『インドで呼吸し、考える2011』(2)キングフィッシュ―でデリーへ

3.キングフィッシャーで行く
今回の旅のルートを決めるのに意外と手間取った。これまでであればバンコック経由にして、バンコックに滞在し、知り合いに会うなどしていたから。しかし今回は料金を重視した。何しろ燃油チャージが相当上がり、しかも夏なので、以前聞いていたような値段ではとても取れない。

我がオフィスは旅行のプロが多数おり、どうやって安く上げるか聞いた所、「電話を掛け捲る」との答えだったので、取り敢えずHISあたりに掛けてみた。すると香港経由が安いと判明。ちょうど香港に行く用事があり、願ったり叶ったり。しかも香港まではJAL+ジェットエアーというから何となく安い。しかし念の為、インド関係の旅行社に問い合わせたところ、何とキャセイ+キングフィッシャーが更に安いと言う。

キングフィッシャーと自席で叫んだ瞬間、前の席に座る旅行お絵かき作家女史が「それだ、それに乗れ」とのたまう。聞けば前回インド行で乗ったそうで、そのCAの颯爽とした姿、機内食の美味さ、など申し分がなかったらしい。しかも何故か格安航空のジェットより安いとなれば、これで決まりだ。

因みにキングフィッシャーはビール会社が航空業界に参入したものだが、ビールでもアジアでは相当美味しいらしい。

7月10日(日)

香港で毎日たらふく食い、人と会い、そして節電日本にはない強烈な冷房のシャワーを浴び、満喫した雰囲気で空港へ。第2ターミナルは初めての経験。行ってみるとかなり空いており、キングフィッシャーのカウンターにはかなり列があったものの、デリーとムンバイ行は専用カウンターで直ぐにチェックイン完了。しかし何故かこのターミナルのイミグレが閉鎖されており、第1へ行き、そこから搭乗する。

キングフィッシャーは新参者のせいか、ゲートは空港の一番端に固まっている。機体はなかなか格好の良い鳥が描かれており、合格。CAはうーん、赤い服で颯爽としている感じはあるが。

機内に入ると後ろの方の座席のシートがおかしい。私の所から急に4席が3席になり、座席と前のシートがずれている。片足は椅子に下からはみ出すわけで、時々CAに踏まれる。隣に座った若者はインド人だがオーストラリアのボーイングで働いていた。彼曰く「やっぱりおかしい」。

乗客は満員で半数以上はインド人。中には飛行機に乗るのが初めてかと思うほど、はしゃいでおり、昔の中国を思い出した。騒がしい機内だったので、早々にインド音楽など聞く。気分は盛り上がる。

食事の時間となる。ところがこれが非常に効率の悪いもので、私の所に食事が来た時はもう片側は全員食事が終了していた。これは慣れていない証拠。食事の味はまあいいか。しかしコーヒーを頼んでももらえず、インド人達は盛んにボタンを押して要求を告げる。気の弱い私は仕方なく、後方へ行き、CAに頼むことに。

CAも如何にもビール会社のコンパニオン的な人もいるが、私のあたりの担当は韓国人かな、とにかくバタバタしていた。男性はCAきちんと服を着こなし、まあまあか。6時間近いフライトでこれだけバタバタするのは珍しい。どうやらこの航空会社、私には合わない。そして、帰り便のデリーで問題が発生する。

4.デリーの一夜
デリー空港
デリー空港に到着したのは定刻より30分以上早かった。さあいよいよインドだ、という気負いもなく、前回のムンバイ空港同様に淡々と進む。デリー空港はかなり大きな空港で、キングフィッシャーは相当端に停留するため、かなり長い時間を歩いてようやくイミグレへたどり着く。他の空港なら電車を走らせていることだろう。

イミグレは空いていて、直ぐに係官へ書類を渡す。ところが彼はパスポートと睨めっこで一向に進まない。昔中国や東南アジアでよくあった光景だが、最近は見慣れない。ようやく口を開いた言葉が「このビザで初めてインドに来たんだな」。何でそんなこと聞くの?と思わず言いそうになったが、さらに時間が掛かるのを恐れて、神妙に頷く。それでもまた書類に目を通し始め、進まず。次の質問は「どこに泊まるんだ」。既に書類に書き込まれているのだが、「読めない」と言う。結局暇潰しだったようで、次のお客がやってきたら直ぐに解放された。

イミグレの次に普通はバッゲージクレームがあるはずだが、この空港は何と免税店がいくつもある。その向こうで荷物を受け取り、出口となっている。北京などでも、ひっそりと免税店が置かれていたりはするが、この空港はちょっと異常。ここで買い物をするのはインド人であろうか。であればインドの商業化の象徴か。

イミグレを出るとホテルやレンタカーの運転手がきちんと待っており、混乱はない。予約したドライバーも直ぐに見つかる。出口付近の両替所で両替。日本円4万円を出すと「5万円なら免税だぞ」と言われて、あわてて1万円追加した。何でも免税?前回はA師の手配で両替をせずに100p札を大量にもらって便利だったが、今回は500p札を大量にもらう。今後使えるか心配である。空港内にはCitibankのATMがあり、カードがあれば、現金なしでもルピーを調達できそうだ。次回はチャレンジしよう。

車は4階建ての駐車場ビルにあり、大勢の人々がエレベータに乗る。この光景はムンバイと同じだ。少し前のインド、デリー空港を知る人からすると相当の進歩を遂げているらしい。我々は自分の持つインドのイメージを変える必要があるのではないか。

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