香港歴史散歩2004(20)鴨利洲

【香港ルート21鴨利洲】2004年10月31日

本日も香港は快晴。少し汗ばむぐらいの絶好の散歩日和。今まで気になっていたが一度も行ったことが無い、鴨利洲を目指す。鴨利洲は香港仔の対面にある小さな島であるが、島の形が鴨の舌に似ていることから名付けられる。舌という字は縁起が悪いので、利と改める。

15世紀には漁民が住んでいたというが、北部に本格的に人が住み始めたのは19世紀になってから。近年は島の開発が行われ、橋も架けられている。現在では大型住宅の建設が進み、一大住宅地となっている。

(1) 大王宮

自宅から鴨利洲への直通バスは無く、香港仔トンネルの先でバスを乗り換える。丁度来たバスが海怡半島行き。South Horizon、ここはショッピングセンターを中心に、16棟ものマンションが建っている。そして海辺からは南丫島が遥かに眺められる。是非住んでみたい場所である。

 ここに大王像を祭った大王宮があるとのことであったが、残念ながら見つからない。半島の突端には観景台が設けられ、海の風景を眺められる。周りは高層マンションが建ち並び、実に清潔な海の道が続く。恐らくは大王宮は撤去されてしまったのであろう。確かにこの場所には不釣合いかもしれない。

(2) 水月宮

海怡半島から鴨利洲橋道の方に戻る。古いマンション群が見える。この高台のマンション群の丁度真下、香港仔湾に面した場所に水月宮がある。バスの車庫の隣にあり、細い道を歩くと突き当たりに古びた、そしてこじんまりした建物が見える。

 

入り口には大きな木がまるでこの宮を守るかのように幹をくねらせている。この木が実に味がある。建造年代は不明。廟内には光緒17年の文字が見える。真ん中に観音様、思わず頭を下げる。

実にいい雰囲気のこの宮が何故車庫の横に押し込められたのか?残念でならない。しかしかえって信者以外訪れる人も無く、ひっそりとした佇まいを残すかもしれない。

(3) 洪聖古廟

水月宮を海沿いに東に向かう。立派なマンションの前を通ると何となく残念な気分になる。その後きれいな街市がある。周りは古い店が並んでいるだけに不自然に感じられるが仕方が無い。

 その街市の横、海に面してひっそりと洪聖古廟は建っている。気を付けていないと通り過ぎてしまうかもしれない。古廟を横側から覗くと小さな仏像が置かれている祠のような場所がある。更に廟の前には幟を揚げる為の柱が2本、祭りの時には盛大にはためくのであろうか?

中は比較的広く、英語で書かれた紹介文もある。華僑等の信者が多いということか?海に向かって打たれる銅鑼もある。奥中央には洪聖像が安置され、周りに小さな仏像が置かれている。

洪聖爺は正式名を『南海洪聖広利大王』と言い、唐代に広東省で天気を予想できる官吏とも中国人に火の使い方を教えた人物とも言われている。生誕記念日は旧暦の2月13日。漁民は当日に供物を備えると1年間厚い庇護を受けると信じている。

(4) 香港仔砲台

洪聖古廟のある旧市街から利東邨へ。旧市街地は島で一番低い所にあり、利東は一番高い所にある。ガイドでもバスで行くように書かれているが、折角なので歩くことにする。後で後悔するが。

古廟から少し行くと階段があり、上の広い道へ。そこから更に結構急な道をバスを尻目に登る。かなりキツイ。そして利東邨に到着。非常に規模が大きい住宅団地である。その住宅街を更に登り、一番高い建物の裏へ。

裏は公園となっており、老人が日向ぼっこしている。なかなか良い雰囲気。そこから登り坂。玉桂山へ、という表示が出ている。私が行くべきところは143山であるが、そこしか道が無いので取り敢えず行く。

急な階段がある。ここは裸山である。木が無い。登り始めて後悔する。本当に急な階段なのである。振り返ると真下に道が見えるよう。更に向こうを見れば、素晴らしい海の景色が見える。しかし怖い。降りることも出来ない。

 仕方なく登り切る。上には東屋があるのみ。砲台後が何処にあるのか?北側には香港仔、更にはピークがきれいに見える。西側は先程行ったSouth Horizonのマンション群、そして南は一面の海。南Y島も見える。

ここはどう見ても143mより高いのではないか?間違った場所に来てしまったのか?地図ではこの場所に砲台跡があるし、香港の地図を見ると玉桂山はもっと南にあることになっている。どうなっているのか?

結局見つけられずに山を降りる。丁度韓国人の親子が登って来たので、彼らについて反対側から降りる。反対側はそれ程急ではなく、何とか降りられた。利南道からさっき歩いた鴨利洲橋へ。何となくこのまま帰る気にはなれず、さりとてもう一度利東邨に引き返す気力も無い。

下に降りて洪聖宮へ。その横からフェリーが出ているのをさっき見たので、それに乗って香港仔へ。このフェリー、結構風情があってよい。しかしオクトパスの機械が船の真ん中にあるのはご愛嬌か?船には犬も乗れるようで、まさに庶民が普通の乗るもの。僅か5分で対岸についてしまうのが、残念。水上には小船が沢山あり、未だに水上生活をしている人々も居るのか、それとも観光用か?

今回は4つの内2つの場所を発見できなかった。鴨利洲の開発が進んでいるのか?それとも探し方が悪いのか?何れもう一度訪れたい。

 

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