スリランカ紅茶の買付茶旅2016(1)コロンボ空港で7時間待つ

《スリランカ茶旅2016》  2016年2月7日-2月14日

スリランカには過去2回ほど行き、高僧スマの案内もあり、茶畑も見学していた。そしてスリランカ社会に潜む様々な問題点を見ることも出来、とても有意義だった。だが茶旅的には何か物足りない。そんな時、紅茶が専門のKさんから『青山にスリランカ紅茶専門店がある』と聞き、一緒に行ってみることにした。外苑前で降りて、陸橋を渡っていた時、何となく見覚えのある建物があった。そこはなんと私が40年以上前に1年半ほど通った小学校だった。普通は見えないのだが、オリンピック景気か何かで青山通り沿いのビルが取り壊され、その隙間から覗いていた。

その紅茶屋さんにとてもご縁を感じており、その後も色々とつながりがあったのだが、昨年後半にお店がお引越し。その新店舗は何と私の本籍地のすぐ近くだった。相変わらずご縁がある。そこへ行くとマスターのクマさんが『2月にスリランカに買い付けに行くよ。とても快適なロッジに泊まるから来たら』と言ってくれたので、その気になる。ただ買付は真剣勝負であり、出発日も1週間前にしか決まらない。果たしてスケジュールは合うのか。

今回ミャンマー、ラオスの茶旅で激闘を繰り返していたが、その途中でスリランカ入り日程が2月7日に決まった。ネットが繋がりにくい中、そして旧正月だったが、何とかバンコックからコロンボまでのフライトを確保した。そしてすでに書いてきたとおり、這ってバンコックに戻り、体調が悪化、絶不調の中、その日を迎えることになった。

2月7日(日)1.コロンボ  コロンボ空港で7時間待ち

バンコック発朝9時のランカエアーに乗るため、絶不調の中、何とか起き上がり、文字通り這って空港まで行く。日曜日だったので道路は空いており、すぐに到着したが、チェックインカウンターは予想以上に混雑していた。旧正月ということか、コロンボに行く人は予想以上に多い。カウンターで『あのー、もし夜の便に振り替えて頂ければ』と言われたが、私は空港で待ち合わせがあり、夜の便では間に合わないので即座に断ったのだが、もし受け入れていれば、どんな特典があったのだろうか?そんなことを聞く余裕もなく、イミグレへ進む。ここも大混雑。

空港では春節飾りがまぶしかったが、私はポカリスエットを探し回っていた。ドムアンには売っているのだが、ここにはなかった。調子が悪い時にはポカリが一番だったが、それがないとなるとかなりガッカリ。飛行機に乗っても、ひたすら熱い紅茶を飲むだけで機内食もすべて断った。気を紛らわすために映画を見たが、日本の映画はなぜか『猫侍』という時代劇だけ。仕方なくそれを見てみたが、昨今の猫ブームに便乗した映画にしか見えず、何のためにこんなものを作ったのか、皆目見当もつかない。ただ猫侍が南の島へ行くというのが、このフライトにマッチしていた。

午前11時半の定刻にはコロンボに到着。ネットでビザ申請しており、実にスムーズに入国で来た。それにしても時間があり過ぎる。東京から来るクマさんの到着時間は午後6時、それまで一体どうすればよいのだろうか。まずは両替所で米ドルをスリランカルピーに替える。何となく米ドルの価値が上がっているように思われた。私以外の欧米人は、殆どが両替所を素通りして、ATMの前に長い列ができる。今や現金を持ち歩かずに、キャッシングなどで現地通貨を調達するのがごく一般的になっている。日本の空港もそうなのだろうか?

次に向かうのは携帯のシムカード。以前スリランカではシムを買うのも大変だったのだが、ブースをちょっと覗き込むと、何と電話だけでなくインターネットも出来ると書いてある。しかも中国語表示もある。出迎えのガイドに連れられて、欧米人も中国人も、中には日本人女性も、皆がシムを買い、スマホに入れて、街へ出ていく。少なくともこの2年でスリランカはこの分野では、確実にそして、急激に変化していた。私も1600rpを出して、1枚買ってみた。本当に繋がるのか不安だったが、見事に繋がった。これでWi-Fiも不要。これからの時間つぶしに有効だった。だが、この空港には電源がない。

一旦外へ出てしまうと、再度入れるのかどうかさえも、分っていなかったので、ここでクマさんの到着を待たなければならない。コロンボまで行って帰る時間は十分にあるのだが、何しろこの体調の上に、荷物も持っており、正直身動きが取れない状態だった。それに外は相当に暑そうだ。この小さな空港の到着ロビーはエアコンが効いており、椅子はふんだんにあるが、そこに座っていても仕方がない。トイレに行こうとして、中2階のようなスペースに、レストランがあるのに気が付いた。食べ物を食べられる状態ではないが、美味しい紅茶が飲めるかもしれない。確か出発ロビーでは、紅茶専門店が出店しており、100rpもするが、ウマい紅茶が飲めたのを思い出す。

そのレストランはかなり簡易だった。そして空港職員が立ち寄るような場所だった。当たり前だ、観光客はすぐに空港を離れるのだから、ここに来るのは職員かお客を待つガイドたち。そんなに立派な施設を作る必要がない。そして紅茶はあったが、残念ながらティバッグだった。1杯、25rp。決してうまいとは言えないが、何となく水分補給にはなる。カップは小さいので、すぐに無くなってしまい、カウンターでお湯を入れてくれるように頼むと、ちょっといやな顔をしたが、お湯は入れてくれる。基本的にインスタントコーヒーを作る機械からお湯を出す。

ちょうど昼時になり、職員がランチにここを使っている。弁当箱はなく、紙に包まれた弁当を広げるので見ていると、中は大量のご飯、そして鶏肉などのおかず。それを美味しそうに手で食べる。1時過ぎには席がないほど、皆が集まったが、外国人である私を排除はしない。私も紅茶が無くなったので、今度はインスタント紅茶である、ネスティを頼んでみる。ティバッグより高い40rp。当たり前だが異常に甘く、これはこれで腹にはよくなさそうだった。

午後3時頃まで、旅行記などを書いていたが、ふと気が付くと、周囲には誰もいなくなっていた。そして掃除のおばさんがこちらを睨んでいた。テーブルを動かして掃除を始める。私のところにも来て、『あっちに行け』という感じで、テーブルをどかしてしまった。確かにここは24時間営業のようだし、いつ掃除するんだろう、とは思っていたが、この時間はフライトなどがないのだろう。仕方なく、1階に行き、何をするでもなくブラブラしていた。

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