沖縄で突然茶旅2018(2)深まるさんぴん茶の謎

1月10日(水)
朝の散歩で

翌朝、気温を見ると14度だった。しかし気温以上に部屋は冷えていた。むしろ外へ出た方が良いかと思い、散歩に行く。宿から県庁へはすぐだった。折角なので、沖縄のお茶市場を見てみようと思ったのだ。取り敢えず県庁前のスーパーへ行ったが、まだ開いていなかった。そこで更に国際通りを歩いていく。

 

結局公設市場の辺りまで歩いてしまい、中へ入っていく。そこにはお土産用としてさんぴん茶が売られていたが、何とその価格は50g、98円だった。ティバッグとはいえ、こんなに安いお茶があるのか。裏を見ると中国産だと書かれているが、衝撃的だったのは、『茶(半発酵茶)花(ジャスミン)』とあるではないか。香片茶と言えば、緑茶ベースのはずだが、なぜ半発酵茶と書かれているのか。大いに疑問が残る。

 

ずっと奥の方まで歩いていくと、桜坂という辺りに古びた建物が見えた。比嘉茶舗、と書かれたお茶屋さん。ここなら伝統的なお茶が買えそうだったが、どうやら既に店を辞めているように見える。比較的近くに新しい比嘉製茶というお店があったので、そちらに移ったらしい。

 

実はネット検索やFBの友人情報では、沖縄のお茶が買える店として『茶仙』という名前が挙がっていた。折角なので、スマホマップで探してみたら、国際通りからちょっと入ったところにあった。ただここも店は閉まっており、営業しているのかどうかも分からない状態だった。まだ朝早い時間だったので、もう一度午後トライしてみようと思い、宿へ引き返す。

 

宿の横にはファミリーマートがあり便利だ。そこで取り敢えずポッカの元祖さんぴん茶という茶飲料を買ってみる。この寒い中、暖かい飲み物がよかったが、何となくさんぴん茶が頭から離れず、つい手を出してしまった。確かにこれはジャスミン茶であり、すっきり感もある。ただここに発酵茶が混ざっているのか、緑茶が混ざっているのかは判然としない。

 

琉球大学へ
11時前に大学の先輩、Nさんが迎えに来てくれた。Nさんとは5年前のヨーガ合宿で出会い、同窓という枠を超えて、同じ興味を持つ者として、教えを乞うている。今回も沖縄茶の歴史を調べたいというと、快く琉球大学に連れて行ってくれた。琉球大学は宿のある市内中心部から車で30分以上かかる場所にあり、車に乗せてもらえて大いに助かる。

 

琉球大学の敷地は広々としていたが、天気が悪く、寒々ともしていた。ちょうど昼時なので、まずは学食でご飯を食べる。学食、という響きが久しぶりでよい。私とTさんは西ヶ原の狭いキャンパスで同時期に学生生活を過ごしたが、面識はなかったはずだ。40年近い時を経て、一緒に学食でランチを食べるのは何とも愉快だ。Tさんは人気のある先生のようで、多くの学生から声がかかり、皆笑顔なのがよい。きっと型にはまらない授業をしているだろう。

 

そして調べ物をするため、図書館へ行き、Tさんの紹介で中へ入れてもらった。更には資料検索の仕方、本のある場所なども教えてもらい、大いに助かる。琉球・沖縄関連本は一か所にまとまっておかれているので、そこを見るだけでも実に様々な本があった。ただお茶に関して直接書かれている本は殆どなく、この分野への関心は高くないと分かる。事典類などからさんぴん茶を引いてみるも、載っていないものさえあり、ちょっと驚いた。

 

ようやく清明茶というお茶の存在、そして包種茶と台湾という文字がちらほら出てくるのには、相当の時間がかかった。むしろ琉球と清朝の朝貢貿易などの側面からお茶を見る方が主流なのだと分かる。また沖縄独特のブクブクー茶についての本も眺め、いよいよ興味が深くなる。

 

あっという間に4時間近くが経過した。図書館から出ると、霧雨が降り、風も冷たい。沖縄はこんなに寒かったかと、しみじみ思う。駐車場には元職場の後輩Hさんが待っていてくれた。わざわざここまで迎えに来てくれたのだ。何とも有り難い。数年前に会社を辞め沖縄に移住した彼とも3年ぶりの再会だった。

 

車でイオンライカムへ向かう。このモールはちょうど3年前、私が沖縄に来ていた時に米軍施設の跡地に出来て、周囲は大渋滞だったと聞いていたところだ。ただ今日は平日にこの寒空。さすがにお客は少ない。何となく開店当時のホーチミンやプノンペンのイオンを思い出す。ここで夕飯。何と沖縄に来たのにパスタを選択してしまう私。何故だろうか。時々食べたくなるのだ。

 

Hさんとは近況などを話す。私の方は相変わらずだが、彼の方は様々な活動をして、家も引っ越し、沖縄へ溶け込んでいるようだ。10数年前、沖縄移住ブームというのがあったが、結局は沖縄に馴染めず、半数以上の人が沖縄を去ったという話を聞いたことがある。やはり安易な移住は止めるべきだし、移住するなら現地に溶け込まなければダメだろうと強く感じる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です