広東・厦門茶旅2019(1)深圳 茶葉世界

《広東・厦門茶旅2019》  2019年5月25日-6月2日

5月25日(土)
深圳で

香港から深圳にやってきた。今晩は広州に泊まる予定なのだが、広州へ行く方法はいくつもあった。ちょっと混んでいても、新しくできた高速鉄道で行くのが、旅人らしい振る舞い」だったかもしれない。ただ私は羅湖を通過した。その理由はズバリ、暇だったからだ。早めに広州に到着しても、予定がなかったのだ。

 

それともう一つ、最近深圳の茶葉市場に行った、香港在住のお知り合いIさんが、鳳凰単叢の李さんの店を訪ねた所、『最近全然来ないわね』というメッセージを頂戴したと伝えてきた。恐らく2年以上訪ねていないだろう。それなら暇なのだから寄り道して、羅湖から広州へ行けばよいと考えた。

 

イミグレは相変わらず外国人窓口が少なかったが、スピードは速かった。荷物検査は面倒だが何も問題はなかった。羅湖駅前にも特に変わった様子はなかった。茶葉世界も変わっているようには見えず、お客もまばらだった。ちょうど昼頃着いたら、李さんは弁当を食べていたので、場内を一周してみたが、店もそれほど変わってはおらず、やはり活気はない。

 

李さんも相変わらず単叢を売っている。ただ一時のブームが去り、商売は落ち着いているようだ(なぜか今日本人の間では単叢が流行っているらしいが)。李さん自身も『もうあくせく商売する気はしない。時々お客が来て、飽きない程度にできればよい』などと言っている。昔勤めていた頃の年金がもうすぐ入ってくるともいう。ご主人は既に退職して、悠々自適。ついに日本へも旅行に行ったらしい。

 

そんなことだから、ご主人も呼んで、一緒にご飯を食べようと誘ってくれる。私はこの店に何らの貢献もしていない。自分では単叢を飲むことはあまりなので、茶葉を買うことすらない。夜まで待って食事をしていると、広州へ行くのが遅くなることもあり、今回は丁重に辞退した。

 

もう一軒覗いてみた。台湾茶を売る店。ここは元々台湾人が経営しており、仲良くしていたが、数年前にそのオーナーがなくなり、店の従業員だった桃姐が店ごと引き継いでいた。阿里山の茶を主に商っている。結構いい焙煎具合の茶なので、意外と好きで、偶に飲んでいる。

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この店も、桃姐はいるものの、既に娘が結婚しており、その夫婦の代になっている感じだ。私などはお母さんの古いお客さん、という位置づけになっている。桃姐ももう商売の話などしなくなっている。ちょうど今から勉強に行くんだ、と言って去って行ってしまった。勉強の内容は何と『社会貢献』だというから驚く。中国、いや深圳はもう本当に一時代が終わり、次に時代に移行していると感じる。

 

広州へ
羅湖駅に戻り、広州行きの切符を買う。ここの行列もかなり短くなっており、有り難い。相変らず10分に一本は列車が出ており、日本の新幹線並みに乗車できる。いつものように広州東駅までの切符を買ったが、掲示板を見てみると、私が乗る次の列車は東駅を越えて広州駅まで行くらしい。

 

今日の宿泊先は広州駅の近くに取ったので、広州駅へ行きたい。だが勝手に次に列車に乗ることは出来ない。仕方なく乗り込んでから確認することにした。最初に掃除のおばさんが来たので聞いてみると、『このまま乗っていけば着くよ』という。次に来た車掌に聞くと『東駅でも広州駅でも料金は一緒だよ』というだけ。どうやって乗り換えればよいのだろうか。

 

結局終点の広州東駅で列車を降りて、駅で聞いてみる。ところが『ここはそれを教える担当ではない』などと言われ、詳細が分からない。改札口で聞くと『広州行きは当分来ないから地下鉄で行け』などという始末。もうすぐ列車が来ることを伝えて初めて確認して『1番ホームに急げ』などというのだ。もう呆れる。

 

何とかその列車に乗り込む。15分程度なので立っていく。地下鉄だと30分以上かかるのでかなりの節約だと思ったのだが、節約したのは乗車料金だけで、無駄な時間が多かった。というのは、広州駅に着いたものの、結局一駅地下鉄に乗るが早いと言われ、その一駅乗るために延々と歩き、切符の行列に並び、荷物検査を受けるのだ。バス路線を簡単に調べられるとよかったな。

 

宿は最近の定宿、チェーンホテル。なんと駅からすぐで有難い。おまけに週末のせいか、部屋をアップグレードしてくれ、かなり快適な空間となった。昨日の香港の宿とほぼ同じ料金で、部屋の広さは5倍、快適度は10倍にもなっている。冷蔵庫のドリンクも無料で飲める。

 

夕飯は近所を散策。何だか昔の広州が残っている一角があり、ちょっと迷子になりながら歩く。腸粉と米麺を食べて、大満足。やはり広州の食事は安くて美味しい。しかしよく見ると、小さな食堂が並んでいるのだが、潮汕料理という看板がかなり多い。この付近は潮汕人が多いのか、それとも潮汕料理がうまいからあるのか。私はこれから潮州へ行くので食べるのを控えた。

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