ある日の台北日記2025その2(6)台南の客家村へ

あっと言う間に2時間ほどが過ぎ、帰りはかなりのスピードで戻った。温老師に長栄大学駅まで送ってもらい、そこから台南駅を目指した。汗だくになりながら駅前の宿に入る。ここも以前泊ったような気がするが、週末ということでかなり高い料金になっていた。ただそれでも東南アジアからの観光客が沢山来ていた。

急いでいたのは午後6時から食事会があったからだ。何と明日玉井にマンゴーを食べに行く(買いに行く)ために、香港から日本人が沢山来るというのだ。しかも彼らはXなどで発信している人々で、私も時々参考にしている投稿をしているらしい。Aさんも行くというので、私も参加させてもらった。

台南の老舗レストランに9名が集まり、コース料理を堪能した。蟹の乗った米糕、砂鍋鴨、大きなプリンなど、最近食べたことがないほど豪華な食事だった。やはり大勢で食べるのは偶には良い。またメンバーが個性的で、香港・台湾・日本で活躍している若手(私から見ると)で頼もしい。

6月29日(日)玉井でマンゴー

泊っていた部屋は広いが何もない。朝は日が差し込み、早めに起き上がる。すると何故か腹が減り、外へ出た。サバヒー粥の話題が出ていたので、ちょっと探しに行ってみる。だが朝7時でも既に結構暑い。さすがに台湾南部だ。何とか見つけた店はかなり有名な店らしいが、早めだったのかお客はまばらだ。お粥が170元というのはちょっと高いが、デカいサバヒーがドーンと乗っており満足感はある。そして何より美味しい。青菜炒めも付けて、昨晩に続いて豪華な朝飯となる。

汗をかきながら部屋まで戻って、約束の時間に下に向かうと、何とフロントで昨晩の女子3人組と出会った。彼女らは別のところに泊まっていたが、今晩Kさんだけがここに泊まるため、荷物を預けに来たという。よく聞いてみると昨日のメンバーも多くがここに泊まっていた。台南の週末は宿難民続出だろうか。

宿のすぐ前から玉井行のバスが出ていた。玉井にマンゴーを食べに行く人は週末だから多いかと思い、一生懸命バスに乗り込んで席を確保したが、乗客は途中で降りていく人が多かった。やはり基本は車だろう。途中のターミナルで何故かバスは20分も停まり、それでも1時間半ほどで玉井までやって来た。本来はここでマンゴー市場へ行くのだが、我々4人はAさんを先頭に更に奥地に向かうタクシーを探した。

田舎のタクシーはコンビニで呼ぶと初めて知ったが、結局捕まえられず、外を見るとちゃんとタクシーがいた。料金は交渉だったが、近いのですぐに纏まり、乗り込む。我々の行き先は客家村だったので、運転手は「そんなところ、何もないよ。他に観光地はあるよ」と誘ってきたが撥ねつけて村で降りた。

ここは台南郊外では珍しい客家村だとAさんは説明したが、その時向こうから男性がやってきて声を掛けてきた。その人を見たAさんは驚いている。何とネット上で村を説明していた人が目の前に現れたのだ。しかも普段は村に住んでいない人で、たまたまマンゴーを買いに寄ったというからかなりの幸運だ。

その人が邸内を案内してくれたが、衝撃的だったのは「つい最近まで自分たちが客家だとは思っていなかった」及び「自分の母親は外省人と客家を嫌っていたが、自分の嫁は外省人であり、更に母自身が客家だった」という話しだろうか。自らのルーツを隠してしまうことは、昨年探した畲族で学習済みではあるが、やはり当人にとってのショックは計り知れない。

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