静岡から愛知へ2019(2)富士山茶園から袋井、名古屋へ

2月2日(土)
富士山茶園から袋井、名古屋へ

翌朝は早めに起きたが、既に包丁とまな板がぶつかる音が響いていた。農家の朝は早い。朝ご飯を頂いていると電話が鳴る。Nさんのお知り合いの茶農家から、『富士山がきれいだから茶畑見に来れば』とのお誘い。本日は午前中に金谷のミュージアムを見学してから袋井まで行くことになっていたが、富士山の誘惑には勝てずに、Nさんの車で出掛けて行く。

 

そこは金谷とは反対方向。車の中からも富士山が大きくなっていくのが分かる。まずはHさんの家に迎えに行き、一緒に茶畑に進む。もう沼津に近いこの辺り、平地にも茶畑が見られるが、我々は山道を登り始める。少し行くと山沿いにひっそりと茶畑が広がっている。まるで山茶を見に行った時に出会ったような光景だ。

 

更に登っていくと、新しく開墾された場所にまだ小さな茶樹が植えられていた。畝の幅がとても広く、普通の畑とはかなり違ってみえる。『皆が山を捨てて機械を入れやすい平地に移ったから、逆張りで山に植えている』のだという。新しい試み、実に新鮮だ。大きな木が邪魔しなければ富士山がよく見え、観光スポットとしても絶景になるだろう。

 

帰り路を行くと、今度は目の前に海が見える。その前には広々とした平地があり、製紙工場などの煙突が見える。写真撮影には絶好の場所だが、当然地元の人以外に知る者はない。更に下りると高速道路を渡るが、この辺は高速の上を渡る橋がとても多く、比較的簡単に平地に戻れる。

 

そのまま車は沼津インターを目指す。ここから高速に乗った方が金谷には近いという。そしてSAではHさんのお茶が売られていた。このSAは、ここから海が撮影できることから、立ち寄る客が非常に多く、売り上げもかなりあるという。またなぜか入り口には行列が出来ており、なぜかアニメキャラのイベントが大人気なのだという。

 

高速道路に乗ったが、静岡は広いことを改めて知る。途中まで行って、金谷に寄っていては、袋井の約束に全く間に合わないことが分かり、金谷のミュージアム行きを諦めることになった。松下先生のコレクション展示の見学は次の機会に譲ることとしよう。Nさんたちは静岡の東側の人。西側にある袋井へ道は分からないという。途中のSAで確認してようやく道を選び、遠州森町で高速を降りた。

 

そこから一般道を走り続け、11時半の約束に10分遅れで到着。ランチはお知り合いのIさん、Mさんとハンバーグを食べる。Hさんは金谷に行くために同乗してきたが、この混乱に巻き込まれ、一緒に食べる。同業者のMさんとは、やはり何となく面識があり、業界内話も始まる。

 

食後NさんはHさんを乗せて金谷に向かった。金谷へ行きたかった私が行けず、特に必要がなかったNさんが行くとは。何かのお告げかもしれない。我々はMさんの車で、セミナー会場へ移動する。袋井駅近くの立派な公民館だ。『茶学の会』のことは何度も聞いていたが、偶々今日開催だったので初めて参加する。

 

重鎮K先生をはじめ、参加者が続々集まってくる。旧知のY先生と隣になり、茶の歴史について雑談する。今日は埼玉の博物館の学芸員から『明治期のさいたま茶の輸出』について、話があった。この方は茶の専門ではなく、博物館の展示のために1年かけて準備した、その内容を報告している。

 

埼玉と言えば狭山茶だが、県内にはそれ以外にも茶産地があり、一時輸出されたというもので、地元の茶関係者などが紹介されている。出来れば、江戸時代の茶生産まで遡ってもらえると、私としてはもっと興味を惹かれたのだが。静岡の参加者は茶の歴史に詳しく、鋭い質問がどんどん飛んでくる。ずっと聞いていたかったが、夜の名古屋の予定に備えて、一足先に失礼した。

 

袋井駅まで歩いて行き、JR在来線に乗り込む。浜松で乗り換え、また豊橋でも速い電車に乗り換えた。途中で乗客がたくさん乗ってくる場面もあったが、席は確保できたので楽ちんだった。新幹線を使わなくても約2時間で名古屋駅に到着した。今晩は前回とは違う駅近くのホテルへ向かう。

 

その宿は、何と銭湯が部屋を提供するという面白い所だった。銭湯の入り口でチェックイン。そこから横のビルに繋がっていて、地下へ。どうやら前はバーだったと思われる場所に実に狭い部屋がいくつかあった。この部屋で6000円は、いくら銭湯入り放題といわれても正直高い。

 

夕飯は旧知のUさんと駅付近で洋食。Uさんとは香港、北京でご一緒、その後東京、名古屋でも会ってはいたが、今回は久しぶり。還暦を過ぎてもバリバリ働きながら、奥さんと欧米にも旅行するというからすごい。仕事の話から家族の話まで、古い付き合いの方とは幅広い話が出てよい。その後銭湯にゆっくり浸かり、早々に寝る。銭湯には若者がたくさん来ており、ちょっと驚く。

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