タイ巡礼、そして茶旅2017(10)花農園からきれいな湖へ

それから広い広い農園を散歩し始める。一体何種類植えられているのかと思うほど沢山の花が咲いている。見たことがないような花もあるが、いつも見ているのに名前を知らない花もある。世界情勢もそうだが、花のことも何も知らないことに愕然。FBなどにキレイな花をアップして、『それは何という花か?』と質問されたらどうしようと思ってしまうが、取り敢えず夢中で?写真を撮る。植物園のように色々な草花が試験的に植えられている場所もある。『植物は何も言わなくても驚くほど成長する』そうだ。

 

作業場ではタイ人スタッフが花の出荷に備えて作業を始めている。花は鮮度が大切だから、その輸出には気を遣うだろう。最近は経済が発展してきたタイ国内需要が増加しているとも聞く。確か5年前に『日本は細かいところにうるさいばかりでデフレで価格は上がらないから、もう輸出したくない』と言っていた記憶も蘇る。これから日本は世界から見捨てられていくな、と感じたのを思いだす。

 

道路の反対側にも農園は広がっており、最近植えたのか、背の低い花が並んでいた。5年前はこの辺を開拓して、長期滞在できる家を幾つも作る、という話を聞いた気もするが、それは夢に終わったのだろうか。それから道沿いをずっと歩いて見る。昨日の市場のあたりまでは行けるかと思ったが、車なら早いが歩いてはとても行けない。途中で数匹の犬に吠えたてられ、追い払われる。空しく帰途に就く。

 

午後はまた小雨が降る。ロッジから庭をずっと眺めていたが、なぜか掃除がしたくなり、そこにあった箒で周囲を掃き始めた。こんなことは滅多にないので自分でも驚いている。泊めて頂いているのだからきれいに使おうとか、掃除ぐらいするのは当然、と言った感覚ではなく、体が自然に動いてしまった。これもお寺巡りの効能だろうか。その日はそんなことをしながら、ほぼ1日を過ごした。こんな旅もあってよいと思う。いやむしろあるべきだと思う。実に質の良い睡眠がとれる。

 

7月21日(金)
パヤオへ

翌朝も早く起き、庭の散歩をしていた。母屋を通るとちょうどメオさんがお嬢ちゃんを学校に送る所だった。『今ならバスターミナルに連れていけるよ』と言われたので、面倒がないようにお願いしようと思ったが、さすがにSさんに挨拶もせずに出て行くわけにもいかないので、午前10時頃、送ってもらうことになった。メオさんには大変な負担をかけてしまい、何とも申し訳ない。

 

Sさんと朝ご飯を食べながら、また色々と話した。話題は全く尽きない。そしていつしか時間となり、名残惜しいがここを離れる時が来た。Sさんの体調が回復することを心より願っている。何とも心休まるこの空間に、次回また迷惑を掛けながらも、是非とも訪れたいと思う。

 

メオさんの車に乗り込むと、外へ出てすぐに停まった。農園の隣にカフェを作っているという。将来はここに宿泊場所も作り、エコを売り物にした農園にしていきたいと話してくれた。そうか、夢はこういう形で繋がれていくのだな、とちょっと感激。確かに彼女一人では訪ねてくる人の対応も大変だから、ちゃんとした宿の形式にして従業員を雇った方がよいと思う。次回はこのカフェでコーヒーを飲もう。

 

ターミナルまで送ってもらい、パヤオ行きのバスがあるか聞いてもらうと、『あるよ』という喜ばしい返事が返って来た。そこで彼女とは別れ、15分後に来るバスを待ったが、何とやってきたバスはボロボロ。しかも見たことがある。そうだ、これはミャンマー国境メーサイからチェンライへ行く時乗ったバスだ。何とこのバス、チェンマイ-メーサイ間を走る超ローカルバスだったのだ!パヤオまで90バーツ、とても安いが、一体どれだけの時間が掛かるのだろうか。まあ急ぐ旅でもないので、ゆっくり行こう。

 

しかしこのバスは本当のローカル。荷物は何とか後部に押し込むが、座席はガタガタ、勿論エアコンはない。ただちょうど涼しかったのでエアコンは不要だったが、それでも途中急に雨が降ると、皆が一斉に窓を閉めるなど、色々と大変なのだ。乗客も道路脇から乗り込んでくるが、長時間乗っている者などいない。途中のトイレが困ると思ったが、バスターミナルで若干の休憩(運転手の)もあり、その間にトイレに行けた。ただいつまで経っても着かないのだ。車掌は親切だが言葉は通じないので何も聞けない。

 

6. パヤオ
パヤオの湖

途中かなりの大雨に降られ、バスのスピードも心持ち遅くなり、バスがパヤオに入ったのは午後4時だった。何と5時間もかかっている。バスを降りるとまだ雨は降っている。周囲を見渡すとすぐ近くにホテルらしい高い建物が見えたので、走ってそこへ向かう。ちょっと立派そうに見えたが、中に入って聞くと、800バーツだという。ここもローシーズンの割引があった。

 

部屋へ行くと、街がよく見えた。更にその向こうにきれいな湖が広がっている。これがパヤオの湖か。タイでは有名な観光地だという。私はただ地図を見て、チェンライへ行く途中にパヤオをという地名があったので降りてみたが、存外いいところかもしれない。部屋からその景色を十分に満喫する。

 

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