ふらっと四国茶旅歴史旅2022(6)松山から伊予西条へ

ちょっと歩いて行くと、川辺に大きな木があった。説明書きを読むと何とあの赤穂浪士10名(大石主税、堀部安兵衛、大高源吾ら)が、仇討ち後松山藩預かりとなりそこで切腹した。松山藩主は彼らを丁重に扱ったことを謝して赤穂から贈られたものだという。こんな歴史も街に落ちているのか。

その先に石手寺がある。この寺は外から眺めるだけでその異様さ?が分かる。ビルマ関連のパゴダはあるは、日中友好も謳っており、とても変わった寺に見えるが、どういう理由だろうか。実はここから石鎚方面へ登れる?ルートがあるようで、その昔は修験者の通り道だったかもしれず、様々な思想が混ざり合っているのだろうか。

疲れたのでバスで大街道へ移動する。290円、30分。何となく定食屋に入り、何となくチキン南蛮を注文し、何となくテレビを見たら安倍晋三が襲われていた。元総理が撃たれたという衝撃にも拘らず、何となく緊迫感の薄い中継、そしてなんの防御もない護衛にただただ驚くのみ。これが日本の現状なのか。チキン南蛮の味は全く覚えていない。

何だか歩きたくなりふらふら。宿の近くの子規堂に辿り着く。入場料50円なのだが、なぜかグッズとのセット販売を勧められる。きっと運営は大変なのだろう。室内は極めてシンプル。子規だから派手な訳はない。周囲には石碑が多い。疲れたので部屋で休む。

夕飯を食べに検索した店まで30分歩いて行ったが、何と営業時間が6時までに変更になっており入れず。これはきっと何かの流れ、誘導かと思いGoogleを見ると、近所にロシア兵墓地があった。坂を上っていくとロシア大佐の胸像が目に入る。日露戦争時の松山捕虜収容所には4千人以上が収容され、98名が死亡したとある。この収容所の待遇が良かったと書かれているが、どうだろうか。横は松山大学のキャンパス、松山大といえば女子陸上長距離が強い。

疲れたので路面電車で宿へ戻るが、何だか反対周りに乗ってしまい、時間をロスする。おまけに大雨が降り出し、何とか洋食屋へ逃げ込んでハンバーグを食べた。接客に愛想なし。おまけに主人は常連さんに『安倍さん死んじゃったよ、可愛そうにな』と店に響き渡る声で話している。夜もハンバーグの味が分からなくなる。

7月9日(土)松山から西条へ

今朝もゆっくりしている。大谷を見て、それから朝ご飯を食べに行く。商店街の2階でモーニング。トースト、目玉焼き(醤油が掛かっている)、コーヒーで480円は悪くない。ただ喫煙可と書かれており、店内が狭いのでかなり恐れたが、幸いお客がなく、難を逃れた。11時にチェックアウトして、路面電車に乗り込み、JR松山駅へ。乗り間違えなければすぐに着いてしまう。時間が余ったので、駅で名物じゃこ天うどん、570円を食べてみた。味はうーん?

各停、2両編成に乗り込む。1両目後ろからのみ乗車可能。土曜日なので半日登校の高校生などが多い。電車は遅い。1駅行って6分待つ。特急がどんどん通過していく。ダラダラ乗車を続け、1時間45分も乗って、ようやく壬生川駅に到着。熊本から来ているAさんの出迎えを受ける。しかしなぜ壬生川を『みぶがわ』ではなく、『にゅうがわ』と読むのかふつふつと疑問がわいてくる。

車で10分ほど行くと、石鎚黒茶を作っているさつき会の作業場に着いた。Aさんもここでお手伝いをしている。朝摘んだ茶葉の枝切り、葉茹でなどが行われており、思ったより多くの人が作業に従事していた。20年前お母さん会が伝統の黒茶を復活させた。Tさんのお母さんが中心だった。私も7年前この地を訪れた際、この母子にお会いしていた。

最近は石鎚黒茶の認知度も高まり、東京など日本全国から応援の人が多数来てくれるという。だがこれだけでは食えない(作業場にトイレも作れない)といい、コインランドリー経営をしているようだ。そのランドリーに石鎚黒茶のレジェンド曽我部さんも時々来るという。 

Tさんから石鎚黒茶の話を色々と聞いた。愛媛大や日大など、黒茶について協力してくれる大学の先生は何人もいるが、その歴史については、最近出た調査報告書に書かれている以上は分からないだろうという。帰り際、曽我部さん(石鎚村で黒茶を作っていた最後の一人)と同じ村の出身の方からもお話を聞いた。碁石茶と昔の石鎚黒茶のお味はかなり近かったという。

Aさんの車で伊予西条駅まで送ってもらった。宿が駅前に集中している。その一軒に入ると、大浴場がありよかった。ただ部屋は何と喫煙ルーム。においがきつい。フロントの男性は色々と説明してくれたが、喫煙とは言っていなかった。西条市は水が美味しいらしく、西条の水が無料で飲めたのは良かったが、たばこのにおいは美味しい水を台無しにした。

腹が減ったので商店街へ行ったが、本当に寂しい雰囲気だった。その中にある古い食堂へ入ってかつ丼600円を注文する。目の前におでんが出ていたので、一本100円を二本取って食べる。昔ながらと言いながら、地元の人が懐かしむ場所なのだろうか。

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