バンコック ヨーガの旅2016(3)異空間に身を置き考える

ワンサニット1日目

川を渡るとそこは異空間。それは10年前に初めてここに来た時と何ら変わらない。ここで初めてA師に会った。同窓ということで紹介されて、訪ねて来たのだが、その発する言葉が魅力的で、余りにも印象が強く、常人離れした人に思えた。しかもこの空間で遭遇すれば、更にその感覚が高まる。私にとって、刺激が求められる人だ。

 

まずは荷物を部屋に入れる。私は男子一人であり、個室に入る。5年前は隣にK和尚がいた。彼は当時タイのお寺に入っており、上座部の僧侶として、袈裟2枚の姿でそこにいた。彼と1週間いただけで、タイの僧がどのような生活をしているのか、どのような扱いを受けているのかなどを知ることができ、大変ためになった。部屋は5年前と特に変わってはいなかった。今回隣はいないようだった。

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すぐに昼ごはんとなる。ワンサニットのご飯はベジタリアン。肉や魚は出ないが、味は非常に美味しい。自分の好きな量だけ取るビュッフェ形式だが、女性ばかりなので、私は余らないように沢山取る。それでも恐らくは1週間後、体重は軽くなり、体脂肪はかなり落ちているはずだ。油の使用が少ないのだろうか、普段一体どんなものを食べて生きているのか、間食が多過ぎると、反省する。

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午後はイントロダクションがあり、13名の参加者が自己紹介した。前回は殆どがヨーガインストラクターだったが、今回は数名、ヨーガを職業としていない人がいて助かった。私のような怠け者には、突然高度なプログラムはきつい。A師も参加者の顔ぶれを見て、内容を検討しているようだ。

 

その後、実習がある。ヨーガというと、きれいなポーズや柔らかい体、などを想像しがちだが、アーサナは何のためにあるのか、何するものなのかを、教えてくれる。これも何度も聞いている話であり、参加者はプロが多いにも拘らず、毎回頷いて聞いている人が多いのには驚くし、日本のヨーガスタジオは世界が違うのかな、思ってしまう。

 

実際の実技でも、『体を前に曲げすぎない』ないために座布団をお腹に挟んだりする。基本的には体が前にピタッとつく人ばかりだが、このポーズの意味はその曲げる姿勢にあるという。私などは全く体が前に行かないので、むしろ更に沢山の座布団をもらい、その姿勢を保つようにする。

 

夕方5時過ぎに実習が終了すると、夕飯までの間にシャワーを浴びる。このシャワー、お湯は出ない。タイ人にとっては何でもないことかもしれないが、日本人にとって水シャワーはきつい。11月末、気温はそれなりに高いとは言いながら、この付近は都会より気温は低く感じられる。だがこれも一つの修行だと思えばよい。更に石鹸やシャンプーも周囲の環境に配慮した物が提供される。木の小屋から流れ出す汚水は直接下へ落ちていくので、実感が沸く。

 

夕飯は軽い物が出る。今晩は麺だった。これも合宿での配慮だった。やはり普段食べ過ぎなのだろう。腹が減るのでお替りする。パイナップルなどフルーツが出るのが嬉しい。この程度の食事で済ませることが内臓の負担を和らげると思う。もう一組、数人のグループが食事をしているがメニューは同じ。白人、韓国人などの混成チーム、英語で話しているが、何の目的で来ているのであろうか。

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夕飯が終わるとまた講義がある。NHKスペシャルなどの番組を見て、周辺理解を深めるというプログラムになっている。これが終わるのが夜9時過ぎ。暗い中、部屋に戻り、歯をみがくと、既にぐったり。部屋はかなり涼しいので、そのまますぐに寝込んだが、こんな季節にも蚊の来襲があり、慌てて蚊帳をセットして再度寝る。薄い上掛け一枚ではどうにも寒い。翌朝見てみると、何と窓が開いていた。普段如何に生活に注意を払っていないか、快適な生活を送っているかを実感する。

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1128日(月)

2日目

ワンサニットの朝は早い。まだ夜が明けない午前5時起床。もう鶏は大声で鳴いている。支度をして5時半にホールへ向かう。参加は自由だが、30分間の瞑想がある。心が静かになり、朝をこのように始めることの良さが分かる。寝ている間、私は何をしているのだろうか。夢など見ていないのだが、心がざわつくことでもあるのだろうか。

 

夜が少しずつ明けてくる。6-8時は実習。体を少しずつ緩めていく。私は無理をせず、出来ることだけをゆっくりやっていく。ここでは他人と競争する必要もないし、指導者から、何かを強制されることもない。疑問があれば聞くことができ、大きく外れていれば、教えてくれるだけだ。

 

このようなやり方、インドでも体験したが、今の日本の教育に必要ではないだろうか。個性を引き出すなどと教育現場では言っているようだが、教師が教え込めば個性は消えていく。マニュアルを暗記するだけ、出来たか出来ないかだけを競うことになりかねない。そのようなものは教育とは言わないのでは、とここでは思わせる。

 

朝飯にお粥が出た。タイ料理ではあるが色々な面で中国を感じさせる。タイという国も南北に長い。北の方は中国の影響が強く、その食文化も随所に中国的である。我々日本人はこれらのミックスされたタイ料理を食べるとホッとして、美味いと感じる。しかもここの料理は肉食を抜いているので、体に優しい食べ物が残る。健康の源についても考える。

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