インド アユルベーダの旅(20)アーメダナガール 踊り狂う夜のパレード

踊り狂う夜のパレード

そうこうしている内にどんどん時間が経つが、一向に次の行事が始まらない。イベント会場ではなぜか子供が歌ったり、踊ったり。若い女性やおじさんが歌ったり踊ったり。どうなっているのか。近所の人々が見に来ているので、結婚式とは別の行事かと思う。

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あたりが暗くなると、新郎が外へ出た。そこには馬が用意されており、彼はそれに跨る。恐らくは生まれて初めて乗るのだろう。緊張の面持ちだ。もしここで落ちでもしようものなら、末代までの恥、という感じか。日本なら絶対予行演習するだろうに。勿論馬は大人しいし、馬丁も付いているので問題はないが。音楽隊が派手に音を出し始める。よく見ると新婦は後ろの馬車に乗っている。両脇は可愛い子供が乗っている。

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この行事の意味は何だろうと思っていると、ナイニーカなど若者が突然奇声を発して踊り出す。これには驚く。インド映画ではダンスが定番らしいが、こんな場面でなぜ踊り?かなり激しく踊る。夜の闇にその踊りが映し出される。ちょっと神秘的だ。ナイニーカは普段のジーンズと異なり、とてもおしゃれなインドドレスを着ている。それを振り乱して踊る。

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よく考えてみると、朝バスの中でも踊っていた。単なる喜びでハイテンションになっているだけかと思っていたが、どうやらあれはこのための予行演習だったのではないか。そうだとすると合点がいく。この踊りは一族の中で彼女らが与えられた一種の役割だったことになる。インドの結婚では近親者に役割が与えられているようだ。それにしても、少し進んでは何度も繰り返す。気の遠くなるような時間だ。

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そして2時間後、ようやく結婚式場まで馬は引き返してきた。途中新郎は車に乗り換え、お寺へお参りに行ったようだ。新婦は既に戻っていた。ここで新郎が馬から降り、新婦と共に会場へ入場。舞台上では相変わらず女性が歌っていたが、それが祝福に替わり、全てが演出であることが分かった。

 

2人は舞台に上がり、お互いの首に花輪を掛けあう。拍手が沸き上がる中、何と舞台がゴンドラのようにせり上がる。これ80年代日本の玉姫殿系結婚式の演出に似ている。かなり高くまで2人は持ち上げられ、しばらくはそのまま。

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そしてなんとディナーになった。もう食事など要らないほどだが、親族の手前、食べ物を取りに行く。お盆を持たず、トマトスープだけを取り、席へ。それからインド風ピザを頂き、それで仕舞にした。既に夜10時近い。早々に部屋に上がるが、なぜかよく眠れず困る。

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結婚式でお酒が一滴も出ないのは良いが、食べてすぐ寝るなど、正直インドはあまり健康的な生活をしていないように思う。これからこの習慣が変化していくのか、ちょっと興味はあるが、この生活を続けて気にはなれない。

 

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