ミャンマー紀行2004(6)ヤンゴン ボージョー市場のミシン

  1. ヤンゴン2

(1)ボージョーマーケット

ヤンゴンに戻ったのは3時過ぎ。予定を大分オーバーしてしまった。S氏は待ち草臥れ、SSと一緒に北野武の『坐頭市』をビデオで見ていたという。そう言えば事務所のテレビとビデオが新しい。SSの姐PPが里帰りした際、全て日本から持ち込んだ。しかし坐頭市を見てSSは分かるのだろうか?日本の印象はどうなるのだろうか?確か昔台湾人から『日本では旦那が出掛ける時、奥さんは両手をついて挨拶するのだろう?』と聞かれて絶句したのを覚えている。あれは時代劇の見過ぎだったのだ。

 

一休みしてヤンゴンの街へ。ボージョーマーケットにロンジーを買いに行く。昨年最後にTTMからロンジーを貰ったが、穿き方が分からない。今度は自分で買ってそこで教わろうという訳だ。TTM行きつけのロンジー屋で選んでもらい、隣のお兄さんに教えて貰うが、これがなかなか難しい。私が不器用なせいもあるが、何故かミャンマー人のように出来ず、最後は諦める。

ミャンマー 033m

 

因みにミャンマー人はロンジーの下にパンツを穿かない。涼しくてよいようだが、私の場合恥かしいことになりそうだ。このマーケット、昨年は月曜日に来た為休みの店も多く人も少なかったが、今日は日曜日。大勢の人が行き交う。西洋人の姿もあるが、ミャンマー人も多い。服の仕立屋はミシン一つで頑張っていた。そのミシンがシンガー、ブラザーなどの日本製。但しどう見ても30-40年は使っている年代物。コレクターがいれば泣いて喜びそう。

ミャンマー 034m

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(2)チン州のお茶

ミャンマーの西の端にチン州という所がある。そこから出てきた服屋さんがあった。TTMの仕事先だ。何でも和服の帯を作っているとか。かなり綺麗なデザインである。ミャンマーにも色々なところがある。見ていると日本人の一団が入ってくる。やはりこのデザインは日本人には魅力的。

 

お茶が出た。美味しい。チン州のお茶かと思ったが、カチン州の緑茶であった。カチンはミャンマーの一番北の州。雲南の影響でお茶が採れるのだろうか?一度訪れたいと思っているが、簡単に行ける場所ではない。『フーコン戦記』のフーコン谷地があるところでもある。日本兵が彷徨って、死に絶えた場所である。ところでチン州であるが、ここはインドと国境を接しており、イギリス統治時代にダージリンから紅茶のプランテーションが導入された。戦後作られなくなったが、最近ミャンマー政府が紅茶製造を再開したという。但し規模はまだまだ小さい。

 

外国人が旅行するには未だ制限がある。何故ならごく一部の学生が反政府行動を行っているからだという。そういえばヤンゴンでは最近各大学を郊外にバラバラに移転しているとTTMから聞いた。お陰でSSは友達に会えないと嘆く。政府が大学生の反政府活動を恐れているからだろうか?

 

こんな話をしてくれるのはこの店の主人。しかも全て英語である。どうやら教会の関係者らしい。更に外国人が出版したチン州の写真集を見せてくれる。風景もあるがそこにはチン州の人々が写っている。小さい時に頭に刺青。刺青を彫る際にはその穴は頭蓋骨まで達している。スペイン辺りの女性のように子供の時に耳に穴を開け、大きなピアスをしている女性もいる。

 

マーケットを後にして直ぐにシティーマートに行く。さっきのカチンの緑茶を買うのが我々の目的。TTMと私のコンビは行動が早い。したいと思うと直ぐに行動に移す。心地よい。1,000kで1箱購入。ついでに物価チェックをするが、昨年と殆ど変わっていない。コーラなどは寧ろさがっているようだ。(その後の政府発表では物価は上がっているようだが)

 

(3)夕食

夕食はオーバーシーズレストランでフィッシュヘッドカレーを。昨年ここで美味しいカレーを食べた。その後香港でも探したが、美味しいものは無かったので、楽しみにしていた。どんどん中国人が増えていること、中国系ミャンマー人もそれに合わせて潤っているのか、店は繁盛していた。

 

客で携帯電話を持っている者が目立つ。家族連れの身なりが良くなっている。しかしそれに応じてサービスが悪くなっているようだ。量が少なくなっている。そして何よりカレー自身が骨ばかり。実が無くなっていた。残念。この店を見ていると今後のヤンゴンの変わって行く様子に悪い予感がしてしまう。

 

夕食後カラオケに行く。ヤンゴンでカラオケ??場所はホテル??名前はケイパラダイス??何だか不思議な感じ。そこはミンガラガーデンに近いホテルである。元はホテルの部屋であったが、客が入らず、部屋をカラオケルームに改造した。と言っても部屋はそのまま。カラオケの設備を入れただけ。更にミャンマー語以外の歌を歌う場合はエンジニアが登場し、アレンジ。何と英語、日本語、韓国語と揃っている。

 

SSは昼間我々を待っている間も練習していたらしい。早速1曲。何と歌は桑田圭祐の『ツナミ』である。そして『Say Yes』。ミャンマーでドラマが流行し、武田鉄矢は相当有名らしい。SSは日本語も上達したが、日本の歌も上手く歌える。それから『なごり雪』。そして『妹よ』。ミャンマーで流行った日本映画に挿入されていたとかで、ミャンマー人も良く知っている。ヤンゴンで聞く『妹よ』、何となく感慨深い。やはり感覚的にはミャンマーはこの時代に近い。私もTTMと『分かれても好きな人』をデゥエット、何だか変な気分。皆で思いっきり歌い、お茶やジュースを飲んで、2時間で13,000kとか。未だ2日目であるが相変わらず中身の濃い旅を続けている。

 

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