世界お茶祭り2016(4)緑茶コンテストの授賞式

それからゆっくり1階を見て回る。お茶を販売するためのブースもあるが、その場でお金を取ってお茶を飲ませるところもある。何だかそれは新鮮。3階に上がると、下のブースが俯瞰できて面白い。そんなことをしていると、また終了時間が来てしまった。ちょうどエコ茶会のMさんと一緒になったので、静岡駅に向かった。

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驚いたことに、私とMさんは同じところに泊まっていた。夕飯はどうするのかと話していると、今朝のSさんの宴会が話題に上り、そこに合流することにした。実は我々、今晩は万が一台湾人か中国人が静岡にやってきた場合に備えていたのだが、どちらからも連絡がなかったのだ。

 

Sさんの宴会は10数人が参加して行われていた。後から割り込んだ我々、端の席でSさん、そしてTさんと話し込む。この会は皆さんお茶関係者だから、各場所で話が盛り上がっている。Tさんとは以前から顔馴染みだが、ゆっくりお話しするのは初めてで、楽しく時間が過ぎた。

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我々が待っていた台湾人、ジョニーは静岡にやってきたが、既に食事をしているということで放置。更には連絡がないと思っていた福州の魏さん、突然知り合いのS女史から電話をもらう。今浅草で魏さん夫妻を一緒だというのだ。それにしてもなぜ彼女が電話してきたのか。何と魏さんの携帯が壊れてしまい、連絡できなかったらしい。それでも繋がってしまうお茶の世界、凄い、というか、恐ろしい。Sさんたちは近くの別の宿に泊まっているようで、団体さんで帰っていく。

 

1030日(日)
魏さんと

翌朝はチェックアウトして荷物をフロントに預けて出掛けた。昨日のおにぎり屋さんも日曜日はお休みのようだ。もう慣れたルートでグランシップへ。駅で何と札幌の日げつさんと出会う。彼女の案内で1階のブースを回り、新たな出会いがある。札幌セミナーに呼んでくれたKさんとも再会。お茶祭りだ。

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魏さん夫妻が日本で有名なお茶博士、王さんの案内でやって来た。ジョニーもやって来た。この両者、初対面だが、私の親しいお知り合いだ。2人とも今回来日した理由は世界緑茶コンテストで最高金賞を受賞、その授賞式に出席するためだった。まずは受賞茶が展示されている会場へ向かい記念撮影。

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それから1階のブースを回り始めたが、皆それぞれに知り合いが多く、インド紅茶、台湾茶、日本茶、そして製茶機械から茶缶メーカーまで、あちこちで引っかかり、前に進まない。魏さんの熱心さが光る。お昼を落ち着いて食べるところもあまりない。館内のカフェで適当に済ませる。折角日本に来たのに、これでよいのかとも思ったが、魏さんの目的は何よりお茶。ご飯は二の次である。

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今日は天気も良いので富士山が見えるかもしれないと、館内最上階へ行ってみる。ここでは高校生が茶席を設けていた。大きな窓から外がよく見えたが、残念ながら富士山は隠れて見えなかった。魏さんの奥さんは、和服姿の日本人を見ると、『一緒に写真を撮って』といって、近づいていく。これもまた面白い光景だ。

 

それにしても魏さんは忙しい。隙があれば1つでも多くのものを見て、一人でも多くの人と出会おうとしている。この圧倒的な行動力についていく、彼の部下たちは大変だな、とつくづく思う。日本の和紅茶にもかなりの興味を示し、来年は茶産地を訪ねようと意気込んでいる。

 

午後3時から表彰式が始まった。受賞者は日本、中国、台湾、インドなど、各国から出ており、受賞茶もかなりの数に上っていた。その中で最高金賞10品のうち、魏さんとジョニーで4つを取っていた。各人が川勝静岡県知事から賞をもらい、記念撮影をしている。実はこの緑茶コンテストは世界お茶祭りとは関係ないのだが、その授賞式をお祭り内で行っているに過ぎないと聞いた。なんだか不思議な感じだが、まあお茶祭りの最後を飾るにはよい企画と言えよう。

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式が終わってもあちこちで記念撮影は続いている。お茶を販売する者にとって、このような受賞写真は重要だろう。またこの機会にネットワークを広げることも有意義に違いない。お茶の輪が広がっていくのは嬉しいことだ。蛍の光が流れ、お茶祭りは幕を閉じた。出口へ向かうとそこでも知り合いに会い、また立ち止まる。

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魏さんたちは新幹線で東京へ戻るというので、静岡駅まで送る。でも明日は京都へ行くというのだから、東京へ戻るのは反対だよ、と思ったが、仕方がない。私も今日は東京へ行くのだが、いつものように鈍行だ。静岡駅で切符を買っていると、MさんやSさんが通りかかる。『1時間だけ静岡の名物を食べて帰らない?』と誘われたが、すでにその気力はなく、ホテルに預けた荷物を取り出して、緩々と鈍行に乗った。よく考えてみればバスで行くこともできたのだが、何だか今回は頭が回らなかった。

 

世界お茶祭り、私にとっては魏さんたちが登場したし、セミナーも万里茶路で、世界を感じたのだが、正直言うと、全体的には日本お茶祭りか静岡お茶祭りに思えてしまった。どうしてこの名前が付いたのかはわからないが、恐らく中国の茶葉博覧会を常に見ている魏さんからすれば、寂しい会場に映ったことだろう。3年後、果たしてどうなるのだろうか、余計なお世話ではあるが、ちょっと心配になった。

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