インドでアユルベーダを2017(8)穏やかな選挙

単純にクリニックに送ってくれるものだと思っていたが、彼には別に行くところがあったようだ。まずは彼の用事を済ませてから、順番に送ってくれるらしい。どこへ行くのかと思ったら、そこは比較的新しい学校だった。ちょうど12時で、午前中が終わり、大量の生徒が門から外へあふれ出してきた。それを迎える側も大勢なので道路が混みあう。インドの学校は生徒数が多いので、午前午後の2部制が多い。しかも車を学校内の駐車場へ入れようとしたから、さあ大変。

 

結局数十メートルバックを余儀なくされ、門の外に辛うじて駐車。車の中でラトールさんを待っていたが、暑さがこみ上げてくる。スマホで気温を見ると34度。やはりクリニックの部屋は本当に涼しい作りになっているとよく分かる。あまりに暑いので、外へ出て待つ。だがラトールさんの相手は忙しいらしく、我々を待たせるわけにもいかずに、また車に乗る。

 

何とかクリニックまで帰ってくると結構疲れてしまった。お昼はスープのみ。でもこのスープが美味しく感じられる。外出したことで、体調はかなり戻ったらしい。家の裏に回り、洗濯物を探すと、ちゃんと干されていた。いつ洗ったんだろうか。2日も干していたのだろうか。

 

午後3時に先日来行われているマッサージ+スチームバスがある。もうずいぶんと慣れてきたので、気分が悪くなることもない。やはり今日はギーを半分しか飲んでいないせいだろうか。4時半頃、先生が来て、脈診があった。特に異常はないようで、ライスクラッカーを食べたら、と言われる。これは本当に塩気が効いていて、美味い。緑茶も飲んでみるが、こちらはイマイチ。

 

夕方過ぎると腹が減ってきた。いい傾向だ。まずはシャワーを浴びて、それから食事だ。今晩はビンセントがいるせいか、パスタが出た。これは嬉しい。すぐ食べ終わる。もうこれで十分だ。人間は普段どう見ても食べ過ぎなんだ、と今頃ではあるが気が付く。そしてこの食べ過ぎという現象は、人間を労働力としてこき使う場合、エネルギーを補給させる目的でそうさせているのではないか、とふと思ってしまった。9時には睡眠。

 

221日(火)
クリニック5日目

 

眠りは恐ろしく深かった。10時間以上、ついにトイレに起きることもなく眠り続けた。こんなことはここ数年ないことだった。要因としては外出して疲れた。ギーを半分しか飲まず、体調は良かった。勿論お茶など飲まず、食事も軽めでゆったりしていた、ことなどが考えられる。決め手はないが、実に喜ばしい。

 

アーサナをしてから朝食。ターメリック粥、そしてかなり酸味の強いアセロラジュース。そのまま先生と話し込む。人間が必要な水分はオフィスワーカーで12ℓ、肉体労働者なら3-4ℓ、勿論気温など気候にも寄る。水分を何でとるかは消化に多大な影響がある。一番良いのは水(白湯)、ホットミルクも悪くない。ハーブティでもよいが、緑茶、紅茶は・・?特にプレーンティは体にきついという。

 

昨日見た製薬所については、『何と言っても良質の原料確保が難しい。原料がなければ作れないのは茶と同じ』。これは漢方薬など、世界的な傾向だ。漢方になくてアユルベーダにあるのはミルクぐらいだろうか。本質的には似通っていると思われるが、その気候風土で若干扱いが異なるかもしれない。

 

10時半ヨゲーシュに呼ばれる。湯たんぽを腹の上に15分ぐらい置く。温めているらしい。それを外すといきなりエネマ(浣腸)だ。尻から注射器を突っ込んで、オイルを入れているらしいが、入れてすぐに、トイレに行きたくなり我慢できなかった。とうとう外してもらい、トイレに駆け込むことに。これではオイルが体内に入らないので効果はないようだが、如何ともしがたい。

 

今日は選挙の日で休日。皆が投票に行くようにとの配慮らしい。一応選挙所などを見に行きたいと思い、ヨゲーシュに伝えると、先生に電話を入れ、彼がバイクで送ってくれた。と言っても歩いて5分位の近い場所。外から眺めると、大きな選挙の看板が出ており、そして幕が張られ、その下で有権者のチェックがPCで行われていた。中がどうなっているのかは分からないが、実に粛々と投票が行われているらしい。

 

3年前にムナールで出くわした選挙とは大違いだった。その時は選挙当日、政策に反対する人々の大規模なデモがあると言われ、全ての商店がシャッターを閉め、我々の外出も止められるほどだった。実際に歩いて見ると特に問題はなかったが、インドの選挙とは時に暴力的なものだという概念が植え付けられてしまった。しかし文化都市プネーはかなり違うようだった。

 

久しぶりなので周囲を少し散歩した。30度以上気温はあるのだが、大きな木々もあり、凄く暑いとは感じなかった。この辺は旧市街からは離れているが、かなり歴史のある場所なのだろうか。すぐ近くに川も流れているが、農村だったのだろうか。まあとにかく穏やかな選挙でよかった。

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