メーサロンを離れ、ワーウイに向かった。いつもと反対側から、全く通ったことのない道を1時間ほど行く。何だかとてもいい天気で、景色が良い。思ったより早めに宿に着いた。今晩の宿泊者は我々だけのようだ。アカ族だろうか、可愛らしい娘たちが荷物を運んでくれる。部屋は古いが、眺めは悪くない。何より人がいないので、静かだ。

食事前に少し散歩して、それから茶園を眺めながら、この宿と茶業について、メンバーに説明した。というのも、あるじの李さんは雲南へ行っていて不在なので、先週聞いた話をこちらか伝えるしかない。HHさんが持参したコーヒーを淹れてくれ、皆で飲みながら風に吹かれる。いい感じだ。

夕飯は先週来た時、既に注文済みだった。昨日に続き烏骨鶏スープを飲んだが、少し涼しい夜にはこれが何とも沁みる。豚足も旨い。野菜も新鮮だ。広い食事場所で我々だけしかいない中、無駄話に花が咲く。夜はとても静かで、早めに就寝した。やっぱり疲れが出たのだろうか。

11月1日(金)ワーウイ、メイラオ
朝は早く起きて、近所を散歩した。既に日は高く昇り、ちょっと暑さを感じるぐらいにいい天気だった。これだけ人がいない場所を歩くのは久しぶりかもしれない。宿と反対側にも茶畑を発見する。朝ご飯は昨日に続き、色々と出てきたので、ことごとく食べてしまう。メロンが美味しい。

食後オーナー夫人がプーアル茶を淹れてくれたが、これまで李さんとは歴史の話しばかりをしていたので、彼女の淹れるプーアル茶、とても新鮮だった。しかも貴重なお茶がいくつか出てきて、皆さん興味津々となる。プーアルにおける雲南と北タイの繋がり、更に考えてみる必要があるのかもしれない。

茶工場も見学する。先週も見たのだが、その付近にも一部古茶樹が残っていた。工場内でプーアル茶の包装が行われていた。1つずつ丁寧に包んでいる。古い製茶機械を象で運んだ話など、何度聞いてもこの地の大変さが分かる。もっと奥の方にはかなり古い茶樹もあるようなので、次回は訪ねてみたい。


そこから少し下るとワーウイの街がある。今回はそのモスクを訪ねてみた。予想以上に大きくて立派なモスクだった。ここは国民党の村、恐らく相当数の雲南回族が住んでいるのだろう。モスク前の道路は25年ほど前、台湾の支援で作られたとある。2000年前後から、国民党村と台湾の関係が新たな時代を迎え、そして回族の寄付などでモスクもきれいになっている。この村も発展方向にあるとは言い難いが、セブンイレブンも出来、高級中学もあることから、相応の街にはなっている。

そして山を降りていく。前回チェンライへ向かう時は、ドイチャーンの山越えを選択したが、今回も同じ道を行く。そしてなんと同じ場所で水が溢れていた。ランドクルーザーなので何とか通過した。結局2時間近くかかって、今回の最終目的地、メイラオにあるスイルンに到着する。
ここは4年前に一度Grabタクシーで来たことがあるが、あまり覚えていない。ちょうど昼時間で従業員は休憩中。工場は動いていなかった。店の方へ入るとジャルワンが迎えてくれ、早々に茶歴史の話が始まってしまった。その間、同行者3人はゆっくりとお茶を飲んでいたようだ。

その後皆でお茶を飲みながら話した。ここに来た理由、それは「回族」と私が何度説明しても、普通の日本人にはピンとこないので、実際にヒジャブを被った茶業者に会った方が良いと考えたからだった。回族の北タイにおける茶業については、なかなかその歴史が掴めないが、今後も地道にやっていくしかない。

この旅も終わり、チェンマイへ戻ることになった。この道は何度も通っているが、今回もまたドームが途中で温泉たまごを作り出し、皆に配っていた。結局3時間ほどでチェンマイ市内に帰り着き、各ホテルに送迎された。私と近所に泊った2人はニーマンのレストランでお疲れ様会をタイ料理で行い、全日程を終了した。
