ヤンゴン茶旅2020(1)アイちゃんと赤ちゃん

《ヤンゴン茶旅2020》  2020年1月16-23日

娘のように長年付き合っているスス(以下SS)が昨年11月に二人目を出産した。可愛らしい赤ちゃんの写真が沢山送られてくる。ニセ爺さんとしては、孫の顔を見に行かねばならない。併せて、一昨年10月に訪ねた張彩雲氏の息子や孫も再訪し、既にまとめて発表した文章を届けてお礼を言いたいと思っていた。

 

1月16日(木)
ヤンゴンへ

タイスマイルはLCCではないので、一応サンドイッチ程度の食事は出た。座席も頼んではいないが、非常口の広めの席が用意され、隣もいなかったので、かなり快適な旅だった。と言っても、1時間ちょっとで着いてしまうのだから、どうでも良いか。中国で、新型ウイルスが流行っているらしいが、中国人もチラホラ乗っている。

 

ヤンゴン空港はどんどんきれいになっていくようだ。入国審査もスムーズでよい。預けた荷物もサッと出てくる。初めてヤンゴンに来た2003年から見ると、まさに隔世の感がある。出口を出るとすぐにシムカードを買う。これも前回から簡単に買えるようになり、有り難い。前の中国人が『本当に使えるのか』などと聞いているのが微笑ましい。だが私の番になり、シムを入れ替えた後、なんとタイのシムカードを捨ててしまったらしい。この辺がミャンマーの未熟さだろうか。

 

今日はまっすぐSSの家に行くことになっていた。何しろスーツケース一杯にお土産が詰まっているのだ。しかも一番は粉ミルクだった。どうしても日本の粉ミルクがよい、というので、運んで来たのだが、これは意外と重い。それでも赤ちゃんの貴重な食糧だと思えば、軽く持っていける。

 

空港のタクシースタンドで行先を告げると1万チャットと言われたが、8000チャットでしょう、と切り返すと、それでよいという。乗り込むと若い運転手が片言の日本語を話し出す。どうやら技能実習かなにかで半年ほど広島に行っていたらしい。一生懸命に話す姿が何とも微笑ましい。30分ぐらいで到着したが、結局彼にチップとして2000チャット渡す。

 

SSと娘のアイちゃんは、昨年タイ国境のミャワディからヤンゴンに引っ越していた。アイちゃんの幼稚園の都合らしい。この家には初めて来た。おばさんが来ており、子供たちの面倒を見ている。SSが作ってくれた料理を久しぶりに食べたが、美味しい。アイちゃんは遠くの幼稚園に行っており、夕方しか帰って来ないという。それまでSSと近況を話し、赤ちゃんの顔を見て過ごす。

 

おばさんが車で迎えに行き、アイちゃんが帰って来たのは、本当に夕方だった。車の渋滞もあり、通園時間は片道1時間、大変だ。1年会っていないと、幼女が少女の顔に変っているのは面白い。そして非常に活発になっている。遊ぶところがなくて、元気を持て余しているのだろうか。

 

アイちゃんの顔を見たので、帰ることにして、車で送ってもらった。今回は初めて泊まるダウンタウンの古いホテルを予約した。数年前はどこでも高かったヤンゴンのホテルが、今や軒並み安くなっている。こういうホテルは部屋が比較的広く、設備は古いが一通り整っているところが今の私には有難い。

 

夕飯を探しに外へ出てみる。以前この付近には泊まったことがあるが、何を食べたかは覚えていない。唯一覚えていたのは、レートの良い両替屋だけだった。ちょっと覗いてみるとやはり近所より多少はレートがよいようだったので、100ドル札を出してみると、『この札は10%カットだ』と言われ、ミャンマーの洗礼を浴びる。勿論慣れているので違う札を出して100%両替をしたが、もうそろそろこういう習慣、止めてもらえないかな。

 

その近所にうまそうな麵屋があったので入ってみた。女性は英語ができるので『チキンヌードルスープ』と注文したところ、出てきた麺は大盛りの上に、店にある具材を全種類入れたかのような特盛状態だった。まあなんて盛りの良い店だろうと感心しながら、懸命に碗を平らげた。

 

勘定を聞くと、何と3000チャットだというから驚いてしまった。さすがに『こんなにたくさん頼んでない』と反論するとすぐに『じゃあ、2500チャットでいい』と値下げするから、これはボッタくりだと思い、さらに値下げを要求したところ、男性が出てきたが、英語はあまりうまくなく、何だかにらみ合いになってしまった。

 

こうしていても仕方がないので、2000チャットをテーブルに置いて出てきたが、特に相手は何も言わなかったから、それでも儲かったのだろうか。ただ翌日地元民に聞くと、『今は麺一杯1000チャットなんてない。2000チャットは十分あり得る金額』と言われ、ヤンゴンの物価が1年で相当に高くなったことを実感した。

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