インドで自然療法2018(16)女子高を再訪

展示会の開場に入ると昨年同様、可愛らしく浴衣を着た女の子たちと、日本文化に関する様々な調査研究の発表が我々を待っていた。折り紙から始まり、自然災害や原爆の歴史まで、自分たちで調べた成果を並べていた。突然歌を歌い出した子がいた。意味は全く分からないというが、相当早口の日本のアニメソングらしい。かなり耳がよい子なのだろう、音だけでほぼ完璧に歌ってくれた。

 

茶道のコーナーでは、何と茶道でなく、なるみのカップで玄米茶を淹れてくれた。何が日本茶かは分からないだろう。それでも見様見真似の手作りで柄杓や茶筅を作っていたのはユニークだ。材料は他の展示にもよくあったが、アイスの棒だというのが、いかにも子供らしくてかわいい。結局審査の結果、この茶道組が今回の一位となった。

 

最後に記念写真を皆で撮り、解散しようとすると、浴衣を着た子が、私を引っ張った。季節外れの七夕の短冊に願いを書いて欲しいという。彼女は何を書いたのかと聞くと『日本へ行きたい』と日本語で書かれていた。プネーの日本語熱は相当に高まっており、先生によれば、5月に生徒を連れて、岡山、和歌山、京都の旅が計画されているという。この子はその中に含まれているのだろうか。

 

校長室でチャイを振る舞われた。その前にスナックとしてフレンチトーストのようなものが出た。実に久しぶりにこんがり焼かれたトーストを食べて感激した。さっきが生徒からチョコレートやキャンディをもらい、食べてよいか迷ったが、ここでは全く迷いはない。むしろお替りしたぐらいだ。

 

クリニックに戻る時間となり失礼した。何とも楽しい時間だった。お土産までもらってしまう。クリニックではスタッフが待っており、いきなり目に粘土のようなものを押し付けて、そこにギーを垂らす。目は空けたままにせよ、と指示される。特に痛いということはないが、ちょっと目が霞む。更には鼻からオイルを入れる。これにはちょっとまいる。その上耳からも入れた。そして耳に綿を突っ込んで部屋を暗くして出て行った。かなりの時間が経った頃、Wさんが入ってきて、スタッフはもう帰りましたよ、という。何と放置されたままだった。さすが。

 

それから最後のフルーツとしてスカイを食べ、Wさんと話しているうちに辺りは暗くなり、夕飯も食べる。今回のここの食事には大いに満足した。その前が自然療法だったせいだろうか。今晩が最後となるのでWさんとずっと話していた。彼とは10日以上も一緒にいたことになる。初対面の人と10日、なんだか不思議な縁だ。

 

9時過ぎにドクターが帰って来た。そして我々に『このクリニックで改善すべき点を教えて』という。確かにハード面はかなり改善されたが、問題は色々とある。一番は『説明だ』と伝える。具体的には説明書を用意する、それも宿泊用とアユルベーダ用の2つ。我々が説明を聞かなくても理解できるようなペーパーがあれば、ずいぶん楽になるだろうと主張し、彼女も、それは必要だ、と理解を示した。

 

また昨年と一番違うところは、実はドクターに余裕がなくなっているところではないかと感じていたので、率直にその辺を述べた。何でも彼女一人で管理するには限界がある。我々の世話も完全にできているとは言い難く、常に携帯で呼び出され、前の会話を忘れてしまうことも多い。どう考えても、マネージメントと施術は分けなければならない。そうでないと、いかに優秀なドクターでも、患者の信頼は得られないし、何よりクリニックが回らなくなってしまう。経営の点からいえば、これは致命的ではないだろうか。果たして来年以降、何らかの改善がなされるだろうか。非常に興味深い。

 

生活は既に日常に近くなっており、睡眠時間も8時間以内となっている。PCに向かう時間も増えていき、文章を書きなぐるので遅くなる。食事がうまいとこうも元気になるのか、やることが自由にできるとやらなくてもよいことまでやってしまうのか、など、色々と考えさせられるインド滞在も、もう終わりだ。蚊は飛んでこなかった。

 

3月1日(木)
アユルベーダ5日目&最後の日

ついに最後の朝を迎える。今朝は目覚ましの音で起きる。だがその直後、スマホの電源はきれてしまう。今後は目覚まし機能も危機だと自覚する。東京に行ったら、すぐに修理しなければならない状態、最悪は買い替えだ。面倒だが、今やスマホなしでは旅行は出来ないので、おろそかには出来ない。

 

最後のご飯を食べ、荷物のパッキングを終える。そこへ突然自然療法でも見かけたKさんという日本人が飛び込んできたから驚いた。なぜここに来たのかはわからなかったが、ドクターとは前からの知り合いらしい。すぐにロナワラへ向けて出て行ってしまう。何だったんだろう。

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