杭州・安徽・北京茶旅2017(9)不便も相変わらずの北京

そこから東の大望路まで地下鉄で戻るが、約束の時間を過ぎており慌てる。こんな時こそ、シェアバイクが便利とスキャンしたが、なぜかちゃんと読み取れず、益々焦って次の自転車のコードもスキャンしてしまった。すると、Wi-Fi電波が弱かったのか、暗証番号が出ないので、仕方なく歩いて行く。途中で急に暗証番号が出てきて混乱が起き、結局この会社の自転車を使うことが出来なくなってしまった。

 

走って約束のリッツカールトンに行ったつもりが、隣のホテルにロビーに行ってしまい、いくら探しても待ち合わせ人Mさんはいない。ようやく間違いに気づき、大幅遅刻で会うことができた。彼女とはバンコックで会って以来だから久しぶりだ。ホテルで持ち寄ったお茶を飲みながら、色々な話をした。

 

彼女と別れ、シェアバイクのことに気を取られていると、カメラがないことに気が付き、急いでホテルに戻ったが、既に彼女はおらず、カメラもない。何とも困っていると、ロビーで遭遇し、無事カメラが戻って来た。彼女は微信で何度も電話をくれたが、私の方はオフラインとしていて、気づかなかった。最後まで迷惑をかけてしまった。そして自分が如何にITに弱いかを痛感した。

 

次の約束にも遅れてしまった。本当は大望路から国貿まで、シェアバイクがあれば一番活躍できたのだが、仕方なく地下鉄に乗る。夕方のラッシュ時の混雑は東京よりよほどすごい。僅か1駅でも苦しかった。そこから地上に上がり、指定されたレストランまでがまたやけに遠く感じられる。

 

今晩は、旧知のT氏、そして後輩のKさん、初対面のTさんと4人で会った。場所はオフィスビルの中にあるきれいなレストラン。だが福建料理だという。これは北京では珍しい。食通のKさんのオーダーで、何となく目新しい料理がいくつも運ばれてきた。福州や厦門には時々行くが、こんな料理だったかな、と思うものもあるし、懐かしいと思えるものもある。

 

実は今回の北京滞在は、T氏の家にご厄介になろうかと考えていたのだが、原稿の締め切りを勘違いしており、夜は部屋に籠って仕上げていた経緯がある。取り敢えずT氏とはここで会えてよかった。楽しい時間は過ぎていき、帰りも又シェアバイクに乗れずに歩いて宿へ戻る。自転車の便利性に完全に取りつかれてしまったようだ。

 

6月29日(木)
東京へ

今朝はかなりゆっくりと起き上がった。これまで早起きしたり、長時間移動したりで、かなり疲れていたようだ。自転車に久しぶりに乗ったことも影響したかもしれない。どうしてもしなければならない用事もなく、部屋で完全休養した。12時に宿をチェックアウトする。昨晩部屋で新しいシェアバイク会社の登録をした。青い会社だが、登録はスムーズだったが、北京を去るにあたり、保証金を返金しようとしたが、これは簡単には出来なかった。ちょっと不安が過る。

 

空港へ行く前に、昼ご飯を食べる。宿の向かいにある茶餐庁、ここも10年前からあるので何度か来たことがある。香港の茶餐庁はB級グルメだが、ここ北京では結構立派なレストランである。だが北京の人々の所得も上がり、今では普通のレストランという扱いだった。席は満席で、付近のOLや友人同士という感じの客が多かった。そこで鶏や鴨肉の定食を食べる。55元。やはりスマホで決済した。

 

宿に預けた荷物を取り出し、地下鉄駅に向かう。駅では相変わらず荷物検査が行われ、下りのエスカレーターもなく、大きな荷物を持つ者としては面倒この上ない。2号線に乗り、東直門駅まで行き、そこから空港線に乗り換える。これもまた結構な労力だ。おまけに空港線なのに荷物置き場もないままだ。北京オリンピックの時に急ごしらえで作って以来、特に改善もないのは、これだけ発展した街としては残念でならない。

 

空港に着くと、東京行きのフライトは1時間半も遅れていたが、折角メールアドレスを登録しても、Gmailが使えないから、見ることもできない。まあエアチャイナが送って来た変更のお知らせも、私は空港に着いた後だから、ほとんど意味はない。サービスと言う概念は相変わらずないのである。

 

結局夕日が沈むころ、2時間遅れで離陸した。だが羽田空港に何時に着くのか、アナウンスもなく、終電が少し気になる。最終的には午後11時過ぎに到着し、その後がスムーズで何とか電車には乗れた。今回の旅は高鉄やシェアバイク、スマホ決済など、中国の便利面も味わったが、相変わらずダメな部分も特に最後に味わった。

 

中国には時差がある、とは常に言うことだが、これは大都市と中小都市の間に差だけではなく、都市の中にもかなりの格差があることを意味している。これが中国を発展しているのか、相変わらずなのかを分かりにくくしているのだろう。中国に行くのが少しずつ億劫になっていく自分がいるのを今回発見して、驚いている。

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