極寒北京旅2023(1)緊張の北京入国

《北京2023》  2023年11月25₋28日

チェンマイからどのルートで帰ろうかと検討した。バンコク経由を避けると、北京経由が浮上した。しかも中国に行くにはビザ取得が必要になった中、何故かトランジット入国という制度があることを知り、試してみることにした。しかし30度を越えるチェンマイから零下の北京へ(日本を出る時は想定していなかったので冬服は持っていなかった)。果たして入国できるのか、そして寒さに耐えられるのか。

11月25日(土)緊張の北京入国

ちょうど北京時間午前零時、エアチャイナはチェンマイ空港を飛び立った。お客はたぶん半分もいなかった。やはり中国人観光客が戻っていない、は本当だったということか。離陸前、CAがあたふたとやってきた。何と私の通路の反対側の席で雨漏りが発生した模様だ。どうやら乗客が荷物に液体を入れており、それが漏れたらしい。

私はもう眠くて仕方がない。飛び上がるとそのまま寝てしまった。2時間ぐらい経ってトイレに起きると、既に食事は配られ、皆食べ終わっていた。フライト時間はわずか4時間ちょっと、1時間前になると機内が明るくなる、するとCAが飛んできて『あなた、ご飯食べなかったでしょう?今食べる?』と聞いてくる。

それを断ったが、2分後にはもう一人がまたやってきて食事を勧める。更には男性がやってきて『大丈夫ですか?北京は零下8度ですよ』と声を掛けてきた。こういうおせっかいはある意味ではうっとうしいのだが、決して嫌いではない。某国航空会社のルール重視のサービスよりは余程好感が持てる。

午前4時に北京空港に到着した。チェンマイの夜との気温差は約35度。空港内はしんと静まり返えっていたが、寒さはあまり感じない(ウルトラライトダウンの下にヒートテックなどを重ね着している)。とにかくトランジット入国の許可をもらわなければならないが、その表示があるものの、場所が分からず、入国審査場まで行ってしまう。実のその前を右に行ったところにちゃんとしたカウンターがあったのだが、気が付かない。

カウンターにはヨーロッパ系の観光客が数人並んでいた。既にこの入国方法は144時間ルールとして、知られているようだ。一人一人意外と時間が掛かる。よく見ると私の前には日本人もいたが、何と宿泊先を答えられずに、バッグの中を懸命に探している。私の番が近づき、緊張が高まる。

20分ぐらいで私の番が来た。東京行きのチケットとパスポートを渡すと、『北京の滞在先は』と聞かれ、スマホアプリで予約画面を提示したが、予約だけで支払いがまだだった。『なぜ支払わないのか』と聞かれたので喉元まで『入国できるか分からないから』と出かったが飲み込み、支払いを行う。ところが支払いが出来ない。これには焦ったが、その後何とか出来て、無事に臨時入境証シールが貼られた。

そこから入国審査に進み、午前6時前には無事北京の地を踏んだ。まずは預け荷物を回収したが、完全に1つだけポツンと放置されていた。外へ出たが、荷物も大きく、電車に乗る勇気もない。飲み物が欲しくてローソンを見付けて、ポカリスエットを買って飲んだ。ようやくホッとした。

周囲を見渡すと以前は沢山あった銀行の両替所が一つも見当たらない。インフォメーションで聞いてみると、何とこの入国フロアーには両替所は全くなく、1階上の出国フロアーに僅かにあるだけだという。これは中国国内では現金がほぼ使えない状態であり、中国人が海外へ行く場合の両替だけが必要だと暗に言われているようなものだった。

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