《台湾温泉巡り2002》(4)知本温泉

4.2002年8月26日(月) 知本温泉

(1)池上弁当
朝10時10分発のバスに乗り瑞穂駅へ(NT$19)。バスは1日に5-6本しかない。地元の高校生が乗っている。駅まで10分。そのまま10時44分の自強号で台東へ。この列車は昨日乗った列車。ここには丸一日居たことになる。

11時33分に池上という駅に着く。東京都大田区にもある地名であるが、近年台湾でも極めて有名。米所である。日本で言えば魚沼産コシヒカリとでも言おうか?
到着と同時に乗客が大勢降りて行く。何でこんなに降りるのかと外を見ると何と駅弁売りのところに人が群がっている。慌てて降りる。この駅では池上米を使った駅弁を名物としており、台湾人の間でも有名のようだ。駅弁は日本のものよりシンプルであるが、構成は同じ。鶏肉の腿焼、豚肉の煮付け、玉子焼き、野菜炒め、漬物。NT$60は安い。停車僅か1分で皆が降りる訳が分かる。

この池上米も戦前日本の技術で米作が導入され、戦後改良されたものと思われる。車窓を眺めると各水田が小さく、四角に切られている。民俗学者宮本常一の本にあるような日本古来の水田である。

(2)台東
12時17分に台東新駅に到着。旧台東駅は既に廃止され、ここ新駅に移されたが、駅前には何も無く、おまけに旧市街地まで行くバスもなかなか無い。極めて不便。学生の団体が乗り込むバスがあり、見ると旧市街地行き。15分、NT$19。

終点で降りるとそこは旧台東駅。こちらは既に列車の運行が無く、非常に寂しい。何で新駅など作ったのか相当に疑問がわく。また今日の目的地知本行きバス停も見つからない。ここは何と不親切なところだろうか?

漸くバス停を発見したが、まだ1時間もある。携帯の充電が出来ず困っていたので、バス停横の中古携帯屋に入り、充電を頼む。するとそこのオーナーである若者が『充電器を買えば良い。』と非常に親切に110Vの充電器を差し出す。流石柔軟性のある台湾のこと、簡単に香港製の携帯の充電器が見つかる。NT$250。ついでに充電してもらい涼しい店内で休む。店には若者を中心に次々と客が訪れる。故障した携帯等機用に直していく。小回りの利くこんな店が今日本に欲しい。

(3)知本
バスは30分ほどで知本に。NT$51。知本は早くから温泉で有名であり、大型の設備の整ったホテルも多い。実は朝ここの老舗ホテルに電話を入れて見たが、今は夏休み期間とのことで何とNT$9,900の部屋しか空いていないといわれ,ビビッていた。

知本も手前の外温泉と奥の内温泉に分かれており、私はバスの終点内温泉に行く。何処でも良いから泊りを確保しようと思い、バスを下車して直ぐに目に入った『龍泉山荘』に行ってみる。入り口を入るとおばあさんがテレビを見ていたが、行き成り『日本人か?』と日本語で聞いてきて、割引だといって1泊NT$800になる。面白そうなので泊まる。

知本にはそこそこ大きな知本渓という川が流れている。川の流れは緩やかで落ち着いており、近くには山が迫っており、緑豊かな場所である。龍泉山荘の5Fのベランダ(ここが入り口の階)から眺めると、山と川の調和が取れており、実に自然豊かで心洗われる思い。月曜日で客も少なく、静か。

このホテルはかなり古くて、お世辞にも豪華とはいえない。部屋は小さいが清潔。風呂は部屋にあるがこれも小さい。湯は弱アルカリ性炭酸で、何となくヌルヌルする。温泉にも入り疲れたのか、この日はあまり長く入っていない。

(4)森林遊楽区
ホテルの直ぐ近くに『森林遊楽区』があると聞き行ってみる。散歩する場所という程度の認識で入ってみる。NT$100。ところがここは本当の自然の中を遊歩道に沿って歩く所でかなりキツイ。迂回路を回り、出来るだけ疲労を避けようとしたが、頂上近くに行くころには足は棒のようになり、上がらなくなる。今日は幸い太陽が出ていないのでそれほど暑くないが、昨日だったら死んでいただろう。

