アンコールへの旅2014(9)ゆるいゆるい村でごろ寝する

ゆるいゆるい村で

ベンメリアを後にして、バスは田舎道を走る。これからサレンの実家を訪ねることになっている。途中で結婚式の披露宴をしているところがあった。カンボジアも結婚式にはお金を掛け、盛大に行う習慣がある。本日の案内役、Kさんもサレンのお兄さんと結婚、カンボジアでも式を挙げたことだろう。Kさんの娘、Sちゃんにとってはおじいちゃんやおばあちゃんが待つ、故郷なのである。

 

広い通りから狭い道は入る所におじいちゃんがバイクで待っていて、道案内してくれた。家の近くにバスが停まると、待ち切れずにおじいちゃんがバスに乗り込み、Sちゃんを抱き上げる。だが突然抱き上げられたSちゃん、大泣き。これにはおじいちゃんも困ったことだろう。私も昔、離れて暮らしていた自分の息子に大泣きされると、何とも切なかったことを思い出す。

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おじいちゃんの家には庭があり、バナナがなっていた。高床式の木造の家が、いい感じで建っていた。下では皆が寛げる台があり、親戚が集まり、我々のためにランチの用意をしてくれていた。雷魚が美味かった。何のスープか分からないが、絶品スープも登場し、人の家にも拘らず何杯もお替りした。あー幸せな生活。風すらもゆっくりと吹き抜けていく。A師は早々、ゴロリと横になる。

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皆2階に上がり、そこでゴロリとなる。そして本当に寝入る。あー、風がいい。ベストシーズン!しばらく寝てから起き上がると和尚がいない。探してみると彼は付近を散策していた。周囲は畑。サレンもトゥクトゥクドライバーを辞め、この辺の畑をやっているというが、今日は市内の奉仕活動に出掛けており、結局会えなかった。残念!

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この村の子供たちは暑くても元気で遊んでいる。Sちゃんも仲間に入れてもらい、ゆっくり動く。男の子も女の子も、小さい子も大きい子も、一緒に遊ぶ。写真を撮ると皆集まってくるし、何かあると、すぐに反応する。そう、子供らしいのだ。今の日本の子供は関心がなければ動かない子が多い。こんな自然の中で、のびのびと遊ぶ、実に月並みながら、羨ましい環境がここにある。

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昨日は伝統の森に行ったが、同じ田舎でも、だいぶん雰囲気が違う。伝統の森もゆるいが、それでも仕事場、という感じもする。こちらは完全にローカルの生活の場に入り込んだ感じだろうか。ここにいつまでも居たい、という気分が高まる。最近は電気も通ったようで、衛星放送のアンテナなども見える。実はこの村も急速に変わって行くのかもしれない。機会があれば次回は3日ぐらいここに泊まってみたい、と思う。

 

帰りのバスは何となく、皆夢見心地、気だるい雰囲気が流れていた。こんな何気ない家庭訪問、これこそが観光より重要な、現地を知る手がかりを提供してくれる。勿論いいことばかりであるはずがないが、我々が田舎の生活をいいと感じるのは、現実に何らかの不満があるからだろう。

 

ナイトマーケット

ホテルに戻ると、もう夕暮れ。A師夫妻と和尚と、今回初めてナイトマーケットへ行く。普通の観光なら真っ先に行くのだろうが、最後の晩に初めて行くのが我々だな。ホテルから15分ぐらいかけてゆっくり歩いていく。3年前に行った時より遥かにきれいになっていて驚く。というか、初めて見る、川向うの夜市。

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中国語がそこかしこに書かれており、どう見ても中国人対象のマーケット。私に中国語で声を掛けてきた店員に話を聞くと、やはり中国人が圧倒的に多い。そして売り手の彼らはカンボジア生まれの華人。華人といえども、まさか同胞がこんなに沢山カンボジアに来るとは思っても見なかった、という。中国語が出来て良かった、との声も聞かれた。

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夕飯は私が初めてシェムリアップに来た時に行った、クメールキッチンに行こうということになったが、場所など覚えていない。以前は全てサレンに任せて道を覚えようともしなかった。誰もガイドブックも持っていない。仕方なく歩き回り、他の店に入ろうとしたところ、不意に発見した。

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ただ店は小さく、店の前には人だかりができていた。こんなに人気だったんだ。恐る恐る近寄ると奇跡的に席が空いており、滑り込む。これもご縁だろうか。スープを含めてカンボジア料理を4品、そしてご飯を頼む。カンボジア料理は甘いがなぜか美味く感じる。しかも一品4米ドル、ご飯は無料。一人4ドルでたらふく食べた。これが人気の秘密だと分かった。

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