シベリア鉄道で茶旅する2016(1)シベリアの旅は蒲田から

《シベリア鉄道で茶旅する2016》  2016年3月7日-24日

 

S氏の壮大な企画。それは北半球の一番南の駅から一番北の駅まで行くという、とてつもない旅だった。そして第2回のミャンマー編では腰痛でダウンし、3回目の中国編では極寒の中国を震えながら縦断した。正直この過酷の旅を続けていく自信はなかった。だが乗り掛かった舟、しかも未知の国、ロシアへの旅、そしてシベリア鉄道にも乗れるとあって、やはり行くことにした。それに万里茶路も気になる。

 

1. 北京まで
ロシアビザ

中国とモンゴルは観光ならビザは要らない。だがロシアは違う。しかもそのビザ取得は相当に面倒だと聞いていた。ところが昨年ぐらいからロシアの旅行行政は劇的に改善されていた。従来はまず旅行会社で全旅程のホテル・交通手段のアレンジをしてもらい、そのバウチャーを持ってロシア大使館へ行き、ビザを取っていたという。当然旅行に自由はなく、現地では常にインツーリストのスタッフが付いてくるとか。およそS氏の旅のスタイルとは180度違っていたが、そうするしかなければ仕方がなかった。

 

今は、ネット上の旅行会社にバウチャーを申請すると、10米ドル程度の費用でバウチャーが発行され、それを持って飯倉のロシア大使館へ行くと、ビザが出る。ビザ代は2週間待てば無料だが、4日待ちで4000円だった。特急だと10000円とか。経済の悪いロシアは完全に外国人誘致に乗り出している。ロシア大使館へ行くのも初めてだ。周囲は物々しい警戒態勢が曳かれており、写真を撮るのも憚られる。

 

領事部は相当に混んでおり、1時間ぐらい待たされたが、係官は極めて事務的で、ビザ申請には何の問題もなかった。中には春休みにヨーロッパへ行く学生が安いアエロフロートのモスクワ経由で行くのに、トランジットビザを取りに来ていたので驚いた。モスクワにはいくつも空港があるようで、違う空港で乗り換えるなら確かにトランジットだろうが、なんと彼らは同じ空港内での国際線乗り継ぎなのに、ビザがいると言われていた。モスクワとは一体どんなところなのだろうか。ちょっと不安になる。

 

前泊

3月5日にお茶関係者のセミナーがあった。半年前に要請を受けていたのだが、そのタイトルは『万里茶路を訪ねて』。その時はこのセミナーの前までにはロシアまでの全行程は終わっているという前提だったのだが、メンバーの日程が合わず、何とセミナーは『サンクトペテルブルクまで行っていない旅』になってしまった。何とも申し訳ないが、仕方がない。そのセミナーもなんとか終わった次の日の夜、私は蒲田へ行った。

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明日の朝7:05発北京行の便に乗ることになっていたのだが、私の最寄り駅から羽田空港まで始発で行っても6:03にしか着かない。勿論うまくすれば間に合うのだが、もし何か問題があれば飛行機は行ってしまうのである。これでは折角付いていく決意を固めたのに、S氏とNさんに迷惑を掛けてしまい、申し訳ない。前日最終便で羽田まで行き、空港内のベンチに寝るという選択肢もあると聞いたが、これからの厳しい旅を考えると、体力は温存したい。結局空港近くに前泊することにしたのだが、空港内には宿泊施設は少なく、蒲田駅前に宿をとった。

 

日曜日の夕方、JR蒲田駅へ行く。ホテルはネットで予約したが、ビルの5-6階にあり、部屋は予想以上に広く、そしてきれいだった。コンビニで食料などを買い込み、シャワーを浴びて、テレビを見た。世界卓球が行われており、男女ともに中国にまた勝てなかったが、確実に近づいていることを感じる。既にバドミントンなど他競技での優位性が無くなる中、なぜ卓球だけは持続的にこんなに強いのだろうか、中国は。

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3月7日(月)

空港へ

朝は4時過ぎに起きた。外では雨の音が聞こえた。羽田空港までは、当初京急蒲田駅まで歩き、そこから空港線に乗ろうと思っていたが、何とJR駅前から直通バスが出ていることを知った、始発は5:10で30分以内には着くというので、これを利用しとした。ところが5時前にバス停に行くとすでに多くに人が雨の中傘を差して、バスを待っているではないか。これは乗れないかも、と不安になるが、並ぶしかないので、荷物が濡れる中、じっと耐えた。

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出発時間直前にバスが来た。280円。外国人の利用もあり、なかなか列が進まない。何とか乗ることができたが、本当に超満員で出発した。雨はますます強くなっている。子連れで立っている人は大変だった。ベビーカーで乗り込むなど不可能だ。このような交通機関、何とかしないとこれ以上外国人を受け入れるのは難しいだろう、と感じる。勿論運転手は外国語ができるとは思われず、質問にも四苦八苦。バスは一般道を通る。車など走っていないので、スイスイと行き、20分後には空港に着いた。国際線で降りる人は実はあまりいなかった。一体どこへくのだろうか、みんな。

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