台湾一周茶旅2016(9)彰化で歴史を、台北で茶博を

5. 彰化
彰化散歩

 

バスで嫌な思いをした上、凄く暑く感じられた。どこでもよいから早く宿を確保して落ち着きたかった。駅前を眺めたが、ホテルらしきものはなく、少し入った場所でビジネスホテルを発見した。その付近はベトナム語など、東南アジアの言葉が並んでいた。宿で部屋があるかと聞くと『あんた、何人?』と聞き返され、ドキッとするが、日本人と答えると笑顔になり、11000元というので、すぐに部屋へ上がった。古いが、昨日より格段に広く、寛げた。空いていれば午前中でもチェックインできるのは、なんとも嬉しい。

 

彰化駅へ向かい、明日の台北行きの切符を買う。日曜日の朝の自強号、簡単に買えてよかった。駅の案内所で彰化の地図をもらい、動き出す。開化寺、孔子廟と進むが、それほど古さは感じられない。彰化に大きな大仏があると聞いていたので、そちらへ向かって丘を登る。途中に抗日記念館があると聞き、それを探すが見付からず、ハイキングコースになっている裏道を登ってみる。結構自然があり、気持ちがよい。上りきると大仏へたどり着いた。

 

非常に天気も良く、ここからの彰化の眺めはよかった。八卦山大仏、アジア一ともいわれるそれは高さ22m、見上げるほどの高さでどっしりと座っていた。観光客も大勢訪れており、強い日差しも風で和らぎ、皆が立ち止まっていた。大仏の中に入り、上に上ることも出るようだったが、遠慮しておいた。

 

車の通る道を降りていくと、さっきは見付からなかった記念館、1895八卦山抗日保台史跡館が見付かった。無料で中に入れ、涼しいので一息つく。そして展示物を見始めたのだが、下関条約により日本軍が台湾に侵攻し、それに対してどのような抵抗が行われたのかが、時系列的にかなり克明に記されていた。

 

ここ八卦山でも激闘があり、北白川宮もここで負傷したとの話もあるようだった(北白川宮はその後台南で死亡?台湾で一番知られている宮家となった)。尚この人物は明治天皇のオジにあたり、明治維新に際しては、色々な話があるようだ。一体どんな人だったのだろうか、興味深い。決して台湾人も初めから日本を受け入れていた訳でもなく、恨んでいた人々も沢山いたことを物語る展示であった。こういう歴史も日本人はきちんと見た上で、台湾が如何になる歴史的変遷を経て、今日、我々に優しく接してくれるのかを考えるべき。簡単に親日であるなどというべきではない。

 

街中に戻る途中、幼稚園があった。しかしその建屋はかなり古い。表示を見ると、元々清の時代に建てられた書院を日本時代に第二幼稚園としたとある。こんな立派な幼稚園があるということが、その当時の彰化の位置づけを語りかけているように見えた。それにしても歴史的建造物の幼稚園に通う園児はどんな気分だろうか。

 

街中には古い畳屋さんがあった。今や日本より、このような歴史的畳屋を見る機会は多い。台湾の家には今でもたまに畳の部屋があるが、畳屋は商売が成り立つのだろうか。昼ご飯は名物にも飽きたので、鶏排弁当を食べる。ボリュームがすごい。宿の周囲も古い街並みだが、その中でも1つの大旅社が観光スポットになっており、台湾人が写真を撮っていた。30年前、こんな旅社に泊まったことを懐かしく思い出す。

 

午後は疲れが出たので、ゆっくりと休養した。そして暗くなった頃、再び街へ繰り出した。土曜の夜であり、人々でごった返していた。宿のすぐ横は有名な肉圓の店らしく、行列ができている。私はそことは反対側で昔からやっている店でゆっくりと肉圓を味わう。地元の常連さんしか来ない店はちょっと入り難い。

 

更に駅前付近をうろつくと、こちらは観光客用ではなく、完全地元仕様の店が並んでいた。こんな場所がうまそうに思える。私の好物の魷魚肉があったので、飯を入れて食する。最近はイカの味に問題のある店もあるのだが、こちらはちゃんとした食材を使っていて、しかも安い。有り難い。

 

6. 台北2
茶博覧会へ

 

1120日(日)

翌朝は9時過ぎの自強号で台北に向かった。やはり切符を買っておいてよかった。途中駅から乗り込んでくる乗客がどんどん増え、本当に超満員、立っているのも大変な様相となる。3時間で台北駅に着き、定宿に荷物を運び、昼ご飯を食べに行く。それから南港の展示館へ急ぐ。

 

今日まで台湾国際茶酒珈琲展が開かれている。先日行った瑞穂の粘さんも参加すると聞き、顔を出したみたわけだ。予想以上にブースがあり、日曜日で人が多かった。ここでは、魚池で以前訪ねた茶農家が出店していたり、三峡で緑茶を作っている元気な家族に出あったり、埔里の茶農家とも知り合い、有意義だった。

 

日本から来た人々が手もみ茶の実演をしていて驚いた。抹茶と黒糖をコラボさせた飲み物を売り込んでいる日本人もいた。それでもやはりメインは、酒コーナーだった。コーヒーに集まる男性も多かった。それに比べればお茶は今一つかもしれない。日本酒コーナーも人気だった。これだけの規模の展示場を回るにはもう体力がなかったので退散した。夜は奮発して魚を食べ、すぐに寝る。

 

1121日(月)

 

翌朝は午前9時前のフライトに乗るため、午前5時半には宿を出た。雨が降っており、濡れた。空港行バスの乗り場の位置が変わっており、乗り方もちょっと変化している。空港に着くと雨が上がり、飛行機は順調に飛び立った。午後1時前には成田空港に到着、今回のミッションは終了した。

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