極寒の湖南湖北茶旅2016(1)長沙で再会するも

極寒の湖南湖北茶旅2016》  20161216日‐27

 

201512月、私はユーラシア縦断鉄道の旅で湖南省にやって来た。だが茶畑のある安化へ行くことはなく、その足掛かりだけを掴んで長沙を去った。それから1年、中国には何回か来たが、湖北には行っても、湖南省に縁がなかった。安化と言えば黒茶が有名だが、あの2012年に偶然見つけた安化紅茶、あの味が忘れられずに、再訪の機会を待った。

 

そして今回、福州のお茶屋さんの紅茶旅に便乗して、安化へ行くことができた。それにしても湖南省の冬は相変わらず寒かった。ついでにまた湖北省にも足を踏み入れ、更に寒かった。1年に3回も武漢へ行く、考えられない何かが私を呼んでいた。それは何なのか、いまだに分らない。

 

 

1216日(金)
1. 長沙まで

 

今回もまた羽田から北京までエアチャイナで飛ぶ。何しろ安いのだ。そして羽田から出る方がやはり便利でもある。先日もバンコック往復に北京経由を使ったのだが、その時スーツケースが壊れてしまい、その補償金も羽田空港で受け取ることになっていた。補償も日本の航空会社より簡単に出る。今や常連さんの域に達している。

 

少なくとも羽田北京線は機体も新しく、個人画面があるので、映画も見られるし、食事も他の路線より努力しているようで、比較的美味しいので、特に申し分はない。また一時は多かった爆買い中国人観光客も姿を消しており、機内も比較的静かだ。そういえば、空港内のショップには中国人以外の観光客も多く、会計には常に長蛇の列が出来ているのに、改善されないのは、ちょっと解せない。日本的おもてなし、本当にあるのかな。

 

フライトは順調で定刻に北京に到着した。今回は長沙までの乗り継ぎを考慮して、預け荷物なしで搭乗したのだが、エアチャイナと言っても日本、重量制限を一応言われた。でもその必要は全くなかった。むしろ長沙へ行く飛行機はやはり遅れており、長沙にランディングしたのは、午後11時半頃になっていた。取り敢えず、タクシーに乗り込み、今晩予約してもらっている宿を目指した。

 

2. 長沙

 

タクシーはどこを走っているのか分らなかったが、深夜のこと、車も少なく、比較的スムーズに到着した。地元の企業が予約してくれたので、名前の違いからちょっと手間取ったが、無事にチェックインを果たす。ホテルの部屋はかなりきれいで、おまけに茶道具までが置いてあり、夜中にも拘らず、湯を沸かして一杯飲んでから寝た。

 

1217日(土)
茶市場へ

 

翌朝、ホテルで朝食を取ろうとしたが、『お前の部屋は朝食付きではない』と言われてしまう。確かもらっていた連絡では、朝食付きだったので、その企業名を出して、何とか飯にあり付いた。折角きれいなホテルなんだから、そして企業契約の客なんだから、こういうあたりはしっかりした方がよいよ、と心の中で思うが、口には出さない。口に出すと不愉快になることを十分に知っているからだ。

 

そして銀行へ行きたくて、フロントでその銀行名を行ってみたが、『この近くには支店はない』と一言で片づけられた。ところがちょっと散歩に出ると5分も離れていない大通りの分かりやすい場所にあるではないか。この辺はもう教育、というか、何と言うか。残念だな。取り敢えず用事は済んだので良かった。

 

タクシーで昨年も行った茶市場へ向かう。実は今回、昨年12月に偶然出会った鄧さんに連絡を取っていた。できれば安化の茶工場へ連れて行ってほしいと申し込んでいたのだが、状況次第となっていた。何しろ彼の親戚の工場経営者にはその数年前に会ったことがあったし、モスクワの知り合いを紹介してもらい、実際に会いにも行っている。ご縁はかなり深い。

 

彼の店は昨年とは違うところにあった。何とか探し当てて訪ねると、何とあのモスクワの張さんもちょうど来ていたので、本当に驚いた。彼も茶商なのだから、用事があれば来るだろうが、まさかここで再会できるとは思ってもみなかった。ただ皆、色々と忙しく動き回り、スマホで連絡を取り合っており。我々だけが悠々と茶を飲んでいる。

 

色々と話したが、今回はどうもご縁がなく、安化行きの話は無くなった。私は福州組と一緒に行くことは行くので、それでも問題はなかったが、ちょっと残念だった。中国ではタイミングというのが実に重要だ。はるばる日本から来ても、行けない時は行けないのだ。だから私はどうしても行かなければならない時は保険を掛けるようにしている。

 

店で昼ご飯をご馳走になり、福州の魏さん一行の到着を待つ。それまでの間市場内を散策するも、冬の寒さで、お客は殆どいない。まあ天気は悪くないのですごく寒い訳ではない。3時過ぎにようやく本体が到着し、指定された店へ向かった。そこは茶荘でもあるが、茶芸教室などもやっているようで、雰囲気が茶荘とはかなり違って落ち着ている。そこでゆったりとお茶を出されると、何となく心が休まる。

 

そして夕飯はここのオーナーの招待で、近所の立派なレストランで豪華な食事を頂く。湖南料理は辛いのだが、福建人は辛い物が苦手ということで、私にも適度な辛さの美味い物が出てきた。食事が済んでもまだ7時だったが、実はこれからが本番だった。この茶旅、夜は長い。

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