インドでアユルベーダを2017(9)ついにビレッチャナ

222日(水)
クリニック6日目

昨晩はドラマの見過ぎで深夜まで夜更かし。頭が回転していて、よく眠れなかった。何のためにクリニックに滞在しているのか、これじゃあよくわからない。7時半には起きてみるが、どうも体調が。そこへ先生がやってきて脈診。ちょっと脈が速い・・らしい。全てお見通しだ。

 

朝ご飯もいらない。ハーブティを飲んでみるも、美味しくない。どうしたものだろうか。10時にヨゲーシュがやってきて、いつものオイルマッサージ+スチームバス。今日もこのルーティンかと思っていたら、その後先生が入ってきて、『今日ビレッチャナしましょう』というではないか。あれ、もう1日先ではなかったの、と言っても始まらない。

 

ビレッチャナとはパンチャカルマの療法の1つで、下剤療法とでも呼ぶべきか。ある薬草を飲み、人工的に下痢を誘発するもので、これまで体内に溜めてきた腐敗物をここで一気に、下から体外に吐き出す、ということだ。アユルベーダは気持ちがよい、などと言っている女性にこの話をすると皆ドン引きしてしまい、インドでアユルベーダ治療などと言い出す人がいなくなるから、如何に宣伝広告がいい所取り、しているかが分かるというもの。

 

覚悟を決めて薬を飲む。飲みにくいという程でもなく、すぐに済む。そして部屋で大人しくしていると、1時間も経たないうちにトイレに駆け込むことになる。まあ、3年前にも経験しているので慌てることもなく、実際今回はそれほど辛いとは思われなかった。2時間ぐらいの間に8回位の便意が来て、かなり楽になった。インドのトイレには紙がなく、水で洗う仕組みだが、これだと痔になりにくいから助かる。

 

前回は暗い部屋で一人、便座に座ってばかりだったが、今回は全体的に明るい部屋で、気分もそれほど悪くはない。白湯も少し口に入れる余裕がある。何よりお腹が痛い、という感じがないのがよい。徐々に快適になり、トイレにも行かなくなると、昨晩の続きが見たくなり、またPCを開いてしまった。その後も断続的に便意は来たが、少量を出すだけで、特に異変はない。

 

先生は2時間置き位に様子を見に来てくれたが、午後4時には『とってもスムーズ、もう大丈夫ね』という感じで、チャイを出してくれた。さすがに下痢中にいきなりチャイはどうかと思ったが、有り難く頂く。この甘みが何とも言えない。食事がとれない中、このような飲み物は本当に有り難い。

 

5時半頃には重湯が出てきて、余り味もないが完食。益々調子が出てきた。7時半頃には最後の1回が出て、これで終わりだな、と自覚できた。やはり経験というのは重要なものだ。気が抜けたようにまたドラマを見ていると、先生が入ってきて『いい加減にやめなさい』と優しく怒られた。確かに体力をかなり奪われているし、もう寝た方がよいと思い、就寝。ビレッチャナという一大行事は意外とあっけなく終わってしまった。

 

 

223日(木)
クリニック7日目

 

6時には目が覚める。やはり疲れてはいたのだ。だらだらとベッドで過ごすうちに、水分が欲しくなる。まずは白湯を飲んでみる。少し空腹を感じてくる。昨日あれだけ体から出したのだから、当然食欲が出そうなものだが、ある意味下痢の翌日、凄く食べたいわけではない。ただ失った水分を取り戻したい欲求が体の方にある。

 

8時に朝ご飯として重湯(おじや?)が出る。これ、塩気が効いていて旨い。やはり体は塩を欲しているのだ。立ち上がってみると、体は異常に軽い。先生の脈診も完璧にパス。そうなるとチャイが欲しくなるのだが、それは出て来ない。仕方なく、白湯を何回も飲む。味気ない。

 

10時半頃、『シロダーラでもやる?』という感じで声がかかる。シロダーラ、あの日本で普通に思い描くアユルベーダの典型的マッサージ。頭にオイルを垂らすヤツ。だが今回私は一度もシロダーラを受けていない。あれは頭をリラックスさせるだけで、あなたには必要ない、とのことだったが、PCを見過ぎたせいか、体験できることになった。

 

施術はまたまたビンセント。確か先生を実験台にして練習していたので、私が実験台2号となるわけだ。オイルが頭に垂れてくるのは決して気持ちの良いものではない。また髪の毛がオイルまみれになるのも、正直勘弁してほしい。決してビンセントの技術の問題ではない。それがシロダーラの印象だった。髪の毛は夕方まで洗ってはいけないと言われ、トホホ。シロダーラを持ってアユルベーダと言っているとしたら、それはちょっとどうだろうか。

 

久しぶりにランチで2階へ上がると、先生の姪だという若い子が来ていた。彼女はインドのダンスをしているとかで、イギリスやフランス、日本にも行っているらしい。英語も得意でよく話す。フランス語も学んだらしく、ビンセントにはフランス語を使う。如何にも現代のインド人、という感じで、先生のような古典的バラモンとはかなり違う。ランチはお粥だったが、何ともうまい。また完食。昨日激しい下痢をしたとはとても思えない調子の良さ。

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