ベトナムGH11連泊の旅(9)ホーチミン イオンモールに行ってみたが

日本食ランチを食べながら

昼前に出掛けた。社員旅行は昨日で終わり、今日は残った人々が思い思いに過ごしている。私も知り合いのKさんと約束していた。Kさんとは2008年のホーチミン訪問で知り合い、前回2011年にも会っている。考えてみれば私は3年に一度ホーチミンに来ており、来ればKさんと会っていることになる。

 

待ち合わせ場所は宿から歩いて行けるニューワールドホテルのロビーにしてもらった。ホーチミンには慣れたとはいえ、一人で出歩いて迷子になる恐れもあったので、そうしたのだ。このホテルの脇にはスターバックスのホーチンミン1号店が作られており、お客で賑わっていた。ただよく見ると外国人が多い。ベトナム人にとってスタバのコーヒーは高過ぎるのではなかろうか。バンコックと一緒で巷に安いコーヒーが出ているので、日本のような有難味はない。若者がその空間を楽しむスペースとして利用しているだけだろう。

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Kさんは変わっていなかった。すぐに近くの日本食屋に移動する。さほど大きくない店だが、日本人の老夫婦がやっている。焼き魚定食を頼む。サバは脂が乗っている。小鉢なども付いて、日本の味だ。最近ベトナム料理ばかり食べていたので、とても有難い。Kさんも奥さんはベトナム人であり、奥さんのコミュニティの中で暮らしているから、日本食を食べる機会はあまり無いのかもしれない。日本人と会う時は日本食にしているようだ。

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Kさんはホーチミンの庶民の暮らしを色々と話してくれる。昨日も見た地下鉄工事については『あれで我が家も立ち退きにあった。代わりの家は凄く遠くて、しかもようやくもらえて行ってみると、電気が通っているだけ。すぐにはとても生活できなかった。政府は一般庶民のことなど全く考えていない。その政府と連携してベトナムのためと言ってODAを出す日本政府の気がしれない』と。

 

日本はベトナムの庶民が必要としていない原発や新幹線をも売り込んでいる。地下鉄だって庶民は不要のものと考えている。それで被害を受けるのだから、日本嫌いにもなりかねない。先日の反中暴動の時に、間違って襲われた日系企業もあったが、あれは間違ったのだろうか。そういえば台湾企業もあったな。真実はいずこに。

 

日本企業の進出も『確かに沢山来ているけれど、必ずしも成功している訳ではない。ベトナム政府は金になりそうな進出案件は積極的に誘致するが、後はお構いなし』、『反中暴動だって、中国が嫌いというよりは、労働争議的な要素もあったはず。ベトナムの賃上げも凄い』とのこと。ようは中国の反日暴動と似ていて、人々のガス抜きであり、それほどに労働者や一般庶民が追いつめられているということだろう。

 

Kさんと話していると、日本の報道には出て来ないような話がいくつも出てきて、尽きない。現実に生活している人の意見は実に重要だ。8年前は確か不動産成金が沢山出て、ベトナムでは結束が固いされた家族が一部で崩壊、といったバブル現象が起こったホーチミン。今はどうなのだろうか。不動産価格は下落気味ということで、また固い一族の結束が図られているのだろうか。

 

イオンモールに行ってみたが

3時過ぎに宿に戻ると、出掛けていたN社長も戻って来た。小雨がパラパラ来たが、折角なので物見遊山でイオンモールへ行ってみる。『タクシーの運ちゃんも知らない人が多い』と言われ、ちょっとビックリ。日本の報道では開店時に10万人以上が訪れたと聞いていたので、ホーチミンの名所となっているに違いない、と思ったからだが。実際タクシーに乗り込むと何とか分かってくれたのでホッとした。

 

街中を抜けて車はどんどん走るがなかなか着かない。空港方面に向かっているのは分かったが、一体どこにあるのだろう。途中でロッテモールを見掛け、タイのビックCを見た。ライバルたちは大きな通りに面していたのだが、イオンは違っていた。かなり走った後、細い路地に入り、更にかなり行ってようやく建屋が見えてきた。ここは大型の住宅開発地。その一角に建てられていた。タクシー代は25万ドンにもなっていた。これは相当に高い。

 

まだ開店してそれほど経っていないので、きれいである。だが中に入って驚いた。お客は殆どいないのだ。スーパーには日本食品も置かれているが、高い。わざわざここまでタクシー代を支払って買いに来る日本人はいないだろう。平日の夕方、しかもかなりの雨が降っているということでお客がいなくても当たり前かもしれないが、レストラン街にもあまりいない。寿司を1個ずつ売っている店にだけ人がいた。

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2階の洋服、雑貨、玩具などには本当に人がいない。ダイソーの100円ショップぐらいは人気かと思ったが、どうやら使い方が分からず眺めるだけ買わない。多くの店が50%以上の値引きをしているが、お客がいなければそれも空しい。3階のシネコンもしかり。ボーリング場とゲームセンターでは多少遊んでいる若者や子供がいた。

 

ここは週末家族連れなどが一日ピクニック感覚で遊びに来るところであり、決して日用品を買いに来るところではない。『週末はそこそこ人が入っている』とは聞いているが、何となく日本人として心配になってしまった。N社長も『オールジャパンとして頑張ってほしい』と言っていたが、イオンは既にホーチミンに2号店をオープンしており、その面積はここに2倍とか。更にはハノイに3号店を建設中で、その面積はここの3倍と聞くと、思わず『うーん』と首を傾げてしまった。

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恐らくこれはイオンの長期的な戦略なのだろう。だから1号店は理由があってこのような場所に出していると思われる。人口9000万人のベトナム市場をいかに取り込むか、ベトナム政府の思惑もあり、簡単ではないだろう。最近市内のスーパーと提携し、商品をそこへ供給しているとも聞く。現場でやっている人は大変だ、と同情した。

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帰りは大雨に中を行く。路地は車で詰まったが、何とか切り抜けた。バイクの2人乗りが多いが、この雨でスリップ、転倒事故を2件目撃した。やはりバイクは怖い。何とか1時間で宿に着いたが、行きより安い20万ドンだった。どうやら行きのタクシーは遠回りした模様だ。

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