ベトナムGH11連泊の旅(3)ホーチミン ベトナムに定価はない

ベトナムに定価はない

宿の1階でPCをいじっていると、Nさんがやって来た。Nさんはホーチミン在住10年を超え、奥さんはベトナム人。ベトナム関係の情報発信を行っている人である。ベトナムにはこのような日本人があまり居ないので、貴重な存在。投資ブームなどが来ると、俄かコンサルタントが出現し、様々な情報を流しているが、本筋のベトナム理解が出来ているとは言い難い。

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先ほどUCCでサンドイッチを食べたが、小腹がすいてきた。Nさんと一緒にバインミーを買いに行く。バインミーはバケットに切れ込みを入れて、そこに肉や野菜を挟み込む、ベトナムのサンドイッチだ。ベトナムはフランスの影響でパンが美味い。そして魚醤を振りかけるとベトナムになる。これほど手軽で美味い物は珍しい。私も過去ベトナムでは基本的にこれを食べて旅をしてきた。

 

路地を歩いていると、Nさんが屋台のおばさんに挨拶している。時々ここで昼飯を食べるのだが、いつも挨拶しておくとサービスが違うらしい。コーヒーを買いに行った店でも『外国人には高い料金を請求するのが当たり前』『ベトナムには定価は存在しない』『ベトナム人でも地元民とよそ者では料金が違う』などを教わる。

 

我々はいつも外国人料金の上に、観光地料金を支払っていたことに気が付いた。それでも安いと思っていたから、気にも留めなかったが、これは積み重なるとかなりデカい。因みにコーヒーはNさんがNさんの住まいの近所で買うと5000ドン、この辺の観光地で買うと10000ドン、外国人が買うと15000ドンと、同じようなコーヒーでも3倍になっていた。

 

バインミーの美味しいという専門店へ行ったが、何と午後4時からだという。Nさんによればベトナム人の思考は時々理解できないという。この店はまだいいが、例えば朝やっているバイミー屋は午前11時に閉まる。ランチにこれを食べたい人が沢山いるのに、わざわざお客を逃している。この店だって、お客が少なくても空けておけば、それなりに収入が増えるはずだが。勿論仕込みの問題などがあるのだろうが、これはやはり社会主義の名残であろうか?

 

そしてバインミー専門店でない店でバインミーを買うと、作り置きをレンジでチンしてくれた。残念ながらそれほど美味しいとは言えないし、値段も安くない。甘いアイスコーヒーをすすりながら、堅いバイミーを食べた。値段もものすごく高いような気分になってしまい、ちょっと萎える。『それがベトナムですよ』という在住10年のNさんの言葉は重い。

 

バインセオを食べながら

そうこうしている内に夕方になってしまった。今日は特に何もしていないようで、バトナムやホーチミンの事情が少しずつ分かってきたのが面白い。持参した中国茶を振る舞い、宿泊人との対話を続けた。何もすることがなくても話し相手がいる、というのは何とも心強いし、また勉強にもなる。

 

N社長は何となくソワソワしている。社員旅行の第一波としてFさんが一人で到着する時間になっていたが、なかなか来ない。可愛らしいFさんが一人でちゃんと来られるのか、娘を思う親のような心境になっており、表に出ては引っ込み、また出たりしている。この辺がN社長オフィスのアットホームな感じがよく出ている。

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結局予想より1時間ぐらい遅れてやってきたFさん。基本的には渋滞による遅れだったが、空港タクシーでも『ビナサンタクシーを探そうとしたら、向こうからビナサンの名刺を持った運転手が来たのでそれに乗った。ところが料金交渉を始めたので、これは違うと直感して、車を下りて、乗り替えた』という。確かに昨日の空港の状況を見えれば、皆がビナサンを目指していくので、他の運転手も対策を考えない訳にはいかない。それにしても無事でよかった。

 

夕飯は新たに加わったFさんと、そして宿泊客の女性達も交えて、近くのバインセオのお店へ行く。バインセオはベトナム風お好み焼きとかクレープとか言われる粉物で、米粉とココナッツミルクで生地を焼き、そこに肉や魚、野菜を挟んでまた焼く。ぱりぱりした食感で美味しい。更にレタスを頼み、それで巻いて食べると更にいい。

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作っているところを見ると、大きな鍋で豪快に焼いている。インドのチャパティを思い出す。ベトナムビール、333を飲んでいると、ベトナムに来たな、という感じが出てきた。ここでも皆さんで旅の情報交換が行われ、女性陣は雑貨屋さんや市場の服屋さんの話題で盛り上がる。これは決していいホテルに泊まっていても得られる情報ではないし、一緒に食事をしてくれる人を探すことも難しいから、GHの利点として強く上げられるポイントである。

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宿に帰っても皆で1階のスペースで引き続き、おしゃべり。皆思い思いの飲み物を飲んで過ごす。宿泊者の中には、N社長たちの業務上の関係者が2人もいたり、知り合いの知り合いを発見したりと、日本人宿特有の現象が随時起こっていて、驚くと同時に楽しい。世間は狭いのである。ホーチミンの夜はそれほど暑くなくて快適だ。雨季も終わり、今がベストシーズンなのかもしれない。

1 thought on “ベトナムGH11連泊の旅(3)ホーチミン ベトナムに定価はない

  1. 大変ご無沙汰しております。元北京マリアージュの佐藤です。現在、私は人材派遣会社で東南アジアの人材開発を担当しております。一度、お会いさせて頂き、情報交換させて頂けませんか?

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