真冬の韓国散歩2015(11)ソウル 焼サバと生ガキ

4.ソウル2

サッカー

そのまま部屋でテレビを見る。今日はアジアカップの第2戦、日本対イラクの試合がちょうどあった。大丈夫かよ、という試合内容だったが、それでも何とか勝てる所が今の日本代表の強さかもしれない。それにして相変わらず韓国は地上波で全ての試合を放送している。日本代表の試合を見る人が一体どれほどいるのか分からないが、ここには政治も島問題もない。

 

宿には相変わらず、お客がいない。オーナーも『今は休みの時期』と諦め顔だ。冬とは言え、数年前なら日本からの観光客が溢れた街、それが今では日本語から中国語への切り替えが行われ、見事なまでの対象を成してしまった。ただあまりに中国寄りにかじを切ってしまったため、中国の景気減速の余波も受けているようで、日本との関係改善の道を探る動きもある。この宿にお客が戻ることを願うのみだ。

 

韓国人と中国語で

今晩は前回紹介されてソウルであったSさんと再会する約束になっていた。ところが8時頃になっても何の連絡もない。確かに彼女の会社(IT関連業界)は7時過ぎまで業務があり、前回も8時集合ではあったが、どうなんだろうか。8時半を過ぎてようやく、今車で宿の方に向かっている、との連絡が入る。車で来るのか?結局9時前になり、宿の近くに来たというので、外へ出る。Sさんは何と、彼氏の車でやってきた。そう、彼女もお年頃の女性だから不思議はない。近くの鍋屋に入る。Sさんと私は中国語で話をするのだが、彼氏は中国語が出来ないので、彼女は全て通訳している。ソウルで日本人と韓国人が、中国語を介して会話する、何とも周囲には不思議な光景に映っただろう。

 

Sさんはソウル生まれの華人。親は山東省から移住してきている。学校は高校まで華人学校だからネイティブに中国語を話せる訳だ。しかも大学は台湾に留学しているから完璧。何の違和感もない中国人だ。だが彼氏といる彼女は当然だが、完璧な韓国人なのである。鍋は全て彼氏が作る。これが今の韓国若者流なのか、このカップルだけの特徴なのか、はたまたSさんが強いだけなのか、よくわからないが、面白い。昔の韓国人なら、日本以上の男尊女卑だったと思うのだが。夜10時になるとこの店もお客がいなくなり閉店。もっと聞きたいことは一杯あったのだが、二人は車に乗り、あっさりと帰ってしまう。次回はこの二人ともっとじっくり会おう。何かが見えてきそうな予感がした。

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帰りにセブンイレブンに寄る。今鍋を食べたばかりなのに、なぜかチョコが食べたくなる。韓国にはロッテがあるから、安心して買える。しかも見ると割引価格らしきものが提示されている。それでも日本より高い気もするのだが。レジに持っていくと、若者が店番をしていたが、彼は新米なのか、レジの操作で困っていた。そしてついに私に通常価格での支払いを提示してきた。私はすかさずそれを拒否して、割引表示を示すと、彼は困ったようにどこかに電話を掛け、時間を相当にかけて、何とか解決した。しかし謝るそぶりもない。言葉が通じたら、思いっきり文句を言うところだが、通じないのでそのまま帰る。これがおばちゃんだったら、どうしただろうか。韓国も日本同様サービス業の質低下があるように思われ、ちょっと残念に思う。

 

1月17日(土)

焼き魚と生ガキ

朝はゆっくりと起きる。今日はついにバンコックに帰る日。暖かい南国が恋しいようでもあり、食べ物の美味い韓国が名残惜しいようでもあり、ちょっと複雑な心境になる。過去韓国に来て、このような心境になったのは恐らくは初めてであり、自分でも驚く。しかしどうしても心残りがあった。それは焼サバ!

 

という訳で、出掛ける。まずは先日途中になってしまった仁寺洞の平安を訪ねる。だが、彼女はまだ来ていなかった。12時頃に来るだろうというので、急いで東大門へ向かい、先日見つけた焼き魚通りへ。途中東大門の市場ビルを通ったが、きれいなビル内で昔ながらの商売が行われているのを見る。また外ではいまだに担ぎ屋、が、荷を担いでいる姿を見て、ちょっと感動する。

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おばさんが外で魚を焼いている。すぐに店内に吸い込まれる。焼サバを注文。11時だというのに、お客がどんどん入ってきて、席が埋まる。日本人観光客もいる。焼きたてのサバとキムチ、そして味噌汁と大盛りのごはん、いい感じだ。ちょっと幸せな気分になり、黙々と食べる。周囲の客もさっさと食べ、さっさと出ていく。

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そして私もこの店を去り、仁寺洞へ戻る。平安は店に来ていた。お茶を飲みながら、話をしていると、突然『ご飯を食べよう』という。何と私のために、生ガキを用意してくれていた。自家製のキムチもある。雑穀のごはんもある。こんなご馳走があるのなら、焼サバ食べなければ、いやサバも食べたかった。今回はカキをほんの少し貰い、諦める。私が食べる分のカキは、キムチと混ぜられて、保存された。なるほど、カキキムチ、いいなこれ。次回韓国の茶旅はあるのだろうか。

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名残惜しいソウル、宿に戻り、荷物を持ち、電車に乗って仁川空港へ向かう。既に寒さにもなれ、地下鉄にも慣れたので、スムーズに行ける。さあ、飛行機に乗ろうと思ったら、1時間遅延した。まるで私の気持ちを代弁しているようだった。また来よう、韓国。

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