神の島久高を再訪して(7)伊良部 誰もいないビーチと楽しい夕飯

島めぐり

午後、雨上がる。特にやることもない私の為に、キムニーが車を出してくれ、島案内に連れて行ってくれる。こんなこと、あり得ないよね、普通のホテルでは。お客さん同士が仲良くなり、情報を交換し、そして一緒に出掛ける。何だかとても自然で、とても良い。

 

佐和田の浜、遠浅の海、きらきらしている。岩が転がっている。伊良部島は下地島と繋がっている。車は下地へ渡る。ここには基地があり、飛行機の離発着訓練が行われる場所として有名であるが、現在はほとんど行われていないらしい。昔はデートスポットだったとか。キムニーは『前回はここが泳ぐスポットだった』というが、泳ぐに水があり過ぎ、飛び込むしかない。何かが変わったのだろうか?

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泳ぐのを諦めて、通り池へ。ここは下地島の観光スポットであり、ちょっと神秘的。何故ここに池があるのか、不思議だった。更にこの池を越えると、まだ先がある。ただ以前は整備されていたであろう道が、塞がれていた。我々はちょっと冒険して、そこを越えた。ごつごつした岩を歩いて行く。ビーチサンダルなので、歩き難いし、サンダルが壊れそうになる。頑張って歩いて行くと、ついにもう一つの池に着いた。というより、ここは海と繋がっており、神が祭られている。ここは神聖な場所であることが一目でわかったので、頭を下げてすぐに立ち去った。

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中の島という場所にも行った。ここはサンゴが点在し、魚も泳ぐシュノーケリングスポットとして有名だとか。これまでどこへ行っても殆ど人はいなかったが、ここでは2人の女性が潜っていた。海はきれいだが、ちょっと寒いので長時間はきついらしい。一度ぐらいやってみるべきなのだろうが、どうも潜る気にはならない。沖縄の人もそうだろうか?

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渡口の浜、1㎞近く白い砂のビーチが続いている。が、本当に誰もいない。女性が一人、犬の散歩に来ているだけで、見渡す限り、全て私のもの、という感じだ。こんな贅沢な浜、日本にあるのだろうか?『伊良部島に来る人は基本的に海です』とキムニーも言い、『どうしてあんたは来たのか?』という顔をされてしまう。確かにここに来て、海に入らない、ダイビングにもシュノーケリングにも興味がない、というではおかしな人になるだろう。人がいない、というのは本当のご馳走なんだが!

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キムニーと話していて驚いた。彼の父親は私と同じ業界の人だった。しかも早期退職した点も同じだった。彼の方はそれを聞いて一気に親近感が増したようだ。そして『かわった人が多い業界だ』と再認識したのではないだろうか。彼はやはり泳ぎたい、と言って、飛行場脇のスポットに戻り、海に飛び込んだ。私はジッと傾く太陽と海を見ていた。

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夕陽と楽しい夕食

宿に戻ると人がいない。皆屋上にいた。ビールを片手に夕日を眺める、この屋上は絶好のスポットだったのだ。ここの奥さん、あやさんが『この屋上に惹かれてここを借りたんです』と言っていたが、その意味は十分に分かる。いい風が吹いてくる、陽がグーッと傾く。ビールをガーッと飲む。いいなあー、これ。この島を本気で気に入ってきている自分を自覚した。

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『夕飯食べる人?』とあやさんがコールする。今晩はカツオのたたきだよー、と。何とこのGHでは、オーナー雷太さんが食事を作り、食べたい人が集まって皆で一緒に食べる、という手法が採られている。今日も8人ほどがテーブルに着く。何だろう、疑似家族か?何だかとても、とても楽しい雰囲気で、話も弾む。そして食事も美味い!泡盛を飲む人はカメから勝手にとって飲みだす。冷蔵庫からビールを出す。全て申告制の事後精算。

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食事が終わると何とじゃんけんが始まり、負けた人が皿を洗う。もう完全に昭和のホームドラマだ。じゃんけんに負けて皿を洗う羽目に。まあそれも楽しい。実に不思議な空間がそこに存在している。それはここのオーナー夫妻のキャラもあるだろう。そういう所にはそういう人が集まってくることもあるだろう。そして何より伊良部島、という独特に雰囲気が大きいだろう。

 

もりおさんが『たこ焼き食べたい』と言い出した。なんだそれ、こんなところにたこ焼きなんかあるのか、と思っていると、ちょっと出て行って買ってきた。このたこ焼き、美味い!聞けば島の人で関西に出ていた人が戻ってきて作っているという。どうなっているんだ、この島は。

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このもりおさん、実は宮古島で教習所に通っていた。那覇にも泊まったようだが、そこで知り合った人に『伊良部に行く』と言ったら、『俺の息子も伊良部にいるから行くよ』と言われたらしい。本当に来ると思っていなかったようだが、何と本当に電話が来た。しかもかめそばにいるという。そのオジサンの息子というのが昼間会った腰の低いかめそばのオーナーだったという。もうこれは偶然などではない。

 

私は酒が飲めないので遠慮したが、もりおさん以下何人かが夜10時に出て行った。翌朝聞くと『伊良部島のお通りは半端なかった』そうだ。翌朝は皆倒れたままだったから、その惨劇が分かる。お通りとは、沖縄の酒飲み方だが、特に伊良部には酒豪が多く、時間が経つほど酒が濃くなったという。これは本当に飲めないらしい。

1 thought on “神の島久高を再訪して(7)伊良部 誰もいないビーチと楽しい夕飯

  1. 宮古のオトーリはホントにすごい! ウチナンチュ(沖縄人)でもビビリます。
    お役所が禁止令を出す程ですからね。

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