頼んでくれた。運転手も親切になった。バス代は僅かNT$76。昨日のタクシー代はNT$500。

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