真冬の韓国散歩2015(9)古き良き慶州に泊まり、歩く

韓定食2人前

そのレストランは庭が広く、宿と同じような造りであり、100年以上は経っている建物を使っている。庭に入っていくと、おばさんがいたが、言葉が通じない。するともう一人のおばさんを呼ぶ。そのおばさん、なんと普通に中国語を話した。朝鮮族でもなさそうだが。最近は中国人がここまで個人旅行で来る時代らしい。

DSCN2472m

 

聞いてみると、韓定食は一人9000ウォンなのだが、二人前からしか頼めない。一人で来た者はブルコギ定食など、普通の定食を頼むのだそうだが、その料金は1.6万ウォンだったので、韓定食2人前と僅かしか違わない。なんと思い切って韓定食をオーダーした。まあランチも食べていないし、いいだろう。

 

それにしても趣のある建物だな、少し曲がっている所が特に良い。その建物に案内されると、テーブル、いや、ちゃぶ台が4つ置かれている。一番端に座る。まだ夕方5時過ぎだからお客などくるまい、と思っていると、あっという間に席は埋まってしまった。3組ともカップル、恐らくは日帰りでソウルかプサンへ帰る人なのだろう。

DSCN2545m

 

一人の私のテーブルの上が全て埋まってしまった。料理はこれでもかというほど運ばれてきた。キムチや海苔、キュウリのあえ物、チジミなどは馴染があるが、意外に美味かったのが、魚の煮つけ。味噌汁も味わいがある。昔仕事で何度か韓定食を食べる機会があったが、美味しいという記憶は一度もなかった。嗜好が変わったのだろうか、どんどん食べていく。ご飯も2つ来ていたが、なんと大半を平らげた。量的にこれほど満足したのは久しぶりではなかろうか。すでに日は落ちたが、まだ暗くなっていない庭を歩く。何ともいい雰囲気だった。

DSCN2543m

 

歩いて宿へ帰る。宿には共有スペースがあり、WiFiが使えるが、だれ一人いない。昼間は外人が一人いたが、彼もどこかへ向かって去っていった。今日は一人なのだろうか。私の部屋は4畳半ぐらいのオンドル部屋。但し後ろにシャワーとトイレが付いており、とても便利。前は伝統家屋、後ろは近代的。これで3.5万ウォンは値打ちあり、というところだろうか。

DSCN2549m

 

部屋でも何とかネットが拾えたので、寒い外へ出ることもなく、オンドルに暖められ、床に座り込む。何とも心地よい。ただお茶を飲むために共有スペースへ行かなければならない。ソウルほどではないが、慶州も夜は寒い。スペースには韓国人が数人おり、テイクアウトしてきた食べ物を食べていた。別にここは外国人向け宿ではないのだ。そんな当たり前のことに気が付く。

DSCN2551m

 

1月16日(金)

散策

翌朝は鳥の鳴き声で早く目覚めた。この宿は共有スペースに広いキッチンがあり、何と朝食は自分で作る。パンを焼き、卵を焼く。ジュースをコップに入れ、インスタントコーヒーの湯を沸かす。材料を置いているだけで、管理人は姿を見せない。実に自由な朝だった。あとから韓国人の女性が2人入ってきて、思い思いの朝食を作る。フルーツなど自分で持参したものを加える人もいる。

DSCN2557m

 

食事が終わるとこの宿の敷地散策。私が入ってきた小さな門は通用口で、大きな門は別にあったが、今は開けていない。更に奥には離れのような建物と庭があり、こちらも宿泊スペースになっている。何だか日本の昔の家を思い出すような造り。きりっとした爽やかな朝に見ると、気持ちが良い。因みに部屋によってはトイレ、シャワー共用もあり、冬は外へ出ていく必要がある。

DSCN2563m

DSCN2559m

 

そして外へ出る。今日の午後にはソウルへ戻らなければならない。もっとゆっくり慶州滞在を考えればよかった、との思いがあるが、それもご縁。また次回ということで、午前中は歩ける範囲を行ってみる。宿の目の前には大陵苑という古墳23基が点在する公園がある。しかしここに入ってしまうと、これだけで終わりそうだったので断念して、先へ進む。

DSCN2568m

 

大陵苑の正門前まで来ると、南側は広大な敷地。遠くに瞻星台と呼ばれる東洋最古の天文観測所の建物が霞んで見えた。荒涼とした冬の大地を歩くと結構かかる。建物は実に素朴に見える。新羅時代の建造というから、1400年ほどの時が経っているのだろうか。この時代に天文観測とは唐より進んでいたのだろうか。周囲には所々に古墳が見えるが、特に何もない場所。

DSCN2575m

 

足の向くまま歩いていくと、道路に出てしまう。そこを越えると、雁鴨池があった。新羅時代には今通ってきたあたりに半月城という宮廷があり、王侯貴族が歩いてこの池に遊びに来たという。1975年の発掘調査後、現在の姿に復元されており、往時を偲ぶ感じはないが、氷の張った池に浮かぶ鴨を眺め、広い庭園内をゆっくり歩いていると、気持ちがちょっと張る。

DSCN2586m

 

横には慶州博物館があったが、何となく慶州駅が見たくなり、道路沿いを歩く。昨日乗れなかった電車が、先ほど池の近くを通過していったためだ。何とものどかな光景だった。駅まで歩くとそれなりの距離があった。駅自体は非常に小さく、確かに単なるローカル駅だった。

DSCN2590m

DSCN2594m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です