香港歴史散歩2004(4)太子

【九龍ルート9】2004年2月22日
先週のモンコックに続き、次の駅太子で降りる。今回は時間が無かったので、訪ねる先が2つしかないルートを選ぶ。

(1) 花墟(フラワーマーケット)
太子駅を降り、太子道西を歩き出す。直ぐにモンコック警察署に行き当たる。この警察署かなり大きい。5分ほど歩いて左に折れるとそこは花市であった。花墟道にある店は約70軒、道の片側に店が並んでいる。はみ出して花が置かれている。実に様々な花がある。日本で言えば今は春。菖蒲がある。花の鉢も置かれている。値段は結構安いようだ。両手に余るバラの花束がHK$38.-?

 

 先週はバレンタインデーでここは賑わったことであろう。今日はカップルよりは若い女性、母親と娘といった感じの組み合わせが目立つ。香港人は意外と花好きである。西洋人の姿もそこここに見られる。大きな花束を抱えた男が居る。奥さんの誕生日であろうか?

花屋の道の反対側はモンコックスタジアム。歓声が聞こえる。入場料はHK$60.-。丁度今香港リーグが行われているようだ。香港リーグのレベルは如何であろうか?先日のワールドカップ予選ではマレーシアにアウエーで勝っていたから、最近はレベルも向上しているだろう。兎に角香港にしては大きな競技場である。

(2)雀鳥花園(バードガーデン)
フラワーマーケットを端まで行くと左側に入り口がある。日本語でバードガーデンと書かれた看板が見える。このバードガーデンはモンコックにあったバードストリートの取り壊しにあわせて1997年にここに移ってきたものであるから新しい。

バードストリートはモンコックの狭い路地、康楽街に鳥好きが鳥籠を持って集まった所。そこに小鳥屋が多く出来、完全に鳥一色になった場所である。10年前に行った時には、おじさん達が鳥籠を自慢げに持って、思い思いに話し込んでいた姿が目に浮かぶ。政府としても既に観光スポットに成ってしまったバードストリートを残す為に、現在の場所に新たにガーデンを作ったのも当然のことか。

中に入ると以前と同じ鳥好きが籠を木に掛けて、お互い話し合っている。ここは公園といった感じで、数十軒の小鳥屋が軒を並べている。但し以前と比べて格段にきれいである。鳥屋のオヤジたちも少し小ぎれいになっている。モンコックスタジアム横の細長い路地を使ったバードガーデン、中々面白い。

 

 

今回ここを訪れたのは、例の鳥インフルエンザの影響を見るため。やはり西洋人の姿は殆どない。彼らは細菌に極めて敏感。鳥と名が付く物には一切触れたくない人も居るだろう。香港人はあまり気にしていない様子。勿論鳥籠の鳥を見ていてインフルエンザに感染するとも思えないが。

鳥好きのおじさんにとって、インフルエンザは良いことだったかもしれない。本当の鳥好きがここに集まり、話を弾ませる。これぞ、老舎の小説『茶館』に描かれた茶を飲みながら鳥談義をする姿なのである。

それにしても鳥は良い声で鳴いている。この声は花墟に入った瞬間から気持ちよいほどに聞こえてくる。ここは誠に香港らしい場所であり、また香港らしからぬ場所なのである。

 

 

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