埔里から茶旅する2016(24)北村家の店長

530日(月)
不動産探し

翌朝はゆっくり起きる。朝飯を食べる気力もなく、11時前に出掛ける。中山の三越の前に来ると、ちょうど開店時間となり、コンパニオン?が丁寧にお辞儀をして、お客を迎え入れている。これも25年前、新光三越の社長から直に聞いたが、三越の良いところを全て取り込んでおり、何よりすごいのは25年経っても変わらない、ということだ。その間に店舗は一体どれだけ増えたのだろうか。北京で開業した時にはそのパーティーに呼ばれて行きもした。

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実は昨日行った行き付けの茶荘で話をしていると、『もし台北で家を借りるなら、重慶北路あたりかな』という助言があった。便利な割には比較的安い、ということらしい。それなら暇な時間にどんな所か探検してみようと、という感じで出向いてみた。と言っても、以前から古いお茶屋もあり、何度も通っている道ではある。今回はどのようにすれば借家が見つけられるのか、という点に絞って調査すればよいわけだ。

 

歩いていくと、不動産屋は沢山あった。だが殆どは売買中心で、賃貸はほんのお遊び程度。確かに一部屋何千万元もする家がゴロゴロしているのに、チマチマした賃貸などやっていられないだろう。中に一つだけ、賃貸中心のところがあり、外から眺めてみると、数万元の物件ばかり。確かに1万元ぐらいでも物件は出ていたが、相当に条件は悪いのだろう。もし本当に借りのであれば、次回はちゃんと訪ねて、内覧してみよう。ただ外国人に貸すかどうか、短期賃借はどうか、家具はどうするのかなど、問題は沢山ある。そもそもそれほど台北にいる訳でないので、また何かご縁があるといいなと思う次第だ。

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何をしていても腹は減る。ちょうど昼時で、魚翅肉羹という名前に釣られ、一軒の店に入る。老舗なのか、お客が多く、接客は『食いたければ自分でやって』という感じ。適当に座ってどうしたものかと考えていると、おばさんが気が付いて、注文を取ってくれた。日本人だとわかったらしい。魚翅とは言ってもふかひれなどは入っていなくて?もやし?と肉の羹というイメージ。野菜も頼んでみたが、どうなんだろうか、これは。

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宿に戻って一休み。午後2時にホテルにBさんが来てくれた。彼は昔の留学仲間、そして5年前に劇的に再会したのが、ここ台北だった。お互いサラリーマンを辞め、自由業で生きている。何となく理解できる相手だ。連絡すると『ちょうど紹介したいお茶屋がある』ということだったので、宿の向かいのオープンカフェでコーヒーを飲みながら、話を聞いた。台北でプーアル茶屋をやっており、外国人も含めて、広くプーアル茶を広めたい、という話だったらしい。私としては『台北でプーアル茶』には違和感はあるものの、紹介されて時間が合えば行ってみる所存。電話してもらうと、『明日の午後はOK』ということだったので、訪ねることになった。

 

それにしても、このごみごみした街の真ん中でオープンカフェとは。すごく暑いわけではないものの、クーラーの効いた店に行けばよいのにと思ってしまうが、どうやら最近の流行らしい。お客はおじさんから若者まで、結構引っ切り無しに入れ替わる。この場所代はそこそこ高いだろうと思うのだが、180元のコーヒーを売れば、十分に元が取れるだろう。日本ではすぐにおしゃれ、高級感などが話題になるが、何気ない空間とか、気軽さ、と言ったものが、求められているような気がした。そしてこの台湾でもその中心はコーヒーであり、お茶の地位は相当に揺らいでいる、と感じざるを得ない。日本の煎茶やほうじ茶なども、もっと気楽に飲める空間があればよいのに、と思ってしまう。

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北村家

Bさんと一旦分かれて、また宿で休息。宿の小さな、小さな窓から夕暮れを感じていると、ユーミンの『陰りゆく部屋』を思い出してしまう。『振り向けばドアの隙間から 宵闇がしのび込む』、どうもこれは中学生の受験勉強時、逃げ出したくなる自分、今日も何もなせなかった自分への当てつけの歌のように聞いていたと思う。この曲が頭を流れてくるときは、あまり良い状況にはない。何とかせねば。

 

夜はBさんが店長の北村家へ行く。オーナーのお父さんが作るデミグラスソースのハンバーグと、お母さんが作る総菜が美味しかったので、再訪することに。先週来、鹿谷、坪林と一緒だったIさんも誘う。そして昨年はBさんと一緒にイベントにも行ったKさんにも声を掛けた。前回は地下だったが、今日はカウンターに陣取る。遅れてきたKさんを待っていたかのように、デミグラスソースのかかったオムライスが出てくる。日本人は和食が好きなのは当然かもしれないが、いわゆる洋食も大好き。特にオムライスやハンバーグなど、お子様メニューが好きだ。歓声を上げながら3人で食べる。

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このお店、本当に流行っている。中心地でもないし、駅からも少し離れている。オーナーが日本人、しかも映画監督とい特殊なバリューもあるのだろうが、その後両親が作る料理は素朴な中に味があり、そういうところが、台湾人にウケるのかもしれない。そして何より店長はじめ、スタッフがフレンドリーであり、居心地がよい、という点があるかと思う。店長は『これも役者業の一環だ』と店長役を演じているというが、これがまたなかなか良い。

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