茶筅の街から宇治まで茶旅2015(6)京都 新宿まで2000円の夜行バス

駐車場を借りた関係で、仕方なく、もう一つの上林の店に入り、お茶を飲むことになった。店は1階が茶葉販売、2階と言っても狭いスペースだが、喫茶コーナーになっていた。今日は既に京都駅で1回、堀井さんで1回、お茶を飲み、お菓子を頂いた。半日で3回も本格的に日本の茶を飲むのは初めてかもしれない。かりがね、抹茶と続いたので、今度は煎茶にしてみた。疲れた体にはさっぱりして、美味しい。お菓子はどこも本当に甘さ控えめで上品な味だ。

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1階奥のトイレに行くと、その横にはとても小さいが、きれいに形作られ、彩られた庭が備わっていた。このような空間がある所が老舗らしいということか。見ていると何ともホッとする。そして日本人でよかったな、と思ったりもする。何なんだろうか、この感覚は。一番高いお茶は100g、5000円位。日本茶としては相当に高いのだろうが、中国茶・台湾茶から見えれば決して高くはない。この高いお茶を買うお客さんは果たしてどれくらいいるのだろうか。

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上林を出て、車を駅前の駐車場に入れ直し、フラフラと歩いてみる。古い蔵などが残っており、やはり雰囲気は悪くない。Iさんが早めの夕飯を取ろうというので探したが、適当なところがなく、意外と困る。観光客は日帰りで、京都などへ行ってしまうからだろうか。ローカル商店も店仕舞いしている。宇治は早めに暮れて行く。仕方なく、ローカル食堂を見つけてうどん定食を食べる。何十年もの間、変わっていないのだろうな、という店の雰囲気と味。ちょっと寂しい気分になる。

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4.京都2

雨の中で2000円の夜行バスに乗る

Iさんとは駅前で別れ、一人京都に戻る。駅前の宿に預けた荷物を取りに行ったが、今日も殆どお客は居なかった。立地はいいのに、何故だろうか。次回は別の宿に泊まり、その違いを見極めてみたいと思う。宿を出て、数歩歩きだすと、何と雨が降りだした。これから2時間ぐらいは散歩しながら、夜行バスの乗り場へ行こうと思っていたが、全く当てが外れた。

 

宿のすぐ近くにコーヒー200円のカフェがあった。ホテルに併設されており、きれい。この値段ならいいなと思うのだが、お客は思ったほどは多くない。電源も備えられており、Wi-Fiも飛んでいて、PCを使う環境はできている。受験勉強をする高校生、営業のサラリーマン、会社帰りのOLが軽食を食べる、などが利用している。2時間ほど雨宿りして、旅行記を書いていく。

 

少し早かったが、バスの乗り場が分かり難いので、出掛ける。京都駅から地下鉄で2駅だったので、本来ならば歩いて行けるはずではあるが、雨のせいで地下鉄に乗ることになった。2駅、当たり前だが、すぐに着いてしまう。駅には『Kyoto Wi-Fi』の表示があり、24時間、無料でWi-Fiが自由に使えた。これは実に素晴らしい、さすが国際観光都市、京都だな。

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地下鉄の駅を出ると、そこは田舎の交差点という感じで、高いビルなども全くなく、京都駅の近くとは思えない風景だった。所々にラーメン屋などが見えるが、基本的には住宅街である。指定されたバス停は、なんと大型の駐車場。勿論屋根などもなく、これから30分以上ここで待つのは大変だというので、慌てて駅の方へ引き返した。因みにバス乗り場には係員も乗客もおらず、場所を教えてくれたのは駐車場の誘導員だった。雨の中、大変な仕事だ。

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雨が降っていなければ、心地よい散歩ができそうだったが、そうはいかずに、コンビニに入り、飲み物を買い、トイレを借りる。バスに乗る前にはトイレに行くのは必須だが、乗り場付近にトイレなどの設備も全く見えられなかった。コンビニはトイレがお客の増加に繋がっているのだろうか。30分後にバス停に戻ってみると、既に乗客が数十人、列を作っていた。バスも次々に入ってきて乗車が始まった。雨に濡れながら、荷物を持って、自らのバスを待つのはちょっと辛い。

 

何とかバスに乗り込むと、4日前の大阪行きとはかなり違い、座席が2列2列のバスだった。これが格安夜行バスであり、前回のバスが料金の割に豪華だったことが分かる。座席は既に指定されており、座席のリクライニングも殆どできずに、隣との仕切りもなく、席はかなり狭い。但し料金は新宿まで、僅か2000円。この料金設定は破格だろう。どうやったらこんな価格が出てくるのだろう。しかもこれはキャンペーンではなく、閑散期の平日夜の一般料金なのである。もう新幹線になど乗れない。新幹線料金より1万円以上安いのだから。

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そして行きと同様、帰りも2時間に一度サービスエリアで停まり、休憩を繰り返す。トイレにきっちり行き、眠ることは殆どなかった。今回の方が、なぜか休憩時間が長かったような気がする。取り敢えず眠ることを考えなければ、このバスの旅、それほど大変ではない。鮎沢のサービスエリアで夜が明けた。富士山を拝むことも出来た。バスは定刻の6時半前に新宿駅西口に戻ってきた。所要時間8時間弱、多少の疲れはあったが、この料金を考えると、疲れが吹き飛んだ。私は家に帰って寝込んだが、若者達は、原宿だ、ディズニーランドだと、これから東京の街に繰り出して、一日中大いに遊ぶのだろう。元気なうちが華だ!

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今回の旅はタイ人と高野山へ行き、色々と得るものがあった上、その流れで茶筅の街、奈良高山町を訪れ、京都・宇治でもお茶三昧となった。まさにある意味での日本の茶旅の一つの形を作ったとも言えるのではないだろうか。今後も自らの茶旅を自ら楽しもうと、心に決めた。

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