フラフラと沖縄2015(11)宮古でネパール料理を

宮古でネパール料理

フェリーターミナルでバスを降りる。そこでNさんたちとお別れし、一人宮古島を歩きだす。と言っても街歩きは前回もしたので、今回はランチを食べるだけ。ターミナル周辺に食べるところはあまりないのを分かっていたので、歩き出したわけだ。空港行きのバスまでまだ1時間半以上ある。時間は十分だが、何しろ荷物が重い。コインロッカーにも入らないので、引き摺って歩く。といってもそう遠くへは行けない。

 

少し歩いてみると、ゲストハウスと書かれて看板がいくつか見えた。次回はここらに泊まってみるか。夜は飲み屋街かな、というところへ出た。昼間は完全に静まり返っている。伊良部島の呑兵衛たちも橋を渡ってこんなところに来るのだろうか。そんな事を思っていると、1軒だけ開いている店があった。ネパール料理と書かれている。普通はネパール人が経営していてもインド料理と書くのが一般的。敢えてネパールを出し、国旗まで飾っている。珍しい。沖縄上陸初日に行った安座間のインド料理屋でも2人のネパール人が働いていた。ネパールよりインド料理の方になじみがあるからだろう。

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数日前ネパールで大地震があり、多数の犠牲者が出ていた。そんなことが頭の隅をかすめ、そして何より腹が減っていたことから、店に入ってみた。12時前だったが店には殆どお客は居なかった。ネパール人の夫婦が幼子をあやしながら働いていた。日本人の店員が注文を取った。きっといつもと変わらない日常の風景なのだろう。地震のことなど全く出てこない。

 

ラッシーを頼み、フィッシュとチキンのカレー、ナンとご飯を半々に頼む。そんなランチが嬉しかった。夫婦に話し掛けようか、地震のことを話題にしようかと思ったその時、数人のサラリーマンが入ってきた。続いてOLも。そしてあっという間に席が埋まり、店が慌ただしくなった。カレーを食べたら日本人好みのまろやかさ、いつもお客の多い人気店なのかもしれない。

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ただ私は何となく勝手に思ってしまう。ネパール地震に対する義援金を声高に叫ぶ人々もいるし、大きな団体が沢山の寄付金を集めてもいる。勿論悪いことではないが、普通の人達は、もっと身近なネパールをこの店に感じているのではないか。誰一人地震の話などしない、店も義援金箱など置いていない、だけど、何となくネパールを、そして被災者を心配して来ているように思える。どこまで渡るか分からない募金箱より、この店で食事をして、そのお金のほんの一部が、店の主人によって祖国へもたらされる、そんなことがあればいいな、と真から思う。

 

食べ終わって、外へ出た。ついに一言もネパール人とは話さなかった。私はネパールの何を知っているのだろうか。いつもネパールに行きたいと思っているが、まだ一度も行ったことがない。黙々と道を歩いたが、心はどこかへ飛んでいる感じだった。ターミナルへ戻ってもまだ時間があり、ターミナル内の椅子に腰かける。向こうの方では何かの作業をしている人達が昼飯を食べていた。フェリーの数もドッと減り、実に寂しい場所になっていた。それでも設置されていたテレビからは笑い声が漏れていた。余計に寂しくなった。

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定刻にバスはやって来て、15分ほどで空港まで私を運んだ。15分のために1時間40分待ったことになるが、それは無駄な時間ではなかった。タクシーに乗れば直ぐだったが、お金ももったいないし、何と言ってもフライトの時間まで間があった。国内線だからそんなに早く行っても仕方がない。出発35分前に空港に着き、余裕でチェックインして、飛行機に乗り込んだ。

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8.那覇2

空港からバスで

那覇の空港に着くと、目の前にイオンモールのコマーシャルが飛び込んできた。とても沖縄とは思えない雰囲気の看板。僅か数日前にオープンし、人で溢れかえったと聞く。周囲に車の渋滞ができ、行きたくても行けないほどだ、とも聞いた。ホーチミンやプノンペンの最初と同じだな、とふと思う。これがずっと続くのかどうか。

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いつもはゆいレールで行くのだが、今回は時間もあったので、バスにチャレンジしてみる。県庁前へ行くバスは沢山あると思ったが、空港からは沖縄本島各都市に行くバスが多く走っていて、那覇へ行くバスはそれほど多くはない、様に見えた。確かにゆいレールもあるし、車の人もいるので、これで十分だろう。アジアならいつ来るか分からないバスだが、ここは日本。ちゃんと時刻表通りにやって来る。

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バスは前乗りで、後ろの出入り口は完全に封鎖されている。これは宮古島でも見られたのだが、本州などでは見たことがない。何故こうなっているのだろうか。無賃乗車防止なの?バスは空港から、何となくゆいレールの下を通る感じだったが、改修中の旭町バスターミナルを過ぎると、あっという間に県庁まで着いてしまった。これ、ゆいレールより便利かもしれない。

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小雨の中、コバルト荘に戻る。前回出てくる時に再度1泊の予約をお願いしたが、GWということで満員。だがリビングの奥にある狭い部屋なら空いているということでそこをお願いしていた。でもこの部屋、4畳半はあり、広さは十分。アパート式の部屋が立派過ぎるのに、料金が安いため、こちらが見劣りするだけだ。バス、トイレ共用だったが、部屋は3つしかなく、困ることはなかった。

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