福建茶旅2019(1)旅遊特色小鎮とは?

《福建茶旅2019》  2019年4月5-14日

年に一度以上は必ず訪れている福建省。今回は3年ぶりの武夷山、初めての福安、そしていつもの福州、厦門に行って見る。武夷山の茶工場見学ツアー、福安、福州では近代中国茶業のルーツ、台湾茶業との関連にも迫っていく。

 

4月5日(金)
武夷山に着く

フライトは順調で武夷山空港に着いた。この空港を利用するのは2000年12月以来ではないだろうか。相変わらず小さな空港だが、さすがにきれいにはなっている。先日のハルピン同様国際線の入国審査ゲートは少なく、更に外国人用は少ない。並んでいたら今回も最後の一人になってしまった。私の預け荷物は同行者が確保してくれており、既にターンテーブルは止まっていた。

 

夜の8時、周辺は暗くてよく見えない。外は予想以上に涼しい。車に分乗して街中に向かう。少し行くと見慣れた市街地が登場する。そのままホテルに行くかと思いきや、突然裏道に入り、車は停まる。そこは街の食堂、飛行機内でちゃんと夕飯は出ていたが、やはり夜食は食べるらしい。人数が多いので店の外にテーブルを出して、スープや餃子を食べる。身体が温まってとても良い。

 

それからホテルに向かった。今回のホテルはまるで役所の建物のようにいかつい、立派なものだった。そしてまだ正式開業していない試運転段階の5つ星ホテルだそうだ。ロビーは豪華でだだっ広い。私の部屋はなぜか3階の1番端だったので、部屋まで行くのが大変だった。部屋もきれいで広かったが、そこはやはり中国スタンダードの5つ星。心地よさ、というポイントが少し不足しているようにも思うが、それは中国人客のニーズに合わせているのだろう。まあ取り敢えず疲れたので、置かれていたリンゴをかじると、すぐに眠りに就く。

 

4月6日(土)
街を作る

朝はしっかり早めに目覚める。窓の外は霧に覆われており、あまり爽やかではない。まあ、武夷山と言えば、19年前に初めて来た時も、朝は靄っていたように思う。ホテルの朝ご飯は5つ星ホテルらしく、とても豪華だった。試運転中なので、宿泊客は少なく、何だかもったいない。私はお粥や目玉焼きなど、いつものメニューにしたが、きれいな和食まで並んでいて、もっと食べればよかったと後悔する。

 

今日はまず今回の主要目的である、香江集団の茶工場見学に出掛ける。武夷山は狭いので車に乗ればすぐに着いてしまう。2006年にこの茶工場に出資した、とだけ聞いていたのだが、その規模は想像をはるかに超えるほど大きく、そして何よりもきれいだ。何と団体旅行客を受け入れ、入場料まで取っている。茶の歴史展示から、茶工場見学、製茶体験コーナーまで、既に観光茶園がきちんと作り上げられていた。

 

裏庭もまた大きく、池には舞台まであった。そしてもう一つの建物に入ると、そこには大きな急須のモニュメントがあり、若い男子によるお茶淹れパフォーマンス(茶芸)が見られ、完全に舞台化している。ちょっとお茶を紹介するといったレベルではなく、ショーを見ながらお茶を味わい、購入したいお茶を選んでいく感じだろうか。やはり茶旅にはお茶購入タイムが必要なのであり、それがビジネスなのだ。

 

我々は更にここのプランナーから話を聞いた。この茶工場はきっかけに過ぎず、これから8年かけて1万人が暮らす、茶を主題とした街、『香江茶工場旅遊特色小鎮』を作るというのだから驚いてしまった。総投資額は50億人民元。さすが香港の開発業者、考える規模が違うと思わざるを得ない。この茶工場に出資する時、既にこの構想をもっていたのだろうか。因みにここのブランド、『曦瓜』は、元々の国営茶廠民営化に伴い、香江集団も出資した後作られた。今では武夷山を代表するブランドとなっており、茶業者なら誰もが知っている。

 

お昼は少し離れた農家菜のレストランへ行く。ここも規模が大きく、池がデカい。武夷山は、いや今や中国の観光地は、どんどん巨大化しており、どこに行っても驚いてしまう。料理は武夷山の地元のものかと思っていたが、そうとも限らない。武夷山は福建省にあるが、料理は山向こうの江西の影響を強く受けており、かなり辛いというのだ。こういうところにも、労働力流入の影が見える。

 

香港から来たお客は辛い物は苦手、ということで、山菜やら、辛くない肉など食べられそうなものが出てくるという訳だ。今日のお客は我々以外に上海から来た3人が加わっており、既に大人数、アレンジする方も各地の味を考えてオーダーしなければならず、この時期は毎日お客があるようで、大変なことだ。

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