福島の旅2025(5)西那須野でお屋敷を回る

何が食べたいか聞かれたので「地元の人が普通に食べている物」とリクエストしていたところ、何と彼の行きつけのスナックのママが、サンマ塩焼きなどのご飯を作ってくれていた。これはこれでかなりの驚きであり、しかも二人とも酒も飲まずにずっと昔話をして話し込んでいる。その内お客さんが来てカラオケを歌い出すと、Mは政治の話などを始めて、我々は益々世俗と離れていく。結局5時間近くも話して車で送ってもらい、宿に戻ったのは10時頃だった。

9月6日(土)西那須野でお屋敷を回る

朝はさわやかに目覚める。やはり古い知り合いと話していると、話題はどうあれ、なんだか楽しい。朝飯は宿に付いていたので食べてみる。この宿1泊4000円ぐらいなので期待していなかったが、ちゃんとしたご飯が出てきてビックリ。カレーまで食べてしまい、満腹となる。

爽やかな朝、迎えが来るまで時間があったので、駅の向こう側にある大山公園付近を散策する。4年前に来た時は、大山巌、捨松について調べていて行ってみたが、今回はただの散歩。この付近には乃木希典も滞在しており、那須の御用邸もあって、実はここは明治の有名人の別荘などが多くある。

Mにお願いして、その明治の有名人たちの足跡を追うことにした。彼はずっとここに住んでいるが、それほど詳しくはないという。まずは那須野が原博物館へ向かう。ここには那須疎水の跡が見られ、先日の安積疎水との関連に思いを馳せる。因みに日本三大疎水はこの2つと琵琶湖らしい。館内には那須の歴史が展示されており、小学生の時に習う矢板武などの懐かしい名が出てくる(因みに私が栃木に転校したのは小学校高学年なので栃木の歴史は学んだことがない)。

次に千本松牧場へ行く。天気の良い週末、家族連れなどで賑わっていたが、私の目当ては松方別邸。松方正義の別荘が残っているとのことだったが、何と松方邸はこの牧場からは見えず?現在は見学不可になっているとのことで、残念ながら通り過ぎてしまう。日露戦争時に皇太子(後の大正天皇)が滞在中に、遼陽会戦に勝利して万歳したことから、萬歳閣とも呼ばれているという。

そして明治の森記念館へ。ここは明治の外交官、青木周蔵の別荘が残っていた。きちんとした見学ができ、かなり詳細な展示物があり、勉強になる。青木はドイツ一辺倒の外交官、と書かれているのが面白い。娘もドイツ人と結婚、子孫には外交官になって活躍した人もいるが、あまり世に知られる存在ではないだろう。

昼前に板室へ行く。ここは湯治場として知られる場所で、温泉宿が何軒か見られたが、今やかなり寂しい。勿論夏の暑い中、わざわざ湯治に来る人などいないだろうから、今はオフシーズンだとは思うのだが、それにしても人が歩いていない。それでも人気のそば屋があり、そこだけ車が停まっていた。我々もそこへ駆け込み、炊き込みご飯とそばを頂く。旨い。

午後は矢板の方へ向かい、田んぼと山に囲まれた田舎にある、山形有朋記念館へ行く。こんなところに人が来るのかという場所だが、雰囲気のいい洋館が見える。内部もかなり古いが、いい展示も沢山ある。この建物は小田原の別荘をここに移築したらしい。ただ内部の写真撮影禁止なのは残念だ。更に入場料が700円は高いと思っていると、管理人さんがコーヒーをご馳走してくれ、「市の補助などが無いので」と説明してくれる。まあ色々あって運営は大変だろう。

そこから40分ほどでJR宇都宮駅まで送ってもらった。今回Mには大変お世話になってしまった。何とも有難い。ここから湘南新宿ラインで2時間ちょっと行くと新宿まで行ける。新幹線に乗るには大宮か東京駅まで行かなければならないので、コスパを考えてもこの路線が一番合理的だ。またいつかこんなフラフラ旅をしよう。

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