スラバヤ・メダン 突撃インドネシアの旅2019(4)どこの国でもない一夜

8月28日(水)
どこの国でもない一夜

翌朝は早起きして6時にホテルをチェックアウト。頼んでいたタクシーに乗り込み空港に向かう。渋滞の激しいスラバヤ、飛行機に間に合うようにするには何時間前に出発すればよいのか分からず、4時間前にホテルを出た。案の定、途中でかなりの渋滞に巻き込まれたが、何とか1時間ちょっと空港まで辿り着いた。

 

今日は何とマレーシア航空でKLに飛び、そこからメダンを目指す。何故そんなことになったのか。それはそのルートが一番安かったからだ。インドネシア国内を旅するのに国際線に2回乗って行く。もうネタとしか思えないルートだがちょっと興味はあった。それにしても第2の都市から第4の都市に行く国内線直行便がないインドネシア。広すぎると言うべきか。

 

チェックインを済ませて、出国手続きに向かう。何と審査官は、あの3日前に長時間やり取りしてビザをくれた人だった。彼も私に気が付き、『なぜ3日で出国するんだ』と聞いてきたので、『安いから』と答えると、心底不思議そうな顔をしながら、出国スタンプを押してくれた。確かにこの行動、普通は理解できないだろうな。

 

そこまでは順調だったが、予定時間になっても搭乗のコールがない。どうやら飛行機の到着が遅れているらしいのだが、何のアナウンスもないので事態は掴めない。ようやく飛行機に乗ったのは予定時刻を1時間も過ぎていただろうか。そしてまた延々3時間もかけてKLを目指す。機内食を食べると眠りこける。

 

ふと気が付いてみると、すでにかなりの時間が経っており、よく考えてみると、KLでの乗り継ぎに間に合うのだろうか、心配になる。実は乗り継ぎ時間は1時間ちょっとしかないのだ。CAに聞いてみたが、空港でスタッフがアレンジしてくれる、としか言わない。どうみてもメダン行きの便に間に合いそうもない。それでも後続の便に乗ればよいと気楽に考えていた。

 

KLに着いた時にはすでに私が乗るべきメダン行きは出発してしまっていた。乗り継ぎカウンターに行くと、『明日の朝便に振替です』とあっさり言われ、唖然とする。『エアアジアなどの便があるだろう』と食い下がると、『他社便への振替はできません』と淡々と言われる。確かに空港も違うので面倒だが、ではどうするんだ。

 

係員は本当に淡々と、『あなたにはホテル1泊と食事3食が提供されます』という。そこで『私はマレーシアに入国したくないので、エアポートホテルに泊めてくれ』と言ってみるとすぐにアレンジしてくれたので、今晩は空港に泊まることになった。こんな経験できるものではないし、第一メダンの予定は何もないのだから気楽なものだ。因みに同じフライトで11名がここに泊め置かれたらしい。

 

そのエアポートホテルは空港の隅の方にあった。入ってみるときれいなところで、部屋は勿論個室、それなりに整っており、これまで私が泊まってきたホテルより良いのではと喜ぶ。Wi-Fiが若干弱かったが、マレーシアのシムカードも持っているので、問題は特に何もない。

 

設備の整ったマレーシアの空港でWi-Fiが弱かったのは、実は10日以上前に空港のシステムが全てダウンして、数日手作業で空港業務を回すという異常事態があった余波らしい。私がスラバヤに行く時も懸念されたが、既に治っていたので気にならなかったが、こんなところに影響があるとは。これはテロだったのだろうか。

 

ちょっと腹が減ったので、まずは1枚目のクーポンを使う。空港内のショップで20リンギ以内のご飯が選べる。麺からご飯まで様々な店があったのだが、貧乏性な私はぴったり20リンギの食べ物を探し、結果バーガーキングのセットになってしまった。まあ偶にはコーラにポテトも良いか。

 

それを食べていると、インド系の乗客が10人ほど入って来て、飲み物だけを頼み、自分たちが持ち込んだ食べ物を食べている。これ、良いのだろうか、と思ったが、食べられるものが限られているのなら、仕方がないということか。寛容な国マレーシア、店の採算はどうなるのか。しかし外食で苦労する人は多いのだろうな。

 

空港内を散策する。広いことは広いが特にすることもなく、夕日が落ちるのを眺めていた。私は今一体どこの国にいるのだろうか。インドネシアを出国したが、マレーシアには入国していないぞ。真空地帯に放り込まれているのか。推理小説に使えそうだな。夕飯はホテル内の食堂で食べる。ちょうどサッカー中継などがあり、それを見ながら黙々と済ませ、早めに就寝する。特に飛行機の音がうるさいなどはない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です