広東・厦門茶旅2019(2)茶博で広州茶会の将来に出会う

5月26日(日)
お散歩

昨晩はずっとCCTVのスポーツチャンネルを見ていた。昔は世界の情報が何も入らなかった中国だが、スポーツに関しては、今や素晴らしい環境が整っている。各種目の世界大会は国営放送が無料で見せてくれるのは何とも有り難い。『世界バドミントン男女混合国別対抗戦2019 スディルマンカップ』を中国南寧でやっている。日本対インドネシア、日本は男女両エースが順当に勝ち、勝利。決勝の相手は中国になった。

 

朝ごはんはホテルで食べる。前回からこのホテルチェーンの朝食券が付くようになり、取り敢えずあるものは食べる。まあどこへ行ってもほぼ同じメニューではあるが、良しとしよう。本当は今日午前中からKさんとお出かけの予定だったが、彼女の都合により、一人で十三行博物館に向かう。

 

この博物館、開館当時に一度来たことがあったが、その後色々と歴史調査が進む中、また確認の意味を込めて地下鉄に乗って訪ねてみる。パスポートを提示すれば無料というのも有難い。展示物はおそらくそれほど変わっていないと思われるが、所々に気になるものが置かれており、茶の歴史としての統計数字などもあり、また当時の茶の名称から気づくこともあり、種々勉強になる。さらっと1時間ほどで見終わったが、何と土砂降りの大雨に見舞われ、動くことが出来ず、もう一度館内を巡ることになったから、気が付くことが増えたようだ。

 

雨は通り雨で、止んだ。外に出て、歩いて沙面に向かう。ところが道を間違えて、沙面の向こう側まで歩いてしまう。最近のボケ具合は相当のものだ。別の橋を渡り、沙面に入る。旧横浜正金ビルはちょうど真ん中ぐらいにあった。その裏のビルは、ギャラリーのようになっており、誰でも参観できる。かなりレトロな雰囲気で、写真に収めている人もいたが、総じて人がいないのもまたよい。

 

何となく疲れてしまい、宿へ戻る。駅近くの店に入り、ランチをテイクアウトした。ホルモン系のスープがうまそうだ。勿論中国の物価は以前と比べると高くはなっているが、こういう食事を見ていると、まだまだコスパは悪くない。これを部屋に持ち帰り、ちょうど始まったバドミントン決勝の試合を見ながら、ゆっくり食べた。日本チームは戦力的には有利に思えたが、アウエーの中で思うような試合が出来ない。ついでに明日からの旅に備えて洗濯もする。

 

茶博
夕方再度出かける。今日は広州で開催されている茶博の最終日。会場近くの駅まで地下鉄に乗り、Kさんと待ち合わせて見に行く。会場前ではダフ屋が入場券を5元で販売している。もうすぐ終わるので投げ売り状態だった。会場に入っても、既に大かたの人は帰ってしまったのか、ゆっくり見学できた。

 

私には特に目的はないので、Kさんの後ろをついて歩く。湖南安化茶は作り方から伝統的な飲み方まで再現している。雲南の高山茶があり、先日行ったばかりの四川雅安の蔵茶も出てくる。そして六安茶のブースでピタッと足が止まる。現在の六安瓜片とは異なる、老六安茶とは何か。その歴史には非常に興味があり、私も聞き入る。

 

2階に上がっていくと、茶空間の展示会場がある。近年中国でも単にいい茶を飲むだけではなく、どんな器で飲むか、そしてどんな場所で、どんな雰囲気で飲むかが、問われ始めている。そんな設計を競っているようで、かなり力が入っており、驚くような空間が演出されていた。将来は日本の茶道のような、いや中国独特の茶空間が出現するだろうと思えた。

 

Kさんと会場下で夕飯を食べる。ちょっと落ち着いた空間があり、お茶を飲みながら、簡単なものが食べられるようになっていた。やはり広州、そのちょっとしたものが美味しい。何気ないものが美味しいのが本当に美味しい料理だと思う。食は広州にあり。ついでにお茶も美味しい。

 

茶博の終了した夜8時から、広州茶文化促進会の黄会長などを中心となって、『広州の茶文化をどのようにしていくのか』といったテーマで、シンポジウムのようなものが開かれ、私もKさんと一緒に参加した。Kさんは日本の代表、そして以前知り合ったコロンビア人のジェロも発言者として登壇した。

 

100名上の参加者、それも広州で名のある茶関係者が一堂に会する集まりであり、6-7人ずつ分かれてテーブルに座る。そこはお茶席になっており、各席主が工夫を凝らした設えをして、かなり良いお茶を持ち込み、いい雰囲気で淹れてくれる。私の席ではいい岩茶が出てきて嬉しい。

 

一方壇上では、何人もの発言があり、ディスカッションがあり、これだけの人間が広州にはいるのだと伝わってきた。そしてそれぞれが本当に広州の茶の将来を考えようとしている、これからを指向した集まりを目指していく様子がよく分かった。中国茶は本当に曲がり角に来ているな、と思われる。すでに角を曲がった?日本にはこんな真面目な集まり、あるのだろうか。

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