ベンチで度々休んでいると鳥が鳴いたり、蝉が鳴いたり、自然の中にいることが実感できる。木々も種類が多く、覚え切れない。長くダラダラした下り坂もかなりシンドイ。最後には滝に出る。結構勢いのある、なかなか美しい滝で、かなりの時間ここで休む。出口は何と吊橋。高所恐怖症の私にはこの橋は無理であったので、横道から態々入り口に戻り漸く出る。全体で約2kmとあったが、私には10kmに感じられた。

(5)後輩
宿に戻るとおばあさんが『もう一人日本人の若者が泊まりに来た。一緒にご飯を食べたら。』と言う。こういう感覚が昔の台湾だ。非常に懐かしく、好意に甘え一緒に若者の部屋に行く。なかなか好青年に思えたので、夕食に誘う。食事は山蘇という野菜の炒め物、金針という豆の入ったスープ、渓流の小魚など土地のものを頼み、NT$700。久しぶりに種類のあるおかずだ。これもおばあさんのお陰。

話を聞いていると何と大学の後輩でフランス語科の4年生と分かる。何と寄寓なことか?フランス語科なのに、何故かタイなどのアジア諸国を回っているという。台湾も気に入っており、もう暫く放浪する予定。既に就職はサントリーに決まっており、気楽な旅だ。但しサントリーは現在中国に力を入れており、彼も中国の業務に着くことを想定して北京語などもかじっている様だ。最近の学生は何を考えているか分からないなどと言うが、私などより余程考えているのでは、と思ってしまう。

(6)温泉プール
食後戻るとおばあさんが隣の『SPA(温泉プール)』に行けと言う。2人で出掛けることにする。1人NT$200。私は噂には良く聞いていたが、温泉プールは初めて。水着とタオルを持って出発。更におばあさんより帽子を借りる。帽子が無いとプールに入れないようだ。

東台大飯店。行ってビックリ。25m以上の大きなプールがある。夜8時だというのに子供が大騒ぎしている。プール内にジェットバス、打たせ湯などがある。SPAとは、水治療のことで、肩凝り、腰痛他に効果があるものを言う。プールには監視員がいて、まるで普通のプールと同じ。帽子着用が義務付けられており、違反するとピーと笛を吹かれ、退水を命じられる。実にユニーク。更にプールサイドにはリゾートにあるような寝そべることの出来るシートがあり、本当にプールである。
その奥には、3種類の温泉があり、各数人が浸かれる。

プールの方を眺めていると向こうでもこちらを眺めている人がいる。こんな所に知り合いはいなが、と思ってみると何と昼間の携帯屋のオーナーと従業員だ。これまた奇遇。オーナーは業務終了後小さい子供を連れて車でやってきたようだ。
彼らにとってここはそれ程に身近なのである。生活を楽しめる空間が存在する。
2度と会うことは無いと思っていた人に再会するのは楽しいものだ。

宿に戻ったのは11時半。おばあさんは我々の帰りを入り口のソファーに寝て待っていてくれた。昔の自分の家を思い出す光景だ。大感激。実はこのおばあさん、既にこのホテルは子供の代になっており、隠居の身ながら、偶然にも家族5人がアメリカ旅行中で留守番をしていたことが判明。車椅子のおじいさんの世話をしながら、インドネシア人メードを使い、やっていたところに私が転がり込んだようだ。確かに商売っ気はあまりなかった。それが良かったのだが、次回はこうは行くまい。

翌朝バスで台東に戻るよう勧めるおばあさんに無理にタクシーを頼み、台東から2つ目の知本という駅まで行く。私は今回の旅でタクシーを使うのはお茶農家に行くときだけ、と決めていたが、昨日の様子を考えてみると流石に台東に戻ると無駄な時間が多過ぎることから特例として使った。NT$250、10分で到着。

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