山形・新潟旅2024(3)酒田から鶴岡へ

雨は止んでいたので街散歩に出た。図書館を探していると、お寺があった。何気なく入るとそこに『徳尼公廟』と書かれており、中に『三十六人衆之碑』があった。何と奥州平泉を頼朝が征服した際、藤原秀衡の妹?がお供と共にここに流れ着いたとある。泉流寺とはそういうことか。

その横に酒田市文化資料館の建物があった。色々な展示物もあるようだったが、折角なので本間家と茶というテーマで資料はないか、聞いてみたが、残念ながら見いだせなかった。本当に本間家を研究している人はいないのだろうか。本間家の資料などを保存している光丘文庫もここにあると書かれているのだが。北前船と茶、というのでも、何も出て来ない。

ランチの時間になった。適当にホルモンと書かれた店に飛び込んだら、まさかの満員御礼。店主がワンオペで手が回らず、多くがセルフサービスの店。でもさすが日本人、皆きれいに片付けて帰っていく。私はご飯を自分でよそおうとしたが、何と蓋が開けられず、後ろのおばさんに笑われる。もつ煮込み、かなり濃厚。皆鉄板焼きを食べているよ。

駅前まで戻ると電車の時間までちょうど1時間。駅前にあるミライニという施設の中に図書館があるので、そこで時間をつぶそうかと思ったら、まさかの休館日。ちょうど観光案内所があったので、近所の穴場を聞いたところ案内されたのが、清亀園という邸宅。ここまで駅から徒歩10分。

何とも優雅な庭園だったが、誰もいない、まさに穴場。古い建物も残っている週末だけ一般公開があるのか、ひっそりしている。この周辺は古い地区らしく、お寺などもちょっと面白い。ちょうど1時間でよい散策が出来て良かった。Google検索では出て来ないよな、こういう場所。

駅には羽越本線100周年と書かれていた。開運で栄えた街に鉄道が通るには随分と時間が掛かったらしい。2両列車に乗り込むと、田んぼが広がっている。車内も何だか広々としていて、乗客は少ない。僅か30分で鶴岡に到着する。駅前は閑散としていて、寂しい。取り敢えず駅前ホテルに投宿する。

それから隣のビルにあった観光案内所で地図を貰い、説明を受ける。羽黒山も有名だが、今回は行かないこととして、今日は近場だけ回ることにした。やはりいつ雨に見舞われるか分からないので仕方がない。ちょっと歩きだすと、昔の商店街が見えるが、残念ながら開いている店は多くない。『おくりびと』という映画はここが舞台だったか。

日枝神社まで来ると芭蕉の句碑があった。奥の細道は、先日大垣を訪ねたばかりだったのでちょっと新鮮。そのまま釣られるように、芭蕉が船に乗った内川の乗り場や逗留した長山重行宅跡へも行ってみる。今や何もない場所に記念碑が建っているだけだが、もう一度奥の細道を読み返そうと思う。藤沢周平ゆかりの地という看板もある。

夕方腹が減ったので、もう一度外出する。検索しておいた近くの定食屋へ行こうとすると、何と道を渡る中で、車と接触してしまう。幸いほぼスピードが出ていなかったので、驚いただけだったが、もっと驚いたのは運転していた若い女性だったかもしれない。お爺ちゃん、危ないよ。

何とその定食屋は水曜日定休だった。Googleにはそんなこと書いてなかった、と言ってみ仕方がない。こわごわもう一度検索すると、ここから徒歩10分のところに評判の良さそうな店が見付かり、歩き出す(よく考えてみれば宿から反対側なので帰りが大変だ)。着いた店の名は『定食家』だった。

もつ煮込みが名物らしいが、昼も食べたばかりなので断念して定番かつ丼へ。味噌汁はお替り自由らしい。しかし出てきたかつ丼を見て驚いた。これは通常の1.5倍以上はありそうだ。もう味噌汁のお替りなど考えずに、ひたすら掻き込んだ。味は悪くなかった。そういえば田舎で800円といえば、確かにボリューム満点と考えるべきだった。帰りは歩いて20分だったが、腹が重くて歩行が緩やかで困る。まあこれなら車に轢かれることはない。

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