台湾南部ぶらり茶旅2015(4)嘉義 天目茶碗を売る店

11月11日(水)

両替

寒い夜を宿で過ごした。エアコンの掛け過ぎで頭が痛い。食欲もあまりなく、ボーっとリビングでネットを繋ぐ。今日は嘉義に行くことになっていた。嘉義までは電車で2時間、10時の電車に乗るとして、それまでにやるべきことは、両替だった。だが、銀行は9時までは開かない。

 

両替なら台湾銀行かと思い、散歩がてら捜しに出たが、なかなか見付からない。ようやく見つけたが、どこの街でも台湾銀行はやはり立派だ。でも開店はしていない。結局9時に宿近くの別の銀行で両替に臨んだが、そのレートはほぼ同じでも、手数料として50元引かれたので、昨日空港で替えたほうがましだったかもしれない。それより何より、沢山書類を書き、時間も相当にかかる。まあ、これは昔からで、日本の銀行は今でもそうかもしれない。

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急いで宿に引き返し、荷物を纏めてチェックアウト。本当にきれいな宿だったので、今度はちょっと高いが個室に泊り、もうちょっとゆったりと過ごしたい。高尾駅までは地下鉄に乗るより、歩いた方が早い、とのアドバイスを受け、荷物を引き摺り、歩いていく。本当に交通量も多くないし、人も少ない。

 

高雄駅は昔、私も使った旧駅舎が保存され、高速鉄道が伸びてくるのか、工事が行われていた。駅構内に入ると、すぐに嘉義行きの自強号の切符が買えた。高速鉄道は左営というところまでしか、繋がっていなので、高速鉄道に乗る人は最初から地下鉄なりで、左営駅へ向かってしまう。本当に地方ローカル駅になったなあ、高雄。ホームも昔のまま。私が31年前、ここへ来た時にも自強号に乗ったなあ、と懐かしく思い出す。10時ちょうどに出発したが、それほどの乗客もなく、往時とはかなり違うことは一目瞭然だが、返っていい雰囲気を出していてよい。

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途中岡山という駅がある。この地名だから、昔も目に着いたのだが、今回は何と、戦車や軍事関係のものが大量に貨車に載せられている横を通り、驚いた。どう見ても平和な台湾だが、やはり備えはちゃんとあるのだろう。選挙が近いので、大陸側の妨害工作などに備える目的かもしれない。

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 2.嘉義

天目茶碗

嘉義まで2時間かかると思っていたが、何と1時間15分で着いてしまった。直前の新営駅を通過した時、これから会うジャックにメッセージした。ジャックはAさんの紹介で、突然会うことになった人物。勿論初対面だし、何をしているかもわからない。まあお茶関係者ではあると思うのだが。

 

嘉義駅に着く。ここも5年ぶりぐらいだと思うが、特に変わった様子はなく、阿里山の玄関口、といった雰囲気を漂わせていた。阿里山鉄道は5年前止まっていたが、今は動いているのだろうか。以前は駅前からバスに乗り、関子嶺という名の温泉へ行ったものだ。ここは泥の温泉として有名で、入ると肌が滑々したのをよく覚えている。この宿の番頭さんに紹介されて初めてバスで阿里山に登ったのは、もう14年ぐらい前だろうか。何とも懐かしい!

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駅前でキョロキョロしていると、並んでいた迎えの車の1台から、手を振る男性がいた。彼は一目で私を日本人だと分かったようだ。ジャックの車に乗せられて、嘉義の街を走った。街の真ん中あたりに、昨年ヒットした映画、カノに因んだ像?が立っていた。嘉義農林の甲子園準優勝の話は、実は小学生低学年の時に借りてきた本により、知っていたのだが、まさかこんなにこの話が有名になるとは。これもまた、1つの旧懐日本ブームの表れだろうか。

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町が落ち着いてきた頃、店に到着した。やはりお茶屋さんだった。だが中に入ってビックリ。お茶屋というよりは、茶碗屋だった。それもあの天目茶碗。何処からこんなに集めてきたのかというほど、大小様々な沢山の茶碗が飾られており、何とも驚く。そして阿里山高山茶を小さな天目茶碗で飲む。こんな経験は初めてだ。更には特製のプーアール茶をこれに入れて飲むと味が違うよ、と言われ、飲んでみたが、何となく濃厚な感じがしたのは気のせいだろうか。

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ジャックは何と5年前まで台湾の大手銀行の行員だったという。私とほぼ同じ時期に、同じように退職して、好きなこの世界に入った。ただお茶屋さんは多過ぎて、茶葉売りに参入の余地はないと分かっていたので、敢えて茶碗を扱ったらしい。偶々嘉義には天目を作る工芸家がいたこともあった。

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店の後ろには、畳の部屋があり、更にゆったりと茶が飲めるスペースになっている。烏龍茶を椀型に固めたお茶を作っており、数年は寝かせるらしい。色々と面白いことをやっている。確かに人とは違うことをしないと、生き残るのは難しいのでは。昼の時間になり、奥さんがわざわざ、嘉義名物、鶏肉飯弁当を買ってきてくれた。目玉焼きが乗っており、いい感じの鶏肉と妙に合っていた。親子丼か。

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