ある日の埔里日記2017その6(7)サンバフェスティバル

12月16日(土)
サンバフェスティバル

先日の珈琲イベントが終了し、何となく一段落。ホッとしてそれから数日間は、部屋に籠り、お茶の歴史の調べ物に没頭した。外に出るのは昼ご飯と夕飯の2回だけ。気分転換に埔里で有名な牛肉麺屋に行ってみたりした。前回は凄く混んでいて入れなかったが、昼時を少し外すと何とか入れた。スープがちょっと独特だったが、やはり味は美味しく、ボリュームもかなりあり、100元はお値打ちだった。だから混んでいるのは頷ける。

 

天気の良い日は、クラブサンドイッチを食べるのもいつの店ではなく、店舗の外に椅子がある所へ行き、かなり寛いだ姿勢で食べた。12月の埔里、日中はそれなりの紫外線はあるが、実に爽やかな風が吹き、気持ちがよい。心なしかサンドイッチも美味しく感じられるし、フライドポテトが付いているのもよい。

 

その後で、先日イベントがあった埔里演習林に行ってみる。まさに祭りの後、静けさだけが残り、あの賑わいはどこにもない。老人が一人近づいてきて、『子供の頃、ここでよく遊んだよ。だからここが北大演習林だと知っている』と言いながら、遠い目をしていた。あのイベントで子供の頃を思い出してくれたのかもしれない。こんなところにもイベント開催の意義はあったのではないか。

 

そして土曜日、この日は天気が今一つだったが、食事に出かけると、バスターミナル近くの五差路の真ん中にイベント舞台が出来ており、既に大勢の人が集まっている様子が見えた。何だろうと近寄ってみると、その舞台の上には、先週の珈琲イベントの際もMCをしていた埔里の有名人、頼さんが元気にマイクを握っている。

 

埔里サンバフェスティバル。何故この街でサンバが行われているのかはよくわからないが、既に何度か開かれており、この時期の風物詩にもなっているというから驚きだ。珈琲イベントは前週になったのも、このイベントに配慮したからだという。舞台では若者によるダンスパフォーマンスが披露され、私の近くには格好いいオープン車が並び、その横には大型バイクに跨った若者が仮装していた。これは一体何なのだろうか。サンバじゃなくて、仮装フェスではないのか。

 

道は通行止めになっており、舞台のすぐ横には高校のブラスバンドがお揃いの服で並んでいる。その後ろにはどう見ても、パクリだろうという被り物をした人々が列をなし、観客から盛んにカメラを向けられていた。更には各地区の団体の旗や幟も見え、山車を引っ張る姿もある。これは完全に街の祭りであり、サンバは出てこない。

 

そう思っていると、後ろの方に、寒そうな格好で露出の高い服を着て、背中に羽を付けているサンバの一団がいた。まだ出番は先なのか、皆寛いでいる。しかしこの寒空でサンバは厳しいだろうか。いや、踊り始めてみれば、きっと体は熱くなるのだが、待っている間が辛いかなと思う。

 

サンバは始まりそうもないので、帰ろうとしたが、帰り道にも巨大野球ボールが転がって来た。皆楽しそうだからよいのだが、この無軌道な玉、ちょっと危険は気がする。昔運動会に大玉転がしというのがあったが、それを応用したのだろうか。一度家に帰ると、もう外に出る気力がなく、結局サンバを見ることもなく、私のサンバフェスは終わってしまった。

 

翌日の日曜日も天気はあまりよくはなかった。やはり昼ご飯を食べた後、散歩に出掛けた。埔里の街は小さいので10分も歩けば、完全な田舎になってしまう。畑が広がり、農村風景が見られる。更に行くと上り坂になっていく。そこを自転車がぴゅーっと通り抜けていく。最近流行りのツーリングだろうか。ちゃんと自転車用の山道が整備されているようだが、歩いていくのは大変そうだったので断念した。

 

別の方角を見ると山の上には寺が見えたが、こちらもかなりの急坂で途中まで行って息が上がり、引き返さざるを得なかった。体を鍛える必要を痛感する。フラフラしながら、畑の中を歩き、何とか部屋まで辿り着く。先日会った下山さんなどは私よりも一回り以上上なのに、登山もスイスイできるというから、何とも自分が情けない。

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