滇越鉄道で茶旅2023(1)夜行列車でラオカイへ

《滇越鉄道茶旅2023》  2023年3月1₋4日

ハノイ滞在から2日、今回のメインテーマである滇越鉄道に乗るため、ハノイ駅へ向かった。100年以上前フランスがレールを敷いたその意味はこの旅で分かるのだろうか。何となくワクワクする。

3月1日(水)夜行列車でラオカイへ

いよいよラオカイ行きの列車に乗る時間が来た。Nさんに迎えられ、隣のハノイ駅に入る。1階に改札があるように見えたが、そこは閉まっていた。中国のように15分前にならないと開かないのだろうと思い、駅舎内の見学を始める。多くの外国人がバックパックなどを担いで、エスカレーターで2階に上がっていくので、それについて行く。

するとそこからホームへ続く通路があり、階段を降りるといきなりホームまで来てしまった。そこには既に列車が停まっており、車内に人の気配さえある。自分の乗る車両まで来ると車掌がチケットを確認して、簡単に乗車できてしまった。まだ発車45分前である。車両内は全部コンパートメント、一等は2人部屋、我々普通は4人部屋だった。

その部屋は意外とおしゃれで、ランプなどもあり、寝るには十分だった。何しろこの旅は夜行(夜10時発、朝6時着)なので、車窓の景色もなく、途中下車することもない、何と寝るだけの旅なのだから、寝床は大事になる。Nさんが事前予約してくれたので、下の2つを抑え、ゆっくり寛げた。同室の白人とベトナム人は早々に上に上がり、思い思いに過ごしている。何だか中国の軟臥を思い出す。

けたたましい音が響き、アナウンスが繰り返される。この音が私の宿の部屋まで響いていたのだ。10時ちょうどに列車は動き出す。我々二人は歴史談義でかなり盛り上がり、12時前まで話し込む。トイレもきれいで、洗面台で顔だけ洗う。完璧な支度で寝に入る。夜は軽い揺れが続いたが、トイレに一度起きただけですぐに朝を迎えた。周囲は真っ暗で何も見えない。

3月2日(木)ラオカイの朝

午前6時、列車はラオカイ駅に入った。意外とよく眠れ、爽快感がある。気温は16度と少し涼しい。まだ陽は上っていない(というか、この日はずっと曇っていた)。ホーム脇の線路はかなり広めでゆったりとした駅であるが、駅舎は大きくはない。団体さんはガイドに伴われてバスに乗り、外国人などの個人客はサパ行バスの切符を買っている。

我々はNさんのアレンジで、運転手が迎えに来ており、取り敢えず車に乗り込み、朝飯を食いに行く。ちょっと郊外に出ると、道路脇に麺屋がある。バラック小屋のような店内には、いい感じの湯気が上がり、学校に行く前の小学生が親と一緒に麺を啜っている。ああ、こういう雰囲気の朝ごはんが食べたかったんだ。温かいブンボーに大満足。

それからラオカイに戻り、まずは中国国境を眺める。橋の向こうは河口(雲南省河口ヤオ族自治県)と書かれており、付近に建築中の高い建物が見える。さっき我々が乗ってきた鉄道は、100年以上前のフランス時代の産物で、橋を越え雲南側、昆明までに続いて行くようだが、戦後は分断され、現在中国側では貨物輸送しか行われていないと聞く。

国境付近にはかなり立派なお寺があったが、これは中国人観光客向けに造られたのだろうか?念のため国境の出入国管理ビルへ行き、『日本のパスポートで中国に入れるか』と聞いてみたが、『ビザを持っていなければダメ』と想定通りの答えだった。その付近のビザ代行業者に中国語で聞いてみても『ダメダメ』とはっきりした中国語で回答された。

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