ベトナムGH11連泊の旅(6)ホーチミン ゲームセンターのようなカジノへ行く

カジノとマジェステックホテル

夕食後、各人の嗜好に合わせて自由行動となる。半分以上はお洒落なバーへ向かった。私はFIさんとN社長が行くカジノへ着いて行くことにした。案内役はNさん。10年以上ホーチミンに住んでいるNさんでもカジノに行くのは初めてだそうだ。レストランから歩いて10分ほどで、市内中心部へ出た。この辺りのライトアップはきれいだ。

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一軒のホテルの前へ来る。ここにカジノがある。エレベーターで4階へ行くと、ボーイが恭しく迎える。ただカジノと言ってもマカオのような広さではなく、ちょっとしたゲームセンターのようだった。面白いのは外国人しか入れないようで、ベトナムドンを米ドルに両替して米ドルでプレーする。お客は日本人や韓国人がいたが、その数は少ない。中にはあまりカジノとは縁がなさそうな人までソファーに座って居る。深夜便でどこかへ出発する観光客がここで時間調整をするらしい。確かにちょっとした食べ物があり、飲み物もあるので、便利だ。

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何故私たちがカジノへ来たのか。それはFIさんがカジノ好き、いや一つの仕事がカジノだからである。彼女の本業は企画編集だが、同時にカジノのプロ。ラスベガスは勿論、マカオ、シンガポール、ソウルなど各地のカジノに行っている。3月に台北で会った時の第一声が『初めてカジノのない国に来た』というので驚いた記憶がある。専門はブラックジャック、ギャンブルは確率論なのでかなりの確率で勝てると聞き、その手法を勉強した。

 

このカジノ、機械化が進んでおり、まるでゲームをしているようだ。ディラーというよりスタッフとFIさんが向き合い、そしてお互いに下を向いて、機械を操作する。あの賭場、と言ったイメージは丸でなく拍子抜けだ。どうやら社会主義国?ベトナムでは外貨獲得のためにカジノは許すが、射幸心を煽ってはいけない、単にゲームしているだけ、という感じでやらないといけないらしい。

 

肝心の勝負だが、確かにFIさんの確率論を使った手法で勝ったり負けたりを繰り返したが、最終的には80ドルを投入して120ドルになっていた。ここでスパッと終了。『1.5倍になったら止める』というポリシーらしい。この辺鮮やか。N社長はルーレットに興じていたが、一向に成果は上がらない。そこでFIさんが簡単に指導したところ、みるみる勝つ確率が上がって来た。ただ最終的には、非常に低い確率で負けるところに当たってしまい、惨敗。それでも、『カジノは数字』という意味が少しわかって来た。もし機会があればちょっとチャレンジしてもいかもしれない。

 

このカジノは活気がなく詰まらないということで、もう一つ、大きなホテルのカジノへも行ってみた。ここは中国人観光客もいて、人が多かったが、その分、何かをするのにも、面倒だった。そして中国人自身も決して楽しそうではなかった。FIさんはちょっと試して見て、すぐに止めた。私も一周回ってみて、満足した。Nさんが『ベトナム北部に1か所だけ、中国人の熱気がはらむカジノが存在する』と言っていたが、とにかくここでは巨大ゲームセンターなので、疲れる。

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カジノを出て気分転換に街を歩く。するとそこにマジェスティクホテルが見えてきた。ここのルーフトップバーには6年前にホーチミンに来た時、一度来ていた。沢木耕太郎が泊まり、ここで思いに耽ったと読んだからだ。N社長も私より年長者なので、ベトナム戦争時に各国特派員が集ったこのバーを気に入っていた。

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ホテルはクラシカルだが、年々きれいになってきている。昔は数十ドルで泊まれたが、今は200ドルぐらいするかもしれない。クラシックなエレベーターに乗り込み、上階へ行ってみたが、レストランには人影はない。ボーイが『屋上は濡れているから止めたほうが良い』というのを振り切って、階段を上がり、ルーフトップへ。確かに椅子はちょっと濡れていたが、気にならないほど、そこから見る夜景には独特のものがあった。

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前回もオーダーしたカクテル、ミスサイゴンを頼み、しばし暗闇の河を見つめる。風は心地よく吹いてくる。初めてのFIさんは『こんなところがあるんだ』と感心していたが、昔はお客が一杯いたのにな、と少し寂しい。きれいなホテルが沢山出来て、カジノまで出来て、このホテルのバーで物思いに耽る観光客などいなくなってしまったのだろうか。確かに周囲のホテルも改装が相次ぎ、昔の良さが失われていく感じがしている。でもそれは私の感想であり、新しく来る人々には、新鮮でよいのかもしれない。それが発展、ということなのだろうか。

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一杯飲んで退散した。帰りはタクシーを捕まえて宿に戻る。まだ他の組は帰ってきていない。若者は夜のサイゴンを楽しんでいるようだ。我々はそれから風呂に入った。何と言ってもサイゴンの発展はこの風呂なのである。一日の疲れが癒される。その後すぐに寝入ってしまう。夢は見なかった。

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