《広東茶食旅(広州・潮州・深圳)2025》(1)懐かしの芳村茶市場へ

《広東茶食旅(広州・潮州・深圳)2025》  2025年3月14日‐22日

3月14日(金)広州茶市場で

三元里駅で降りる。地上へ上がると、ここがどこだかよく分からない。確か6年前もここに泊まったはずなのに、既視感が無い。百度地図で何とか宿へ辿り着く。フロントの男性が「あなたの部屋は窓が小さい。無料アップグレード券を使いましょう」と言って、とてもいい部屋に案内してくれた。広々として気持ちが良い。何とも有難い配慮。

取り敢えずランチを食べるために外へ出た。さっきの駅とは反対方向に足が向く。何となく既視感がある道。その先の道の向こう側には明らかに見覚えのある門。そうだ、6年前もここを潜ってご飯を食べたのだ。そこへ行くと、検問があり電動バイクのチェックが厳しい。爆発があったのだろうか。

この道に食堂は沢山あった。何を食べようか迷っていると、何と6年前に食べた店が現れる。やはり人間は同じような店に入ってしまうものだ。そこで潮汕雑錦粥を食べてみる。これは美味い。確か香港の長洲島で食べた粥に近い。それからその辺の横道を入っていくと、徐々に薄暗くなり、まるで迷路に迷い込んだようになる。これはハノイでも体験した道だった。この類似性はなんだ。

ようやく路地を抜けだし、入ってきた門を出る。そのまま宿と反対方向に歩いて行くと、新しい駅が出来ていた。地下鉄11号線、これに乗れば芳村茶市場まで数駅で到着するという。世の中便利になったものだ。従来の芳村駅ではなく、一つ前の石囲塘駅で降りれば、メインの茶市場はすぐだ。因みに11号線は広州駅と広州東駅も路線に組み込まれているが、現時点では通過している。これが繋がれば非常に便利な線になるのだろう。

石囲塘駅から地上に上がれば、懐かしい茶市場が目に入る。ただ今日予約している張さんの店はここから少し離れた別の茶城に居るという。歩いて約10分、横断歩道を渡るとその茶城が見えてきた。指定されたところへ行ってみたが、何とその店ではなかった。保安のおじさんが、連れて行ってくれたのは3階。確かに6年前に来たことがあるように思えたが、何とそこにも人はいなかった。

何しろほぼお客が歩いていない茶城。保安のおじさんも暇なのか親切で又近寄ってきた。もう一度電話してみると、ようやく繋がり、張さんの居場所が分かった。ちょうど3階から2階に引っ越したところで混乱したようだ。まあ何とか6年ぶりの再会を果たす。6年前は広州、そして潮州へ連れて行ってくれ、茶産地及び潮州料理食い倒れツアーを主催してくれた人物だ。

この6年の間にはコロナ禍もあり、その環境は激変した。ちょうどお茶屋を始めたばかりでコロナに当たり、張さんは茶の歴史や文化にも興味があったのだが、それを深めていく余裕はなかったらしい。広州のインフラはかなりの改善を見せていたが、人々の生活は改善されているとは限らない。最近調べているプーアル茶の歴史など、実は6年前既に張さんとは随分深く話していたことを忘れていた。今日はこの辺のネタでお茶を飲みながらずっと話し続ける。

夜は張さんが潮州料理屋に連れて行ってくれた。少し雨が降っており、車が来るのに時間がかかる。街のど真ん中、川沿いのショッピングモールまで行く。そこにあるレストラン、オープンスペースに食材が並んでおり、如何にも潮州料理屋だ。張さんはサクサクオーダーしていく。彼女は特級調理師の娘であり、食にはことのほか詳しい。

野菜を煮込んだ上湯スープの野菜が実に柔らかい。滷味はほぼ完ぺきな出来。魚もちょうどよい蛋白さ。身がサラサラ口に入っていく。ニラの入った饅頭が美味い。気が付くとどんどん食べてしまい、腹が一杯になるが、それでも最後の麵までしっかりと食べてしまう。途中からは会話も忘れて、食べる食べる。帰りは張さんに送ってもらったが、金曜日の夜でなかなか車が来なかった。広州は何となく元気だ。

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