福建・広東 大茶旅2016(4)安渓茶葉市場 茶都で

入口まで来たところで急に雨が止み、空が明るくなったのは日頃の行いのせいだろうか。しかし今さら引き返せない。ここから街まではバスが出ているというので、その到着を待つ。バスはミニバスで乗客は数人。その中に若い女子が4人いたが、何と彼らから日本語が飛び出してきて驚いた。福州師範大学の日本語学科の学生だという。ちょうど国慶節休みで、故郷に戻ってきたらしい。一緒についてきた友達を観光案内中とか。それにしてもまさかここで日本語とは、恐れ入る。

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彼女らは途中で降りて行き、我々は安渓のバスターミナルまで連れていかれた。見るとその近くには茶葉市場があるではないか。だがここは明日の朝、見に来ることになっているので、ちょっと覗いてすぐに歩き出す。すると向こうから葬式の行列がやってくるではないか。車が何台も連なり、広場で停車した。楽隊が列をなして音楽を奏でている。

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親族が亡骸の入った棺に向かって跪く。何とその横では数人の泣き女がマイクを通して泣いている。これは台湾では見たことがある光景だが、中国大陸では初めてだった。やがて棺は火葬場へ運ばれて行き、一連の儀式は終了。泣き女たちも三々五々帰って行った。中国でも昔の伝統的な葬儀が復活しているらしい。

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腹が減ってきたが、ちょうどよい食堂もなく、Tさんがもう一つの観光地へ行くというので、それに従う。バスで行けるということだったが、その番号のバスが来ても停まってくれない。適当だと思っていたが、ちゃんとバス停があるのかもしれない。よくわからないところへバイクのおじさんが声を掛けてきたので、何と2人で一台のバイクに乗り込む。かなり危険な感じ。

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10分ぐらい乗って行くと、そこから山道に入るらしい。ただバイクはそこまでしか行かないというので降りる。そして食堂に入りTさんの大好きな内臓系の炒め物を食べる。私も大好きなので、この点は大いに助かる。それから歩いて坂を上る。その途中で、板に文字を書いている人に出会った。彼は我々を招いてお茶を飲んでいけ、という。聞けば、ここの環境がよいので移り住んだ人だった。

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坂を登りきるとそこ廟がある。かなり立派だ。シンガポール華僑が資金を出して再建したらしい。その横を見ると、土砂崩れの跡があった。先日50年ぶりという大型台風が厦門を直撃したのだが、安渓でも被害がかなりあったということだ。更にその上に登っていくと、お目当ての大観園がある。ここには鉄観音など種類の茶樹が植わっていたが、特に見るべきものもなかった。

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この山の上から安渓の街を一望したいと思い、バイタクのおじさんと交渉して、バイクの後ろに乗る。だがやはり台風の影響か、道は途中で閉鎖されており、バイクでも通れなかった。まさにどうしようもなく、さりとてただ戻るのも何なので、街中まで乗せて行ってもらい、決めた料金の半額を払った。

 

バイクを降りたところは文廟だった。文廟自体も比較的新しいが、その背景になっているビル群を見ると、何とも現代中国を思わせる。その周囲は公園になっている。テーブルではトランプに興じている人々がおり、かなり熱が入っていた。これまた現代中国だ。バスを探してホテルへ帰る。

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Tさんと別れて行動する。私は古い携帯の電池を買いに行く。だがなかなか見つからない。今やスマホ全盛の時代に10年前のノキア携帯の電池など、この田舎町でも使う人はいないだろう。2-3店に入ったが、電池はあっても型が合わない。最終的に比較的大きな携帯ショップへ行くと、若い店員が『これならありますよ』といってどこかへ消えた。何と別の店から買ってきて、売ってくれたのだ。これぞ中国だ。ついでにシムカードにお金を追加した。これで任務完了だ。

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夕飯は麺がよいというので、サクッと麵を食べたのだが、やはりTさんには物足りなかったようで、昨晩行った王さんの親戚の食堂へ行き、チャーハンを頼んだ。これは私には多過ぎたのだが、胃袋は確実に大きくなっており、食べるのを止めることができなかった。腹が張った状態で眠る。

 

106日(金)
茶都で

翌朝は早く起きて、朝ご飯を食べ、王さんの到着を待つ。だが王さんはなかなかやって来ない。連絡してもらったところ、Tさんとの間に行き違いがあり、今朝は我々だけで行くことになる。さてどうしたものか。またバイタクのお世話になり、昨日も行った茶都市場へ向かう。

 

昨日は昼間だったが、朝は格段に動きが違った。茶葉がどんどん運び込まれてくる。そして市場内は凄い熱気であり、茶葉を入れた袋がそこかしこに置かれ、そこで激しい価格交渉が行われていた。茶農家の女性と仲買の茶商がつかみ合わんばかりに、格闘している。その横では袋に手を突っ込んだおじさんが、茶葉を掴んで走り出す。向かう先は評茶場。ここは1元払えば、湯がもらえ、そこに転がっている茶碗と茶杯で試しのみをする場だが、その光景は何とも壮観だった。

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カメラマンのTさんも躍動する。こういう迫力がある写真が撮りたかったという。といいながら、売り手の女性なども撮っている。しかし横で交渉価格を聞いてびっくり。何と1斤、500g20-25元だった。いくら卸市場とはいえ、農家直販とはいえ、これでは車代も出ないのではないかと心配してしまうが、若い子たちは売り終ると楽しそうにおしゃべりしたり、ご飯を食べたりで、全く意に介していなかった。

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1階と2階には茶商が店を構えている。そこに入ってみると、新疆や東北など中国全土から茶商が買い付けに来ている。ここに運ばれ茶葉は、真ん中の場に出ている茶葉よりは、かなり質が良い。更に質が良いものは、茶農家に直接買い付けに行くらしい。茶葉にも色々と階層がある。それにしても鉄観音茶の緑緑した様子には、正直残念な気持ちしかない。

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